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One-man Gourmet

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食の伝道師 " 鳴海邦彦が自らの鼻と舌、そして脚で見つけた隠れた名店を食べ歩く。
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2020年6月の記事一覧

ワンマングルメ No.40「天空で味わう至高のヌーベル・キュイジーヌ「プロバンスの風 Sens & Saveurs(サンス・エ・サヴール)の甘い誘惑」

 1998年当時、最年少でミシュランの三つ星を獲得し、世界中の食通に注目された双子のシェフ、ジャック&ローラン・プルセル兄弟。その真髄を凝縮したレストランが東京の玄関口、東京駅を臨む丸ビルの35階にある。  Sens & Saveurs(サンス・エ・サヴール)、フランス語で"五感の追求"を意味する。 景色、インテリア、音楽、会話、そして料理。「五感全てで感じて食事の時間を楽しんでもらいたい」プルセル兄弟が最も大切にしているこの想いがこの言葉に込められている。  プルセ

目黒 権之助坂の”麺屋 黒”。家系ラーメンだが、スープはコラーゲンたっぷりでとろっとしていながらも、意外にあっさりとした口当たりでGood。すべてノーマルで頼んだが、味は元から濃いめなのでちょうど良い。サービスのライスはマスト。スープに浸した海苔で巻くと最高。並650円は安い。

ワンマングルメ No.39「秋葉原 "雁川(がんせん)の冷やし中華は芸術である」

 鬱陶しい梅雨のこの時期は食欲も低下気味。そんな時、無性に食べたくなるのが冷やし中華。  星の数ほどある都内の町中華店でも夏の定番として提供される人気メニューだが、個人的に特にお勧めなのが秋葉原 " 雁川(がんせん)” の一品。  雁川と言えば黒毛和牛のスジ肉を使った  " 牛すじあんかけ炒飯 " や" 生姜焼き炒飯 "といったボリューミューなメニューで有名だが、独自の美学に彩られた "冷やし中華 " も絶品。  それでなくとも具材の仕込みで手間がかかる冷やし中華だが、

ワンマングルメ No.38 「横浜中華街の老舗 ”清風楼”の炒飯」

ワンマングルメNo.37「横浜港 大桟橋 PS(ポートサービス)直営店 "KAIKYO"のカツカレー」

 今を遡ること40年ほど前、横浜港で外航船エージェントの仕事をしていた時期がある。  エージェントとは、港に入港する外航船の各種手続きを代行する仕事で、定錨地の設定・許可、税関の臨検立ち会い、荷降ろしや積載、乗組員の上陸許可の申請、検疫、トン税(港の使用料)の支払いなど、本船が入港してから出航するまで必要な一切の法的な業務を代行する仕事である。  特に横浜港は、神戸港とともに沖荷役(沖に停泊している船と艀(はしけ:バージ)の間で荷物の積み降ろしをすること)が認められている

ワンマングルメNo.36「高速道路を飛ばしてでも食したい店が信州 上田にある。スパゲティ " コーヒ&スパゲティ"Kimik(キミック)」

 上信越自動車道「上田菅平IC」を降りて、国道144号線を菅平方向に直進する。「下原」交差点を過ぎておよお1kmほど走った左手に、瀟洒なロッジ風の建物がある。その店こそ今回ご紹介する「コーヒ&スパゲティの店 Kimik(キミック)」である。  この店の自慢は、なんと言っても豊富な味のバリエーションを執り揃えたスパゲティ。フレッシュクリームをたっぷり使ったクリームソース系(鮭、たらこ、胡麻)と、さっぱりと仕上げた醤油系(うめ、貝柱、しめじ・しいたけ、ポークソテー、焼き肉、きの

ワンマングルメ NO.35「ゴージャスな銀座SIXで味わう華麗なる鉄板焼" TEPPANYAKI 10 GINZA "」

 基本的に大人の街 "銀座"が好きである。銀座の落ち着いた雰囲気が好きである。  心身ともに疲弊したり、仕事などで追い詰められ、心が荒んだ時は必ず銀座に行く。銀座のお気に入りの店で美味しい食事を楽しみ、素敵なラウンジで美味しいお酒を嗜みゆったりと過ごす。  銀座の中でも特に好きな場所が銀座六丁目の"GINZA SIX(銀座シックス)である。  GINZA SIXは銀座再開発の一環として旧松坂屋跡地場に建てられた銀座で最大規模の複合商業施設である。テナントには世界中の一流

