第21回 2023年映画ベスト5を選ぶ!!クサいセリフでも綺麗事でもない、真剣に思う、やはり「愛」こそが全てのはじまり。そして「愛」ゆえに人は傷つけ傷つけられる。そこに「許し」をもって憎しみを解き放ち、また自ら歩き出せるか。生きる上で避けられない絶望と希望にもう一度目を向ける!!
くに:前回からちょっと間が空いてしまいました、、、!なぜかというと、今回の内容が全然まとまらなかったからです(笑) という事で、2023年もあと少しという事で、このブログ始めて4ヶ月くらいなんですが、今年のベスト5を選んでみよう!!
たけ:このブログで取り上げた映画は19本しかないから、この中からベスト5を選ぶのはしんどいという事で、あたしらが今年観た映画から選ぶという事にします!!
くに:ちなみに、今年観た映画、全部で何本だった??
たけ:全部で76作品でしたね〜。例年に比べて少なかった、、。ちなみに、映画館で観たもの、NETFLIXのようなサブスクで配信してるもの、その中のドラマ形式のものも全て含めて数えました〜。
くに:でも1週間に1本より早いペースで映画観てることになるよね(笑)
たけ:流し見で途中でやめたっていうの含めたらもっとあると思う(笑)
くに:オッケ!では、ベスト5発表しましょう!今回は順位はなく、5本厳選という形式です!
『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』
『エゴイスト』
『対峙』
『CLOSE』
『アフターサン』
たけ:選ぶのホント大変でした、、、。
くに:『エゴイスト』『アフターサン』はブログで取り上げたね〜。たけは年末まで『エゴイスト』が1位だったけど、『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』が年末に公開されて、入れ替わったんだよね?
たけ:いや〜最高だった。ゲゲゲの謎もエゴイストもすごい似てる部分があって、何か自分自身に負い目や隠したい部分を抱えながら生きている人が、心から愛する人を見つけることで自分が生きることに希望を見出す人が主人公だよね。ゲゲゲの謎だとゲゲ郎 (後の目玉の親父)が、エゴイストだと浩輔(鈴木亮平)がそうなんだけどさ、なんかクサいセリフみたいになっちゃいそうで言うの恥ずかしいけど、やっぱり「愛」こそが全ての出発点なんだろうと。
くに:よく「人は一人で生きていけない」っていうじゃん。もうテンプレワードみたいになっているから「はい確かにそーですね」っていう二つ返事で終わっちゃいそうなもんなんだけど、「一人で生きていけないということがどういうことなのか」っていうことを今年色んな映画を通して見せつけられたよね。生活におけるインフラが整うためには一人では生きていけないとか、そう言った次元の言葉じゃないんだよね。自分が何か愛を注げる事だったり人がいない、ということがその人にとってどういったことをもたらすかということであって、それこそ孤独だったり、毎日がつまらなくてしょうがないだったり、そういったことが積み重なっていくことで、生きることに希望を持てなくなって最悪の場合、自ら命を絶つという選択を取るという人が世界で一番多いのが日本じゃん。これもキーワードだけど、誰かあるいは何かに対して「贈与」することそのものに喜びを感じられることが、幸せだとするならば、今の時代、これほど他人との関係が希薄になっているからこそなお心に響いた映画だったね。
たけ:例えば、愛を注げる対象が人ならば、そこに年齢や性別、カテゴリーなど関係ない、というところも凄く感じられたよね。ゲゲ郎の愛した妻も、ゲイである浩輔(鈴木亮平)が愛した龍太(宮沢氷魚)も、そういった壁を超えていたじゃない?「自分から愛を注ぐことができるかどうか」という価値観が一番大事でしょっていう明確なメッセージが凄く感じられて、同時に今の時代に対する皮肉にも思った。でも、愛を注げるものがあるということは、同時にそれを失った時に自分に降りかかってくる傷も計り知れないということだよね。ましてや、それが理不尽に誰かに奪われたりした場合、それは奪った相手を憎むという形となって自分にまとわりついてしまい、「呪い」のようになってしまう。そこから抜け出すにはどうすれば良いのか?どうするしかないのか?ということについて描かれたのが、『対峙』と『CLOSE』という映画だったね。
くに:簡単にあらすじ載せとこうか!!
