夜にしか書けないことがある
朝活、という言葉ができてから結構な時間が経ったかと思いますが、私は相変わらず夜な夜な好きな物語を書くという身体に悪い生活を続けています。
(noteは朝、原稿は夜、といった感じです)
家族のお弁当作りで早朝に起きなければいけなかろうが、あのしんと静まりかえった時間帯でなければ「書けない」お話というがある気がして。
きっと朝型夜型には向き不向きがあるのでしょう。
自己紹介記事で私の旧商業名義と活動履歴を掲載しましたが、そのほとんどが深夜に制作されたものです。
ジャンルがジャンルだから、というのもありますが、そもそも私がお話を読んでもらいたい読者さんの「層」というのが、夜だからといって中々眠ることができない、かつての私のような女性達である、というのも大きな理由でしょうか。
毎日深夜残業で家には帰って寝るだけの生活だった頃、四月はよく夜桜を見上げながら自転車を漕いで帰っていました。
普通に考えて危ないのですが、事故ってもいいや、と少々なげやりになっていたせいです。
警察官のおじさんに職質された時には「あんたも大変だねぇ」なんて気遣われたこともあったほど。そのおじさんとは下手すれば顔馴染みになってしまうレベルで、毎日帰宅が遅かった当時の私は二十代前半でした。
そこから数年後、今度は子供を持ち、夜泣きとアトピーで睡眠時間が二時間、ひどい時には一時間刻みなうえ、夫は毎日時計が一回り以上しないと帰って来れないワンオペ生活を送りました。
あの当時、たった五分十分の隙間時間がなによりも貴重でした。
けれど眠ることもできないし、ぼうっとするのも虚しいしで、そうして書き始めたのが恋愛を主軸にしたショート小説です。
隙間時間にさくっと、現実を忘れて「愛される」体験に浸れること。
それが私の中で創作の原点になりました。
なので名前を変えた今も以前も、モットーにしているのは「育児の合間のひと時に、残業後の寝る前に、幸せな気持ちになっていただければ嬉しい」という気持ちです。
かつての私のような女性達に、今の私ができることで、私自身もできれば穏やかに過ごしていける生き方として、今もこうして創ることを続けています。
メンタル的な問題や、偏頭痛の悪化により一旦休業状態にも陥りましたが、やっぱり創りたい気持ちは変わりないので、今は自分のペースでかなりゆっくりめに、毎日文字を書いている次第です。
私が書きたい物語を読んでくれた方が、ほんの少しでも疲れた心を休めてくれたら嬉しい。
私が起きて書いている時、きっとどこかの誰かも起きて頑張っているのだろうなと、そういう方に届けばいいなと願いつつ。
今夜も私は深夜に書くという至福の時間を過ごします。
節約的なことを言えば、電気代が安い時間帯でもあるので、洗濯機を回しつつ、煮物だって煮込んじゃいつつ、恋物語を書くのが私にとって何より至福の時間なのです。