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【#一日一題 木曜更新】 野菜が高くて泣けてきた

山陽新聞の「一日一題」が大好きな岡山在住の人間が、勝手に自分の「一日一題」を新聞と同様800字程度で書き、週に1度木曜日に更新します。

 野菜が高くて泣けてきた。
 いつもなら直売所では目についた野菜をポンポンと放り込む。しかしその日はなかなか埋まらないカゴを持ったまま、広い売り場をぐるりと3周はした。青菜の類が200円ほど。これまでの冬の倍くらいだろうか。同居人が減って青菜は一束ずつしか買わなくなったが、使うお金は同じ。これはいかに。
 
 そしてかなり大きなものだったが、白菜1玉980円。白菜やキャベツはまあまあ長持ちするのでいつも丸ごと買う。が、この日は買うのを躊躇した。直売所に半割りや四つ割りは売っていないのでスーパーマーケットへ行ってみると、大きめのチコリかと見まがうほどの貧相な白菜が丸のままで398円、それとは違う大きめの四つ割りが238円。ふぬうと思いながら代わりにもやし2袋を手に取った。
 野菜の高騰は待てば落ち着くはず…と思いたいが、お米の価格を考えると、これからはそうもいかないのかもしれない。
 
 そういえば、近所の店から激安のゆでうどん玉が姿を消した。通常で20円前後、在庫処分で5円10円で売り切るような、うどんの形をしているだけの風味のないうどん(とはいえ、ここ2年はそこまでいさぎよい値段にならなくなった)。最近その棚に代わりに入ったのは、大手メーカーのゆでうどん、通常で38円。これも味はいまいちなのだが、20円のうどんよりはまだうどんのていを成している。だがこのうどん、38円以下になったのを見たことがない。
 
 ある漫画に、主人公の大阪の女の子が「この町には10円のうどん玉がないなあ。貧乏人はどないするねん」という台詞があった。安い材料を仕入れ、でんぷんでのばしていようとなんだろうと、20円で売れるうどんを作る会社があって、それを買い求める人がいる。しかし小さな会社が薄利多売をできないくらい、世の中は逼迫しているらしい。

 話を白菜に戻そう。
 白菜ひとつ980円。そんな状態でも、農家の皆さんが少しでもラクになっていればよいのだがと、そんなふうに思えるくらいには社会の仕組みを知っていて、そして憂いも抱いている。高い高いニホンシネと素直に憤れるなら、その方がラクかもしれないと泣けてきた。

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くにとみゆき(牡蠣ミユキ)
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