いまできること
先だって二回目となる緊急事態宣言が東京圏で発令されてしまいましたね。我が大阪府も緊急事態宣言の発出の要請をしたそうですが、これから受験シーズンももちろありますし、飲食店が悲鳴を上げているという声も聞こえている中、どうなっていくのか先行き不透明になってきましたね。。。
今回は、個人的な見解もありますが、リスクをテーマに書かせていただきます。
「また来年ね」なんてないから
このタイトルを見てご存知の方も多いと思いますが、いまSNSで話題となっている、とある会社の取り組みです。
今回の緊急事態宣言がちょうど成人式と時期が重なったこともあり、新型コロナ感染症拡大防止と医療従事者への配慮の観点より、各地で成人式が中止や延期になっているそうです。
確かに、医療従事者がひっ迫している状況は理解できますし、新型コロナ感染症が再拡大している状況もわかるのですが、簡単に伝統行事を中止と決定していいのか疑問です。リスク管理というわかったような言葉で、どうにか開催できる方法を検討したかもわからないままでは、「また来年ね」という言葉だけで、この瞬間しかないハタチの成人たちが納得するのでしょうか。
この話題になっている会社は、このように成人式を迎える若者にエールを送ったそうです。
あなたの地域の成人式がどのような形式になったとしても、どうか、ハタチをお祝いする気持ちは、縮小させたりしないでください。むしろ、先行きが見えないこの時代に、大人としての一歩を踏み出す皆さんへ、今まで以上のエールを。今年だからこそ、大きな「おめでとう」を。送りたいと思う私たちです。
心温まるエールですよね。。。
リスク(RISK)とは
リスク(RISK)と聞くと、みなさんは真っ先にどういうことを思い浮かべますか? Wikipediaでは、
リスク (英: risk)とは、将来のいずれかの時において何か悪い事象が起こる可能性をいう。この概念をベースとして、金融学や工学、あるいはリスクマネジメントの理論の中で派生的にバリエーションのある定義づけがなされている。
と書かれていましたが、みなさんはどう思われてましたか?
ファイナンスの社会では、実は、このリスク(RISK)という言葉を危険という意味だけではなく、「危機」という解釈をしているのだそうです。
危機とは
それでは「危機」という言葉は、どんな意味でしょうか?
同じくWikipediaでは、
危機(きき)とは、安全、経済、政治、社会、環境等の面で、個人、組織、コミュニティ、もしくは社会全体に対して不安定かつ危険な状況をもたらす、もしくはもたらしかねない突発的な出来事のことである。
と書かれています。英語では確かにクライシス(crisis)と訳され、このような意味にとらわれがちですが、ファイナンスの世界では、もちろん「危」という言葉が入っているのでネガティブな意味の危険という意味もあるものの、「機」という言葉があるように、「機会(opportunity)」という意味もあるそうです。
つまり、ネガティブなことばかりに気を取られてしまい何もしなければ、機会を逃して得るべき利益を失うだけでなく、より危険な方向に舵を切ってしまうってこともありえるのです。
リスクヘッジとリスクテイク
投資の世界では、「リスクヘッジ(risk hedge)」と「リスクテイク(risk taking)」とがあるそうです。
リスクヘッジは「失敗に備えてとる予防策」と、リスクテイクは「危険があることを承知で行動すること」と言われています。リターン(収益)を挙げていくためには、リスクヘッジはもちろん必要ですが、リスクテイクもしないとリターン(配当)が得られないということなんですよね。
はじめから損をするとわかっている投資はするのは明らかに無謀ですが、なにが起こるかわからないうちから、いきなり「NO」と決めるつける必要もないと思います。あるとすれば、すべての可能性を考えて、どれも無理ということになれば、それは今投資する時期ではないということだけなのかなと思います。投資するにもそこからお金が生み出される仕組みとなっているかがひとつの判断基準だと、「金持ち父さん貧乏父さん」で書かれています。
リスクマネジメント
「リスクマネジメント」という言葉をよく聞きますが、リスクヘッジとリスクテイクの話が分かれば、ファイナンスで使われる「リスク」という言葉を理解すれば、危険なときでも機会をうかがって、その機会が訪れたときにチャンスを広げるマネジメントのことをいうことだと思っています。
だから、コロナでとか、緊急事態宣言がでたからとかではなく、その状態でもできることは必ずあるのです。
できないことを並べるのではなく、できることから始めていき、あるものを使い倒す、バリュー・リノベーションズ・さの(VRS)のアドバイザーをしていただいている嶋田洋平さんもそうおっしゃってました。
まずは第一歩を踏み出そう、そして謙虚に
一見正しいかのように思える言い訳が先にきて、あとの行動につながっていないのは、やっていないのと同じなんですよね。
やらなければ何も動かない、でも一気に何もかもはできない上にお金も続かない、だから小さく始めて、軌道に乗れば徐々に大きくしていく。
これはビジネスの世界も、まちづくりにおいても同じだと思います。いいことをしているからわかってもらってるはずだとか、いい話だから分かって当たり前ということはなく、相手に自分の気持ちが伝わったら相手が動くのです。相手を動かすには、自分も伝えたい、わかってもらいたいという気持ちを込めなければ、相手には伝わるはずもないのです!
以前のnoteにも書いていますので、またご覧ください。
まちにはスーパーマンは来ない
高度経済成長期の昭和半ば頃には、ウルトラマンや仮面ライダーのようなヒーローが登場して怪獣・怪人を退治してくれたスーパーマン的な存在があった時代から、映画の興行収入が歴代1位となった「鬼滅の刃」のように、主人公がどこにでもいるごく普通のキャラクターが注目されているのも、コロナ禍で先行き不透明な時代になってしまった今のご時世なのかもしれませんね。
しかし、まちづくりにはスーパーマン的な人が現れて、まちの課題を解決してくれる、そんなことは全くありえないのです。あるとすれば、それはいっときの打ち上げ花火みたいなにぎわいだけです。
今できることをやることが大事であり、もっともらしい理由をつけて何もなってなければ、やったうちに入らないのです。それこそ「また来年ね」と言ってる人たちと同じ発想ですよね。。。
想いを紡ぐ場所を
とは言いながらも、この物件にはさすがにリスクマネジメントを行うにはとても苦労してしまいました。詳しくは以前に書かせていただいたnoteをご覧ください。
このプロジェクトも残すところ約1週間となりました。ご支援いただいた方の大半はご自身の仕事もコロナ禍で大きな影響があるにも関わらず、このプロジェクトにご賛同いただいた方々です。
それだけではなく、工事にあたっていただいた工事業者さんも採算度外視で、しかも工期もこちらの都合で対応してくれました。詳しくはクラウドファンディングサイトの新着情報に載せていますので、ご覧ください。
最後に
今回は少し語らせていただきましたが、VRSは、今年は更なる飛躍をするため、このプロジェクトに取り組んでいます。ここからまちのフラグシップとして、まちのプロジェクトに紡いでいく拠点とすべく、1月18日(月)23時までクラウドファンディングに挑戦しています。最後の最後まで諦めずに頑張りますので、応援よろしくお願いします!<(_ _)>