【＃一日一題　木曜更新】 木を見て森を見ず

山陽新聞の「一日一題」が大好きな岡山在住の人間が、勝手に自分の「一日一題」を新聞と同様800字程度で書き、週に１度木曜日に更新します。ほらいつか岡山在住ライターとして一日一題から依頼が来るかもしれないし……し…？　

　２週間ほど郵便物をためてしまい、半泣きになりながら開封した。紙書類の整理、苦手です。でも私の場合は紙書類で助かっていることもずいぶん多いので、完全ペーパーレスにはならないでと願う。紙書類の整理が苦手な人は、電子書類の整理ももれなく苦手。

　封書やハガキの中身は保険の更新、国民年金重要なお知らせ、市の健康診断案内、スマホ買い替え、店のダイレクトメール……大半がちっとも大切じゃなくて、開封するだけムダだったかもしれない。でもぺリぺりと剥がすタイプのハガキには「何か良い情報があるかも」と思わせる何かがある。剥がさないと気が済まないのはきっと袋とじの心理と同じでよくできている。そして国民年金のそれは太字で「重要なお知らせ」なんて書いてある。払ってないものでもあったかとドキドキしながら開封したら「クレジットカード払いのご案内」だった。なんだ。そういや、今年はQRコード決済にしたんだっけ。クレカ払いでも、まあまあ同じことだけど、来年からクレカ払いにするためには書類記入後に返信してくれという。書くのがだるいので、パス。そういうとこだぞと思う。来年もQRコード決済でいいや。

　まだまだある封書の中に、毛色の違うものが１通。封筒の大きさは他と変わらないんだけど、どうもダサい。と、思ったら子宛ての「自衛隊への勧誘」だった。へえ、噂には聞いたことがあったけど、本当にこうやって封書で来るんだ。「僕も　私も　誰かのヒーローに」。何ともいえないメインコピー。自衛隊がヒーローになるってことは、日本が平和じゃない時だ。戦争とまでいかなくても、災害救助や災害復興、いずれも混乱の中での派遣。確かにヒーローになれるかもしれないけど、ニュアンスがちょっと。でもこれはおそらく18歳かそれに近いくらいの若者に向けてのコピーなので、最初から怖くてダサいものにしてはいけないか。これくらい、少しだけ格好良いことにしておく方が得策かもしれない。考えてみたら、これくらいの「盛り」はどこの企業も必死でやっていること。公になると目くじら立てたくなるのは、一体なぜなんだろう。