火薬と爆薬の違いについて

noteでこれをネタにしたことある人いるだろうかw

私はたぶん日本で唯一発破のできるWeb屋です。と言ってもそこに需要はないですけどね😵

誰得、な情報をつぶやいてみます。
業界を離れてしばらく経つので、思い違いもあるかもしれませんが、気づいた時点で修正致します。

言葉の法律上の定義について

火薬と爆薬。一般的には言い方の違いくらいにしか感じないでしょうが、法律上は意味が違います。火薬類取締法という法律。

第二条 この法律において「火薬類」とは、左に掲げる火薬、爆薬及び火工品をいう。
一 火薬
イ 黒色火薬その他硝酸塩を主とする火薬
ロ 無煙火薬その他硝酸エステルを主とする火薬
ハ その他イ又はロに掲げる火薬と同等に推進的爆発の用途に供せられる火薬であつて経済産業省令で定めるもの
二 爆薬
イ 雷こう、アジ化鉛その他の起爆薬
ロ 硝安爆薬、塩素酸カリ爆薬、カーリツトその他硝酸塩、塩素酸塩又は過塩素酸塩を主とする爆薬
ハ ニトログリセリン、ニトログリコール及び爆発の用途に供せられるその他の硝酸エステル
ニ ダイナマイトその他の硝酸エステルを主とする爆薬
ホ 爆発の用途に供せられるトリニトロベンゼン、トリニトロトルエン、ピクリン酸、トリニトロクロルベンゼン、テトリル、トリニトロアニソール、ヘキサニトロジフエニルアミン、トリメチレントリニトロアミン、ニトロ基を三以上含むその他のニトロ化合物及びこれらを主とする爆薬
ヘ 液体酸素爆薬その他の液体爆薬
ト その他イからヘまでに掲げる爆薬と同等に破壊的爆発の用途に供せられる爆薬であつて経済産業省令で定めるもの
三 火工品
イ 工業雷管、電気雷管、銃用雷管及び信号雷管
ロ 実包及び空包
ハ 信管及び火管
ニ 導爆線、導火線及び電気導火線
ホ 信号焔管及び信号火せん
ヘ 煙火その他前二号に掲げる火薬又は爆薬を使用した火工品(経済産業省令で定めるものを除く。)
2 この法律において「がん具煙火」とは、がん具として用いられる煙火その他のこれに類する煙火であつて、経済産業省令で定めるものをいう。

はい、訳わからないですね。

ざっくり一般の方が想像しやすく乱暴に言いますと、
火薬は花火とかで使われる黒い火薬。
爆薬はダイナマイトなどに代表される爆薬。
なんですが、言葉の定義にその言葉が入ってくるという日本語的矛盾・・

もう少し難しく言うと、

火薬とは、推進的爆発(音速以下で反応が伝わること)により発生したガス圧力を利用して、ロケットや弾丸などを推進させるもので、代表的なものに黒色火薬や無煙火薬といったものがあります。

爆薬は、破壊的爆発(1秒間に2~8kmで反応が伝わること)により発生した多量の熱とガスや衝撃波で破壊効果を発揮するもので、代表的なものにダイナマイトやTNT(トリニトロトルエン)といったものがあります。

下記サイトより引用

簡単に言うと、火薬より爆薬のほうが威力が強いです。

爆薬は火でつかない。

ここが不思議なところですが、威力の強い爆薬のほうが取扱は楽。
ここでいう取扱は、運搬や、セッティングする時の取扱のしやすさを言ってます。

すべての爆薬ではないと思います。工業用に限った話だと思う。これは私も初めて知ったときは驚いたのですが、ダイナマイトなど工業用で使われる爆薬(通常はアンホ爆薬や含水爆薬)は、ライター程度の火では、チョロチョロと燃えることはあっても爆発しません。

とはいえ、火気厳禁、は火薬類取扱では基本中の基本なので、試したことなんてないですw

画像1

↑↑↑こんなやつ。
よく漫画やアニメでダイナマイトらしきものから伸びた導火線に日をつけて敵に投げたりしてますが、これがダイナマイトだとしたら、何も起きません。きっと黒色火薬なんだろうな、と思いますが。。

ちなみに火薬は、少しの火気、少しの静電気でも危ないものです。私の現場ではほぼ使ってなかったですが、相当な注意が必要です。

火薬も実務では電気雷管を使うはずです。

爆薬は電気で起爆する

よく映画とかで、タイマー付きの電線だらけの爆弾が登場しますが、工業の現場では、電気雷管という微量の電気で起爆する火工品を使って、ダイナマイトなどの爆薬を起爆させます。
つまり、電気雷管がなければ爆薬は爆発しません。そのため、電気雷管と爆薬の置き場、管理には細心の注意が必要です。
おそらく爆弾の起爆解除時に電線切ったりしてますが、あれは起爆部分の解除をしてるんだと思います。

発破器→電線→電気雷管→親ダイ+増ダイ
という流れで発破器から微量の電流を流し、発破(爆破)します。
ってまた新しい言葉が出てきてしまいました。

親ダイ・・電気雷管の付いた爆薬
増ダイ・・親ダイだけでは火薬量が足りない分を補う爆薬

火気への注意はもちろんなのですが、怖いのは静電気です。
規格上は静電気程度の電流では電気雷管は起爆しません。
ですが、現場ではとても注意します。

電気雷管でも起爆しない爆薬もある

実はダイナマイトはあまり現場では使われません。少し高いのです。
その代わりが含水爆薬とアンホ爆薬というもの。

含水爆薬とアンホ爆薬でも値段がかなり違います。
含水爆薬のほうが高く威力も強いです。
さらに、含水爆薬は水の中でも使えますが、アンホ爆薬は水に触れると使えなくなってしまいます。

当時の写真とか残してなかったので、メーカーさんのリンク貼っときます。
含水爆薬
https://www.kayakujapan.co.jp/sale/ultex.html
アンホ爆薬
https://www.kayakujapan.co.jp/sale/anfo.html

そのため、水の出ない場所で使う場合、親ダイを含水爆薬、増ダイをアンホ爆薬とします。あれ?安いなら全部アンホ爆薬にすればいいのに!と思いますよね。

そう、アンホ爆薬は電気雷管の起爆があってもその程度では爆発しないのです。親ダイにはなれません。

まとめ的な

似たようなものでも違うことはありますよ

ということが言いたかったのかな・・
誰の生活にも役に立たない、無駄な知識でございました。
うまく落ちないコンテンツになってしまいました・・

■火薬
威力が爆薬より弱いけど、とても扱いがデリケート。身近には花火
■爆薬
威力が強いけど、電気雷管でなければ起爆できないので、比較的取扱が楽。身近には、、ない。ダイナマイトとか。でも世の中には振動でばくはつしちゃうようなものも、もちろんあります。

ネット社会から最も遠い採石業の世界より。
でも最もIT化の恩恵受けそうな業界ではあるんですけどね。

せっかくそんな業界に身を置いたことがあるので、IT化やWEBを通した様々な取り組みに興味ある採石業関係の皆様、実務がわかる人間として、何かお力になりたい、と考えております。お気軽にご相談下さいませ。

公安の人とか、何か書いちゃまずいのあったら削除したりしますので、ご指摘下さいw


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?