開業直後でも使える5つのセルフプロデュースポイント~自分を営業するセルフプロデュースセミナー②
前回は、
セルフプロデュースを行っていくにあたって、大前提として持っておいていただきたい2つの概念『インパクトギャップ』そして『オープンマインド』についてお話しました。
今回はそれを踏まえ、特に開業直後などセルフプロデュースを始める時にこそぜひ使っていただきたい、セルフプロデュース5つのポイントについてご紹介します。
セルフプロデュースは、開始直後が一番苦労するものです。
なにしろ、誰も自分を知らないという状態、0の状態から自分を広めていかなければいけないのですから……。
だから、特にビジネスを始めて間もない頃というのはビジネスよりもむしろプロデュースに力を入れなければならないことも多いでしょう。
例えばセミナー業の場合、
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今セミナーを開講している数多くの人たちの中で「今の注目株は、あの人だ!」とみんなから思ってもらえる、みんなからそのように見えるために、どんな手が打てるだろうか?
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ということが、まさにセルフプロデュースです。
これからお話することは5つが5つとも、全てあなたに当てはまるとは限らないかもしれません。
何がなんでも5つ全てを使うのではなく、使えるものから使っていってください。
使えないところを無理に使う必要はありませんが、前回お話した『オープンマインド』の姿勢も忘れずに、積極的に取り入れていただけたらと思います。
■【1】売れやすい商品から扱う
商品には2種類あります。
お客さんは少ないけれども専門性が高いニッチでマニアな商品と、消費者が多く経営者側から見れば売れやすい商品、の2種類です。
この中で、事業を始めたばかりのあなたが扱わなくてはならないのは、迷うまでもなく『売れやすい商品』であることを忘れないでいただきたいと思います。
【オープンマインドで自分の専門性にこだわらない】
ここで必要になるのが、前の記事でもお話した『オープンマインド』です。
自分の考えにこだわらず、プロデュースをしていく上で有効と思われる手段は何でもやってみる、という意識ですね。
あなたが、専門性を持って真剣に事業に向き合っていればいるほど、ついつい、専門性が高い、ニッチな需要のある商品を売りたくなるはず。
しかしプロデュースという観点から見れば、広まることが大切な世界でニッチな商品は望ましくありません。
時には、例えばセミナーなどの売れやすい商品・サービスがあなたの手駒にあったとしても、あなた自身は「セミナーやるの、面白くない」「もう、セミナーやるの、やめようかな……」と感じていることも。
でも、やっぱりセミナーが自分にとって使い勝手のよく、人に知ってもらいやすい商品であるのならば、自分がどう考えているかは置いておいて、とにかくセミナーを前面に売り出してみる。
こうした発想は、自分が自分に対してオープンマインドであるからこそ、持てる発想です。
やめようと思っていたけれど、プロデュース上、都合が良さそうだからもう一度やってみる。
あるいは、もっと専門的なセミナーを売りたいと思っているけれども、プロデュースとしてはもっと知られやすい内容のセミナーのほうが良いから、需要のある内容から売り出し始める。
こうやって、売れやすい商品を最初に扱うようにすることで、自分をプロデュースした時に、自分のことが広まりやすくなります。
ニッチでマニアックな商品は、自分のことが多くの人に広まった後に宣伝を行えばすんなりと売れるので、それまで待てば良いのです。
■【2】必ずしもセオリー通りでなくてもよい
セミナーというものは基本的に、1回のセミナーで15~20人の参加者を集客しないと採算がとれないと言われています。
ところが、それは飽くまでもセオリーであって、あなたに合ったやり方ではないかもしれない、ということも考えなくてはなりません。
セミナーは一例ですが、どのような事業についても同じことが言えると思って、実際のあなたの事業にあてはめて考えてみてください。
【自分があげてきた実績を考えてみるとヒントがある】
15~20人の集客で採算が取れると言われているセミナーですが、セオリーどおりにやって成果が出なければ「このセミナーは素晴らしかった!」という口コミももらえず、せっかくのプロデュースが何の成果も出せない……というようなことになりかねません。
それよりも、あなたが「自分は、少人数を相手にセミナーをすることで成果が出せる!」という実績あるいは実感を持っているのであれば、あえてセオリーを外れ、3~5人の少人数セミナーを開くという方法があるはずです。
実績というのは色々なものがあります。
例えば独立をする前にセミナーをやっていて、大人数を相手にしたセミナーよりも少人数のほうが明らかに受講者の反応が良かったりとか。
会社員をしていた頃に、少人数を相手に何かを教えていたけれども、普通なら「上司と一緒に丸一日研修をするなんて嫌だ!」と言われそうなものだが、部下たちの評判がすごく良くて、喜ばれていたりだとか。