『対峙』
高校で起きた生徒による銃乱射事件の被害者家族と加害者家族の対話を描くドラマ。事件から6年後、息子の死をいまだに受け入れられないジェイとゲイルは、セラピストの勧めで、事件後にそのまま校内で自ら命を絶った加害者の両親と会って話をする機会を得る。
『CLOSE』
13歳のレオとレミは、学校でも放課後でも一緒に時間を過ごす大親友だった。しかし、ある時、2人の親密すぎる間柄をクラスメイトにからかわれたことで、レオはレミへの接し方に戸惑い、そっけない態度をとってしまう。そのせいで気まずい雰囲気になる中、2人は些細なことで大ゲンカをしてしまい……。
くに:結局、愛するものを奪われ絶望してしまった時、また歩き出すためには「許し」しかないんだなあと。それには気が遠くなるような時間がかかってしまうかもしれない。感情がそれを許さないことが長く続くかもしれないけど、同時にその時間というのは自分の心を蝕んでいるということでもある、それによって人はどう変化してしまうのかということを描写していて、これ、自分たちの実人生に直結するリアルなことだよね。
たけ:なんかそのテーマが今年一番響いたんだよね〜。観ていてホント心が痛くなるんだよね、、、でも価値観を揺さぶったり傷をつけられるというのは映画やアートを観る醍醐味だよね??観る前と観た後で自分の何かが変わってしまった、という経験は豊かなことだと思う。話を戻すと、例えば自分が誰かに嫌なことを言われたりされた時、その時生まれた気持ちとどう折り合いをつけるのかという事とも似ていてさ、それは、「自分も無意識のうちに誰かを傷つけてしまっているかもしれない、それは明るみになっていないだけ。自分に嫌な事をした相手の立場に自分もなり得ることがある」という、いわば相手の立場に自分が置き換わる可能性が十分にある、という自覚が冷静にできた時、怒りがスーッと抜けていって許しに繋がると思うんだよね。そうやって、気持ちに折り合いをつけながら小さな許しを日々あたしらは行っていて、それができないと、人生本当に生きづらいよね、、、。でも、毎日ニュース見てると、「許す以前にそれに対して怒りを覚えるのってどうなんですか??」っていう事も多けどね、、、。だから『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』『エゴイスト』『対峙』『CLOSE』この4作品は一つの線で繋がるというか、それぞれ素晴らしい映画だけど、一つのテーマでまとまるという気がしたのでピックアップしました!!
くに:『アフターサン』は、なんかもう観た後の余韻が半端なかったよね。
たけ:「こんな映画今まで観たことない」ってことで、こちらピックアップですね。ブログで取り上げた時に話さなかった事なんだけど、お父さんが自殺してしまったかどうかは映画では描かれてないじゃない?でも、空港で娘を見送って、カメラを止めて扉を開けて出て行くというシーンで映画が終わるんだけど、扉を開けた先が暗闇でそこにストロボが光ってるんだよね。「あれ、空港なんじゃないの??!」っていう風に思うんだけど、あれはおそらくお父さんはもうこの世にいないという事を示唆してて、「踊りまくって自分を発散するクラブのシーン=向こう側の世界」という風に見立てたんだと(勝手に)思ってるんだけどさ。あれほど美しいエンディング見た事ないな〜。
くに:あ〜〜なるほどね〜〜。なおさら泣けてくる、、、。
たけ:5つ作品選んだんだけど、どれも明るい映画とは言えないね。。でも、日々生きていて、楽しいことと嫌なことどっち多いかといえば、多分嫌なことの方が多いと俺は思うんだよね。でも、それは自分ではどうする事もできない、消す事も避ける事もできない、そんな時にどう向き合って折り合いをつけるかが問われていると思う。自分が少しでも成長する事は、自分だけの問題ではない、時として誰かの救いになる、という事をこの歳になってもまだ自覚し続けていかなければいけないなあと思います。そんな事をこの5作品を観て思いました。
くに:年末まで映画はまだ観続けるから、またブログは更新していきましょう!!ありがとう!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?