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【#一日一題 木曜更新】 ところ変われば

山陽新聞の「一日一題」が大好きな岡山在住の人間が、勝手に自分の「一日一題」を新聞と同様800字以内で書き、週に1度木曜日に更新します。ほらいつか岡山在住ライターとして一日一題から依頼が来るかもしれないし……し…? 

わりと長いこと、ものを書いてテキストを納品している身の上です。そのせいか仕事ではなくても、日ごろから言葉ってものを大切にしたいと考えています。大切というと、ちょっと違うかな。敏感の方がしっくりくるかもしれません。言葉に敏感であれ。

今日の一日一題は、私にとって、文法とか誤用とか、言葉についてのそんな四角四面な話ではない、ちょっと面白かった出来事をば。

先日、編集さんから受け取った校正中の原稿に「聞き慣れない言葉なので、修正しました」というチェックが入っていました。
その言葉は「冬期間」(とうきかん)。
文字通り、「冬の間」という意味で、北国暮らしの人間が当たり前のように口にする言葉です。そのため、実はチェックを見た時は解せない気持ちでいっぱい。ええ、うそ、なんでだろう???と、SNSでその内容でつぶやいたところ、生粋の江戸っ子であるフォロアーさんから「聞き慣れないです!笑」とコメントが入りました。うっそ。

グーグル先生に「冬期間」を聞いてみたところ、出てくるのは北国の自治体ホームページばかり。「冬期間のお役立ちリンク集」、「冬期間の空き家の適切な除雪と管理」「冬期間のごみの出し方」「冬期間の水道料金の精算」「冬期間の通行禁止について」

方言とまでいかないものの、これは北国の言葉なのですね。
そういえば、「夏期間」とは言いません。

なんてことのない言葉なのですが、「夏と冬で生活が様変わりする地域」だからこそ通用する言葉なのだと、やっと納得。自分の常識は他人のそれとは違うといつも念頭に置いていますが、まだまだ知らないことがあるなあと楽しくなったわけであります。

生まれは北海道ですが、少しずつ南下して現在は中国地方瀬戸内海沿いで暮らす私です。「気温が零下になる」「雪が積もる」状態は皆無で、通年でフラットに生活できるとても快適な地域ですが、「冬期間」という言葉が必要なほどの、故郷でのくっきりした「冬の暮らし」を懐かしくも思います。



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くにとみゆき(牡蠣ミユキ)
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