どのような方法で事業を進めていけば、より効果的にお客さんに受け入れてもらえるのか……そのヒントは、あなたの経験の中に潜んでいるはずです。
3~5人で行う少人数のセミナーは、当然収益性で言えば大人数のセミナーよりもはるかに劣ります。
しかし、少人数のセミナーを1カ月に12~15本くらいこなせば、それなりの収益も上がるし、何よりも多くの人にセミナーを受けてもらえる、知ってもらえるでしょう。
1回の人数は少なくても、良い口コミを流してもらうことができれば、次、その次と集客が可能になります。
プロモーションは、多くの人に知ってもらうことを目的としているものです。
「自分にとって広まりやすい方法は何なのか」、あなたに合ったやり方を経験の中から見つけていくことが必要でしょう。
■【3】最も習得率が上がる方法を選ぶ
セミナーのような『ものごとを教える商品』には、習得率の多寡が生じることがあります。
要するに、セミナーを受けた人がセミナーの内容をどれくらい吸収できるか、習得して効果あるいは成果につながることができるか、といったことです。
習得率の高いセミナーは、最終的に良い口コミを集めることができるので、プロデュースの成功に一歩近づくと言えます。
【充実した環境が良い口コミを呼ぶ】
例としてセミナー会場の選び方を挙げてみましょう。
セミナー会場というものは大体、どこかの会議室や講義室など、いかにも会社らしい無機質な空間を借りていることが多いものです。
しかし、セミナーはセミナー会場でやらなくてはいけない……と決まっているわけではありません。
現にセミナーを、ホテルのラウンジで行っている例があります。
ホテルのラウンジというのは、開放的な空間があって調度も豪華で、おいしいコーヒーやケーキが出るので飲食をしながらセミナーを受けることができる。
要は、セミナーの受講者に対して、最高にリラックスした状況を提供することができるわけですね。
すると、セミナー内容の習得率に影響します。
参加者の視点から見ると、居心地がいい、内容も充実していて、自分の事業にちゃんと役立てることができる。
ホテルのラウンジでセミナーをやるというのはある意味画期的、もしくは無謀とも言える方法ですが、その分やはり目立つし、参加者が良いと思ったら自主的に口コミ、宣伝をしてくれるので、それがあなたのプロデュースになっていくわけです。
ただ、ホテルのラウンジでセミナーをやる場合、どこのホテルのどのラウンジならセミナーに適した環境があるとか。
3~4時間滞在していても文句を言われないとか。
そういった、ホテルのラウンジを度々利用することでしかわからないことや、条件もあります。
つまりこれも、先ほどご紹介したような『セオリーどおりでなくてもよい』ことの1つであると言えます。
一方で自分の経験則から、どの方法であれば商品・サービスが顧客に対して最も効果的に作用するのかを、しっかりと分析しておく必要があるでしょう。
■【4】口コミされやすい商品を最初に扱う
【1】で、売れやすい商品を扱う……ということをお話しましたが、その中でも特に、最初に扱う商品の条件として『口コミされやすい』ということが大切になってきます。
これも、売れやすい商品と同じく、必ずしもあなたが「これを扱いたいんだよね……」と思っている商品とは一致しないかもしれません。
それでも、自分のこだわりをオープンマインドで乗り切って、あえて口コミを得やすい商品を扱うことが大切です。
なぜなら人から口コミされることは、つまりプロデュースの成功につながるからですね。
【自分の専門外であってもまず扱ってみる】
口コミされやすい商品というのは、お客さんにとっては効果抜群の商品、したがってあなたにとっては『売れるに決まっている商品』ということになるでしょうか。
効果が上がれば、「これ、良かったよ!」と口コミをしたくなるのが人情というものですし、その口コミが広まることによって、あなたのプロデュースとなります。
つまり売れる商品、さらに言えばお客さんにプラスの影響を与えやすい商品が、口コミされやすい商品、というわけです。
例として、ブログ集客セミナーを挙げてみましょう。
ブログを書くコツを知っている人は、実際にブログでしっかりと集客をすることができていますので、ブログで集客するコツを伝授するブログ集客セミナーは高確率で実績を期待できる種類の商品です。
広告宣伝の方法として、WEB広告などお金をかけて行うものはたくさんありますが、結局これは「お金をかけても、成果が出るかどうかはわかりません」といった種類のものですよね。
ブログであれば、高確率で集客が成功する可能性がある、さらに元手をかけずに、タダで、誰にでもできる方法です。
ただし、お客がしっかり来るブログを書くにはちょっとしたコツがいるので、そのコツをセミナーでお話しますよ……ということですから、これは必ず売れていきます。
とはいえ、ブログ集客セミナーに類するような『口コミされやすい商品』は、必ずしも、あなたの専門ではないかもしれません。
専門でないばかりか、あなたが「扱いたい」とすら思わないかも。
自分の商品にこだわりがあるほど、本来の自分とは違う商品を扱うのは嫌だ、という気持ちが出てきます。
ブログの専門家でもないのに『ブログの人』って呼ばれたくない!
