ブラック、安堵ホワイト #言葉を宿したモノたち
どうしたって、いつも迫害を受けるのは黒い僕らで。白いひとたちと戦おうとして摩耗したのか、鼠色になってしまったヤツらもいる。
巨大な丸い生き物に
ある時はギリギリとした痛みを
ある時は洪水かのごとく水攻めを受け
巨大な丸い生き物がいなくなったと思ったら
今度はダム決壊のごとく
焦げた臭いのする黒くて熱い液体を浴びせられ
その傷と湿りが癒えたあと、あの人にどんなに念を送っても、あの人は僕の方を見てなくて。うんともすんとも言ってくれないんだ。
そして途方に暮れていると。
新参者が、あっさりと私のポジションを奪っていくのだ。でもね、新参とはいえ、それは僕と同じ黒い姿をしていて少し安心する。
きっと君も同じ目に遭うのだ。僕と。
あの白い人たちと、僕ら黒い組は違うから。
ここから見える少し高い場所には、白い姿をした人たちがいるんだ。なぜか黒い僕らと違って水攻めに遭う確率は低いし、そのポジションを新参者に取って変わられる事態にも、あまりならない。
いいなあ、長生きができて。
白い人は。
ああ、そろそろ大統領選投票の時間だね。
ん?僕? 名乗るほどのものでもないよ。
黒い、黒い姿をしているんだ。
★★★
仲さんの #言葉を宿したモノたち の企画に参加しています。
ふふふ。楽しいですね。
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