矢沢永吉『成りあがり』

「浪花節のままでいたい。」という言葉が出てくる。

それとは違った意味だったかも知れないけど、昔ラジオで、たしか渋谷陽一が、「矢沢永吉は演歌。」と言っていた。

歌はロックのようだけど、そこに流れている、強く、うっとうしい気持ちは、日本人的な心情(演歌)だ、という意味だった。

野球の江夏豊も演歌。
一方、落合博満は現代的で、精神論など語らず、バットを出してうまく当たればヒットになるといった、クールで即物的な技術論者だ、みたいな話がつづいた。

ところが、本の後半では、矢沢永吉が井上陽水『氷の世界』を聞いて、どこがよいか分からなかったけど、基本は演歌、というようなことを言っている。
陽水よりも、ヤザワのほうが「演歌」だと思うのだが。

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矢沢自身が書いているが、矢沢的な「自己陶酔」は、かれの人生論の基幹にあり、必ず成功する未来のスーパースターとして自分をえがくと、苦労も苦労でなくなる、と言っている。


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