人生会議は生き方会議
ACPや人生会議について少し混乱したため、ACPを実践している友人のケアマネージャーに相談しお薦めの本を紹介してもらった。きっとこの本を勧めてくれるという確信があった。
Amazonのレビューを読んで少し躊躇していたため背中を押してもらいたかった。
すぐに購入し読んでいくと僕が考えている人生会議について書かれていて頷きながら読み進めた。
そんな中、「私たちの人生会議」を読んでいて、ふと思い出したことがあった。
結婚を決めた頃、義父に肺がんが見つかった。余命半年・・・結婚式と重なった。二人で話し合いキャンセルすることにした。
30年ほど前は、本人への告知は進んでなく妻の家族は義父には伏せるという判断をした。
そのうち問題が生じた。結婚式をキャンセルしたことが知られたら義父が勘繰るかもしれない。
式場は当初予定していた日は既に予約でいっぱいになっていた。
幸いにもキャンセルが入り、予定通り式を挙げることになったが、次に意識したことは新婚旅行の場所であった。
当所はオーストラリアに行く予定であったが、万が一の場合、急遽戻れるように少し近いハワイに変更した。
予算は変えずリムジンで観光することにした。
新婚旅行から帰ると妻は看病のために実家に戻りそれから1ヶ月後、義父は空に旅立った。
発病前に両家で会食ぽいことはしたが、結婚式を迎える少し前に義父が「正式な挨拶」を聞いてないと言い始めた。
急遽、結納らしきことを行うことにした。今から考えると娘の相手ときっちりと話をしたかったような気がする。
転移した脳に放射線治療を始める頃だった。きっと全て悟っていたのだろう。
結婚式でも既に車椅子に酸素ボンベという状態で参列していた義父が親族紹介の場面では立ち上がり直立不動で親族を一人づつ紹介した。娘のためへの覚悟を決めた命懸けのパフォーマンスだった。
あの頃、告知して人生会議をしていたら義父はどうしていただろう。
「俺が万が一の時は、娘のことを頼むぞ」と言いたかった気がする。
がん告知が当たり前になって来たように、やがて、人生会議も日常的に行われるようになってくるだろう。
僕自身は自分の考えや生き方を家族に日常的に伝えることにしている。わざわざ会議と身構えることもなく妻や息子たちは突っ込んでくる。
僕の意見はほとんど却下されるが気持ちは伝わっていると思っている。
今は白血病といえ誰よりも元気に楽しく生きている父親の姿からはリアル感が感じられないだろう。
それでも今後も日常的に人生会議を繰り返す中、僕の状況次第で徐々に変化は起きてくるだろう。
そんな家族の一面を知っているから拒絶されても笑い飛ばせられる。
真剣に話し合うのは最後の人生会議だけでいい。
それまでは家族内で普通に話し合える文化を育てていけばいい。
最期の最後までしあわせに生きていくためにも日常的な人生会議を繰り返そう
まずは自らが身をもって
しあわせです感謝
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