【1分で読める500字コラム】「天皇の子」知れば知るほど簡単には怒れない
ワケあって、池澤夏樹先生編集の「日本語のために」を眠くなりながら読んでいます。このような分厚くて難解な本、当然自分で選ぶわけはなく、友人が開催中の小さな小さな読書会に参加するための課題本です。
第一章は「祝詞」。
祝詞ってアレでしょう。かしこみかしこみ。私なぞが読んでわかるのかいなと思いつつ、読了。もちろん、池澤先生の解説あっての咀嚼です。
かつての日本は、神様に祈禱をささげて災いや罪を洗い流してもらおうとしていました。まあ、それは今も同じなのですけども。神社にお参りしますよね。村人は「わたしたちの災いをお流しください」と神様に祈り、神主はその祈りをまとめ、祈祷や祓いでもって神に伝えるわけです。
「天皇は神主の親分」
古代の日本における、天皇の位置づけ。様々な宗教を知る前の日本人は、天照大御神が全てで、天皇は神と通じる術をもつ奉るべき人物だったのです。史実。
上記の彼の「天皇の子」発言は、到底許されるものではありません。うまいこと言ったとでも思っているのでしょうか。ナンセンス極まりない。が、しかしです。かつての日本の「神」や「天皇」への在り方を鑑みると、SNSに飛び交う「天皇の子?は?私は両親の子だし」という下らない批判(もしかしてジョークなのかも?)もいただけません。
知識と教養。私の年齢になっても道半ばですが、ものごとは知れば知るほど、怒れなくなるし、批判がしにくくなりますね。怒りに筋を通すのが、これほどまでに難儀だったとは。ああ、もどかしい。
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