希望という灯を掲げて走る
白血病細胞と共に生きて20年間を9月1日に迎える。
当時、希望という灯を一生懸命探していたことを思い出す。 慢性骨髄性白血病(CML:Chronic Myelogenous Leukemia)で同じ治療法の最長生存年数と生存状態(日々の過ごし方、仕事、レクレーション)を探していた。 前者は20年間生存という海外のネット記事を見つけた。後者はスポーツも普通に出来ているという人を見つけた。ただ同じ人物ではなかった。それでも僕にとっては希望という灯になった。
この灯にたどり着くまでには、途絶えたブログを数多く目にした。現実を目のあたりにしたが、それでも20年間生存した人がいる事実は僕もその可能性があるということを意味していた。それが世界中でたった一人だとしても。
奇跡は滅多に起こらないが、起きるから奇跡という単語がある。
インターフェロン療法を選択した理由は4人の息子たちの成長を見守るため10年間生きる目標を達成することだった。 治療選択の半年後には分子標的薬へと変更となったがおかげさまで10年前に達成することができた。この夜は不思議な体験をしたが感謝と祝福をした。
20年目を迎えてあらためて考えると当時の希望に追い付き、追い越すことになることに気がついた。
服用している分子標的薬が日本国内で発売されて20年が経つ。 僕はそのトップランナーの1人である。 おそらく僕よりも後で同じCMLになった人もきっとネットで希望という灯を探すであろう。 僕が見つけたかった長期生存かつ自分らしく生きている人を見つけたならば、それはとても大きな希望という灯になると僕は信じている。
だからこれからは僕が大きな灯を掲げて走り続けていく。まさに聖火のように。ただバトンリレーする相手も聖火台も存在しない孤独な旅だ。
それでも誰かの大きな灯になるなら踏み出す一歩一歩が喜びとしあわせに変わる。
自分らしく生きることも自分だけのしあわせではなくサバイバー仲間とその家族をしあわせにできる。最高の旅だ!
今後も誰もがすぐに見つけることができ、誰もがすぐにアクセスでき、どのように生きてきたかをダイレクトにアドバイスを受けられることを意識していく。
万が一、灯が消えることになっても「死ぬまでに読んでおけ」に残してある。
2001年8月31日がん宣告 疑い段階からどん底の気分。回復まで1年間掛かった。
2021年9月1日20年生存達成
現在、毎日、全力で生き、全力で楽しみ、素敵な仲間に囲まれ、しあわせと感謝の気持ちに包まれながらに過ごしている。
しあわせです❤感謝