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がん告知からの気持ちの切り替え  ~涙の時期はいつまで続いたか?~

がん告知からの気持ちの切り替え

 ~涙の時期はいつまで続いたか?~

#枯れる時期

2001年7月血液検査の結果から慢性骨髄性白血病が疑われ、2週間後、骨髄穿刺等の精密検査を受けた。この2週間が最も心が揺れ動いていた。死の恐怖、家族との別れ、家族の生活問題、息子たちの進路就労と医療費等の経済的な問題など、次から次へと苦しみが襲ってきた。そして、生きがいの喪失が起き、死を求めるようになっていた。骨髄穿刺直後にピークが訪れて徐々にではあるが、落ち着きを取り戻し、今後の対策に取り組み始めた。

私はこの2週間の時期を【枯れる時期】と呼んでいて、この時期は徹底的に落ち込んだ方が良い。きっと発作のように涙があふれ出すことが多々ある時期だ。私も映画館や自宅で良く泣いた。涙は留まることが無く涙が枯れるまで長時間泣き続けた。この時期は無理に元気なろうとしない方がいい。死と向き合うことにより人生に見つめ直す大切な時期だ。自分にとって何が大切かに気付く。そして、次の時期に向けて枯れ切ってしまう必要がある。しっかり枯れると、やがて新しい根が張り出し、不思議な変化が訪れる。

#根を張る時期

疑いから一か月経った頃、正式に診断名が付いた。この後、2週間の入院生活と一週間の自宅療養となった。枯れる時期を終えると現実問題を考えるようになり、治療方法や就労問題を考えるようになっていった。

根を張る時期と名付けた背景は、様々な気付きやメッセージを受け取る時期であるからだ。枯れる時期の涙の意味から大切なことを理解したり、世の中のイベントから今までは感じ取ることもなかったことを受け取れるようになる。

僕は病室で2001年9月11日を迎え、ニューヨークのテロをテレビで知った。この時受け取ったメッセージは、「#人は誰でも死ぬ。そして、#死はいつやって来るかは誰にも判らない」。それまで死に対し孤独な恐怖を感じていたが、すぅっと抜けていった。

そして、「#やりたいことをやり遺さない」と決めた。退院後は、仕事に打ち込むために封印してきた「ロールプレイングゲーム」に取り組んだ。約半年間来る日も来る日もゲームに明け暮れた。そして、気が付いた。「人生が短いかもしれないのに、こんなくだらないことに半年も使ってしまった」と。この日以来ゲームは止めた。これも今から思うと大切なメッセージである。

これ以外にも「#死ぬまでは生きている。だったら死ぬ瞬間まで思い切り生きてやる」「#人生は長さではなくいかに充実するかだ」「#人生の満足度は生存日数×日々の充実度。横軸(生存日数)が短ければそれ以上に縦(日々の充実度)を伸ばせばいい」「いのちが短ければ早く夢を達成すればいい」「#自分が見えていないところで多くの方が支えてくれている。感謝」等の貴重なメッセージを受け取ることができた。

#新芽が出る時期

枯れる時期、根を張る時期が過ぎると、突然。新芽が出る時期がやって来る。私は一年後に訪れた。それが新入社員との出会いであった。根を張る時期にじわじわと回復してきた気持ちが一気に発芽した。ここからはどんどん前向きに生きるように自己研鑽に取り組むようになっていった。

芽が出ても根は張り続ける

新芽が出るとすくすく育つ。幹も次第に太くなっていく。そのためにもしっかり根を張ることが必要である。新芽が出る時期以降も様々なメッセージを受け取りながら成長を続けてきた。それでもまだまだ不安定な時期が続く。

私はアットホームな映画やTV番組を見ながら大泣きしていた。大泣きした番組は 江原啓之 さんが出演されていた「#天国からの手紙」であった。この番組は2004年~2007年頃に掛けて不定期に放送されていた。発病から3~6年経過していたが、ティッシュボックスを半分ほど使うくらい涙を流した。この頃は家族の前で泣くことも平気となっていた。この頃は3か月に一度くらいは積極的に涙を流し気持ちをリフレッシュするように努めていた。涙を流す周期は3か月から半年ごとに延び、やがて、1年間ごとになり、いつの間にか抜けきっていた。

ひとは年月を掛けて回復していく。

現在、交流している多くの方とは2007年以降に出会っている。元気な私しか知らない人ばかりである。白血病なのにどうしてそんな元気なんだろうと思われているかもしれない。今回お伝えしたいのは、枯れる時期、根を張る時期等のプロセスを経てここまで回復してきたことである。告知直後の方には、しっかり枯れることをお勧めしている。無理に頑張らなくてもいい。しっかり枯れてしまえば、新しい根や芽が出てくる。ひとは想像以上に強いものだ。そして、たまにメンテナンスとして涙を流すことをお勧めする。

「#しあわせです感謝」でチェックする

新芽が出始めたと感じたら、「#しあわせです感謝」という呪文を唱える事を推奨したい。どんなにネガティブなことに出会っても、最後にこの言葉を付け加えるとポジティブな意味に切り替わるからだ。

「がんになった。#しあわせです感謝」と書いてみよう。違和感を感じたら、無理せず枯れる時期、根を張る時期を過ごすことだ。

違和感を感じなければもう大丈夫。継続して「しあわせです感謝」を唱えると、芽がすくすく伸びていくはずだ。

#しあわせです感謝

詳しくは拙書「#死ぬまでに読んでおけ」をご参照ください。

#がんサポ喫茶止まり木 に遊びに来てください。

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