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ワンマングルメNo.67「昭和の雰囲気が漂うレトロな空間で食す伝統のオムライス 新橋 "むさしや "」

 平成、令和と時代が移ろうなかで、そこだけは昭和で時間が止まったような空間が広がる新橋駅前 ニュー新橋ビル。

 創業明治18年の老舗大衆洋食店 " むさしや " は、チケットショップやジューススタンドが立ち並ぶ一階にある。

 " むさしや "は長年に渡りサラリーマンの聖地 新橋の台所として、かの地で働くサラリーマンの胃袋を満たしてきた。

 大別するとカレー、スパゲティ、ご飯物とあるなかで、" むさしや "を代表するメニューとして絶大な人気を誇っているのがオムライスである。

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 人の往来が激しいビル内の通路を背にしたカウンターに座りオムライスを注文。すると若干のタイムラグを経てカップに入ったわかめの味噌汁がカウンターに置かれる。

 味噌汁をすすりながら待っていると、キッチンからバターが溶ける良い香りが漂って来る。

 待つことしばし、やがてオムライスが載った白皿が眼前に置かれた、皿を除けば程よい大きさのオムライスと共に盛り合わせの具なしのナポリタンと乱切りのキャベツがワンプレートで提供される。

 バターの香りが立ち上る薄焼き玉子焼きに包まれたオムライスは、まさに昭和の王道オムライス。さっそくチキンライスにスプーンを入れ一口。程よい甘みのケチャップがご飯に絡むチキンライスはまさに伝統的な街洋食の味。まさに昭和の洋食。鶏肉はやや少なめだが、ケチャップライスの美味さでグイグイとスプーンが進む。

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 チキンライスを優しく包む薄焼き玉子の食感はソフトだが、巷の女子に人気のふわとろ仕上げのオムレツ風とは明らかに一線を画すもの。オムライスの主役は飽くまでもチキンライスであり、薄焼き玉子は飽くまでも脇役という街洋食店の調理哲学が貫かれている。

 付け合せの具無しナポリタンの味付けもまさに街洋食のそれで、単なる付け合せの領域を越え、一品としても十分に通用するクオリティに仕上げたれている。

 昭和の空気が漂う空間で食す街洋食の王道メニュー、これからも伝統の味を守り続けてほしいものである。

むさしや
東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル 1F
03-3501-3603


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鳴海邦彦 / KUNIHIKO NARUMI OFFICIAL
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