……というように、おそらく売れるであろう商品だけれど、そんなものが自分の代表商品と思われては困る、嫌だな!ということもあります。
でも、こんな時こそオープンマインドで、どれを最初に取り扱うべきかを冷静に判断してください。
口コミされやすい商品は、実際問題、成功して広まります。
最初にそういう商品を扱い、たくさん広めて、プロデュースを成功につなげましょう。
■【5】使えるものは親でも使う
最後の1つは、自分のこと、自分の商品やサービスについて広げられるものであれば、使えるものは親でも使う……ということです。
これは言い方はキツイですが必ずしも悪いことではなくて、他人から『興味を持って頂く』、そのために様々な要素を1つでも多く使っていくというのは、プロデュースを成功させるために必要なことでもあります。
多少『虎の威を借る狐』の状態になろうとも、プロデュースが成功するものであれば構いません。
【プロデュースを成立させるものは○、成立させないものは×】
理論は単純で、プロデュースというものは自分を広めるため、広めることを成功させるために行う活動だから。
ですから、広めることを成功に導くものは『良し』、プロデュースを成立させないものは例えどんな正当な理由があったとしても『だめ』。
そういう意識があってこそ、プロデュースが成功する方法を、オープンマインドのもとに選び取っていくことができます。
だからこそ、マインド上『使えるものは親でも使え』という意識を持っておくことが大切です。
例えば、あなたがA社というとても有名な企業の顧問をしているとします。
あなたには知名度がそれほどないが、A社には抜群の知名度がある。
この場合、あなたが自分をプロデュースするにあたって「私、A社の顧問をしているんです」と言ったら、A社を知っている人が「じゃあ、私も……」と食らいついてくる。
場合によっては、A社のお客さんだった人が、A社からあなたへ乗り換えるということも、あり得るわけです。
本当はあなた自身の何かに食らいついてくるわけじゃなくて、A社というブランドに食らいついてきているわけですから、あなたは「いやいや、こんなやり方、人道的にどうなの?」と思うかもしれない。
さらに、「そんなことを言っているとA社にでも知れたら、後がややこしい話になるかな、面倒くさいかも……」と思うかもしれません。
それでも、やっぱりオープンマインドの意識のもとに、A社という名前をちょいちょい使ってでも『人から興味を持って頂く』ことが効果的なのです。
■持てる武器は全て使って前提を整えよう
今回は、プロデュースをするにあたって意識をしておきたい5つの要素についてお話しました。
どれも突き詰めれば『使えるものは使う』ということではありますが、これらはいずれも、自己プロデュースの前提を整えたという段階に過ぎません。
自己プロデュース、セルフプロデュースとは、自分で自分をプロデュースして、うまく打ち立てるということです。
ですから、自分の使える武器を全部使いましょう、というところからスタートする。
これは鉄則であり、基本のスタートラインです。
実際にあなたの名前や、あなたの商品、サービスが広まっていくかどうかは、これらを利用したあなたの活動そのものにかかっているということも、忘れないでおいてください。