ワンマングルメ 番外編「偏愛的ロブション論 なぜロブションでなければならないのか?」

 "ミシュランガイド東京"の創刊以来、実に13年間連続で"三つ星 "レストランに選ばれ、さらにスプーンとフォークの数で表記されてる快適度においても最高評価を得ている東京フレンチの最高峰ガストロミー "ジョエル・ロブション"。  「料理は愛」という故ジョエル・ロブション氏の料理哲学は、三つ星レストランであるガストロミー "ジョエル・ロブション"をはじめ、同じく恵比寿ガーデンプレイスの一角にあるシャトーロブション内で、洗練されたモダン・フレンチをコースとアラカルトでカジュアルに

アボカドと海老のタルタル

ワンマングルメ No.34 「これぞポークカレー! 大満足の"東印度カレー商会"」

 以前にも告白した通り大のポークカレーマニアだ。新たなカレー専門店に入ると、まずは必ずポークカレーを注文する。  "東印度カレー商会"は、東急目黒線 不動前駅の改札を出て左すぐの商店街にある。  うなぎの寝床様のカウンターのみの店内。人気メニューである「上々豚カレー(中辛)」をオーダーする。  カレーはライスとナン、そしてライスとナンのハーフ・アンド・ハーフも選択できる。  ハーフ・アンド・ハーフを注文し、待つことしばし。  やがて大皿に盛られたカレーライスが着皿。

ワンマングルメ No.33 「大井町 昭和の香りを色濃く残る路地裏の街洋食店 "ブルドック "」

 JR京浜東北線 大井町。東急大井町線の改札がある東口改札を出て、かの老舗ラーメン屋" 永楽 "がある昭和の香りムンムンの「東小路飲食街」を抜けたると正面に派手な電飾看板が見える。  「お食事は大井一うまい・やすい ブルドック」  裏路地にひっそり佇むブルドックは、創業60年を超える大井町の超老舗洋食店である。  思い起こせば、この店との付き合いは、それこそ物心ついた頃から始まり、昭和・平成、そして令和の今日に至るまで続いている。  ブルドックの看板メニューは以前から

ワンマングルメ No.32 「至高のかき揚げ天に舌鼓 初台の老舗立ち食いそば屋 ”加賀"」

 新宿から京王新線に乗り、一つ目の駅「初台」で下車。  上下線2重構造の地下駅を地上まであがり"北口 "で地上に出る。  地上に出るとすぐ目の前は国道20号線(甲州街道)、立ち食いそば"加賀"はその角にある。  加賀は1986年創業というこの店は、初台で30年以上の歴史を誇る老舗の立ち食いそば屋である。  立ち食いソバにおけるトッピングの王道と言えば、なんといってもタマネギやにんじん、小海老などを絡めて揚げる"かき揚げ天"。  加賀の"かき揚げ天"は、世にあまたある

ワンマングルメ No.31 「築地 すし好 銀座六丁目店で楽しむ江戸の粋」

 "築地 すし好"は、築地に本店を構えるチェーン店である。  チェーン店の寿司屋は店舗によってばらつきがあるのが常である。"築地 すし好"もその例外ではない。  都内に何店舗かある"築地 すし好”の中でも、特にお気に入りで、足繁く通っているのが銀座六丁目交差点近くにある銀座六丁目店だ。  この店の握りはシャリとネタとの絶妙なバランスで、その握りかげんは言うに及ばず、ネタを仕入れる目利きも確かで、ネタの鮮度は抜群。さらにネタの仕込みを丁寧。訪れるたびに板さんのこだわりと腕

ワンマングルメ No.30 「NEO JAPONISM(新和風)スパゲティの旗艦"はしや"で味わう極旨の"うにのスパゲティ」

 そもそもスパゲティはイタリアのパスタ料理の一種である。本国イタリアでは主としてトマトソース、オリーブオイル、ままクリームを味付けのベースとしたスパゲティが主流であり、奇をてらったアレンジはほとんど見当たらない。  翻って我が国日本。イタリア同様、日本でも老若男女を問わずスパゲティが大好き。今や米やパンに次いで消費量が多い主食の一つである。  日本のスパゲティの歴史を振り返ると、1953年(昭和37年)創業の老舗専門店「壁の穴」や一部の町洋食店を除けば、スパゲティは主とし