【妄想考察】女探偵はライダー・ガール!? 「ザ・スーパーガール」藤村マリの謎③
「仮面ライダー」第14話「魔人サボテグロンの襲来」の白眉である一文字隼人の初変身直前、立花藤兵衛(小林昭二)や滝和也(千葉治郎)を交えて、姿を消した本郷猛の行方について、こんなやり取りがあります(右記リンクのYoutube動画参照)。
一文字「本郷猛はショッカーの別計画を追って、日本を離れた」
立花「外国へ行ったのか」
一文字「そうです。ルリ子さんも後を追っていきました」
滝「ルリ子さんも…」
つまり、本郷猛は、単身ではなく女性の同行者を伴って旅立ったワケです。
そして立花藤兵衛と滝和也の前で仮面ライダー2号として初変身を遂げた一文字は、本郷の後を継いでゾル大佐(宮口二郎)や死神博士(天本英世)といった大幹部や彼らが繰り出す怪人たちと激闘を繰り広げます。そして、第52話「おれの名は怪鳥人ギルガラスだ!」を最後に、死神博士を追って南米へと旅立ちます。
本郷猛の海外行きに緑川ルリ子が同行したように、南米へ出立した一文字隼人に本郷同様女性の同行者がいたとしても何もおかしい話ではありません。むしろ実直な本郷と対照的に人懐こい陽キャラだった一文字にそのような相手がいない方がかえって不自然です。
じゃあそれは誰だったのかというと、初代ライダーガールのひとりで山本リンダさん演じるマリだったのではないでしょうか。
実際第14話の時点で、カメラマンである一文字に興味を示しモデルにしてと猛アタックを仕掛けていたのが、ほかならぬマリでした。
続く第15話「逆襲サボテグロン」でも、立花や滝に先んじて一文字の自宅へ押掛け、再度「自分を写真のモデルに使って欲しい」と猛然たるモーションをかけるのです。
そして、マリの一文字への接近が単なる自己アピールだけではないことを提示してくれるのが、第16話「悪魔のレスラー ピラザウルス」です。
本郷猛に負けじと立花藤兵衛にオートバイの腕前を披露しようとモトクロス場に現れた一文字は、タイムトライアル中ピラザウルスに襲われ行方不明となってしまいます。
やむを得ずレーシングクラブへ戻り、しょげていてもしょうがないと景気付けにテレビを付けてゴーゴーダンスを始めるユリ、ミッチ、ひろみに対し、一文字を心配するあまり「あんまりよ!」と反発し、チャンネルを変えてしまうマリ…。どこか他人事のような他のガールズたちに対し、マリは本気で一文字の安否を心配しているのです。彼女の一文字への入れ込み様が判る描写ですね。実はこのあたりの回では、レーシングクラブの男性陣(立花、滝、シロー)とライダーガールズ、そして闖入者として一文字隼人という三者の微妙な距離感の人間関係がさり気なく織り込まれており、物語によい意味での緊張感を与えています。
それでも、マリたちライダーガールズは、次第に立花や滝たちとも打ち解け、何より一文字隼人こと仮面ライダーと共にショッカーとの激闘に自ら身を投じていくのでした。その頼もしさに第19話「怪人カニバブラー 北海道に現る」(ファンにはおなじみ、あの”山本リンダ様御一行”事件が起きた伝説の北海道ロケ篇です)の最後に「俺は一人ぼっちじゃない。こんな素晴らしい仲間たちがいるんだ。仲間たちが!」と独白するほどに、堅い絆がつむがれていったのです。
そして、第38話「稲妻怪人エイキングの世界暗黒作戦」(これまたドラマチックなエピソードです)でマリは「仮面ライダー」の”世界”からひっそりと”卒業”していきます。ここでもマリが去った理由は、詳しく語られません。(実際は演者である山本リンダさんが歌手活動を再開したため)
…というワケで!! 次回こそライダー・ガールズのマリと、スーパーガール・セブンのメンバー、藤村マリの間にある「空白」を妄想全開で語り尽くしたいと存じます。(つづく)