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あきらめる、ということ【500字コラム】
「取れると思ったボールに、間に合わなくなったから」
元プロ野球選手、新庄剛さんの引退会見の言葉。
身体能力の衰えを端的に現したこの言葉には、彼のプロとしてのプライドが詰まっています。北海道出身の私は、日ハム優勝時の彼の最後の胴上げ姿を見て、「スターってのは最後までスターなのね」と思った記憶が。
「体力の限界……!」
元横綱千代の富士関、引退会見での言葉。
1991年。北海道出身の横綱だったので、彼の引退は地方局も地方紙も大騒ぎ。16歳だった私は、大人の、男性の、そして大きな体をしたスポーツ選手が、自分の体力を憂いて涙ながらに記者会見に臨む姿を見て、たいそう驚いたものです。
そしてこちらは、今朝の朝日新聞。
いまだ現役の三浦知良さん、53歳でゲームキャプテンを。
Jリーグの発足時のスター選手で、私の世代にとっては神々しさを感じるちょっと特別な選手です。赤い腕章を託されたカズの写真を見て、目頭が熱くなりました。そして、パワーも分けてもらいました。
スポーツ選手の現役引退の区切りは、体力。仕事をしながら、ふと思います。体力ありきではない仕事の場合、どこで自分に区切りをつけるんでしょう。
「こだわりのある三流は四流だ」
「半端な二流は三流より劣る」
最近見聞きした言葉で、自分をあれこれ振り返る憂いの秋です。反省と精進は、自分を追い込みますね。そして気が付くんです。
「あら私、まだまだやる気のようだわ」と。
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