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ロシア語学習と新型コロナウイルス
さて、ロシア語学習期間6か月で4級に合格したのですが、学習開始1か月半くらいたった頃、ストアカ (street-academy.com)の先生にロシア語能力検定4級を受験すると話すとあまりの無謀さにあきれられてしまいました(当初まったく本気と思われていなかった)。「通常1年です。一人半年で受かった人がいましたが、その人は特別です」みたいなことも言われましたよ。
もちろん、(言うまでもないですが)私はその「特別枠」の人間ではありません。そもそも先生は暗に「あなたはそういう特別な人間ではないから、やめとけ」という趣旨で発言してる訳ですし。
しかし、語学学習の超人みたいな人って存在しますよね。暗記の達人とか。
うちの息子はちょっとそんな感じで、英単語も単語帳をPDFのようにしてメモリーに書き込める人だけど、私はまったくだめ。
その代わり、語学試験をはじめ、人生でいろんな試験に失敗したおかげで試験のこつみたいのは経験上知っているから、やれるのではないかという変な自信から先生の言葉を無視して受験勉強を開始したのでした。
そう。とにかく、過去問を解くのだ。試験の癖がはらおちするまで解くしかない。そうすれば、道が開けるのだ、という自信。
私のいろんなところが衰えていく。体が心が。老化していくのなんか簡単です。何にもしないと毎日毎日、ごとっと音を立ててできないことが増えていきます。もちろん、それを受け入れないと生きていけないんだけど、多分10年後の私より今の方ができることが多いはず。なら、やってみようよ!と心の声が言いました。
やり方はわかるはず、以前いろんな試験で失敗したでしょ?それは、あんたが楽な方に流れたから。あんたの記憶力なんてたいして良くないんだから、とにかく書いて覚えるしかないんだよ。書いて、書いて書きまくれ。
家にある白紙ならなんにでも書きました。生協の請求書の裏、学校からのおしらせプリントの裏、カレンダーetc。白い紙ならなんにでも書きなぐりました。全然美しくない学習スタイル。
あくまでも試験に受かることが目的の勉強。単語も試験に出てくるもののみ覚えました。
はい、邪道です。語学学習者として下の下ですね。
それでも、私は合格したかったのです。自分の立てた目標を達成したかった。50歳過ぎてからでも、新しいことができることを自分自身に実証したかった。
大学卒業後、フルタイムでうん十年働き続けて、そこそこのキャリアもあるけれど、正直自分としては納得できていない。もっと大きい仕事、人の役に立つ仕事がしたい。
だけど、自分一人で生きているわけじゃなくて、人生のすべてを自分だけの判断で決められるわけじゃない。自分の持って生まれた能力や体力、家族の状況。人生ってなんて変数が多いんでしょう!
加えて、友人たちがコロナ禍で仕事に忙殺されている。そんな中、私は安全地帯に置かれていました。感謝すべきことです。でも、その一方で困難な仕事を乗り越えたとき、ある種の能力が広がることも私は知っています。このまま安全地帯にとどまっている私とひりひりする現場を知っている彼らとでは、人間として何か差がでるのではないか。だとしたら、自分で困難だと思っていることに挑戦しよう。そうだ、ロシアの画家レーピンが好きだし、ロシア語だ。
そんな思いがロシア語学習を開始するきっかけでした。
運よく(これもコロナの恩恵?)今では地方でロシア語が勉強できる環境があることを知り、さっそく開始しました。
キリル文字も読めない私。先生があきれているのも丸わかり。それでも毎週続けて、1か月たったころでしょうか。夜勉強して、布団に入ったとき、脳みそがぐぐっと広がった感覚がありました。使われていなかった筋肉が伸びた感じに近い。前屈しても届かなかった手のひらが床についたような感覚。それを感じました。あ、勉強続けられるかも。そこが、受験の決意とロシア語学習へのエンジンがかかった瞬間でした。
結局、試験が終われば恐ろしいほどにロシア語文法は忘却されましたが、頭の働きは明らかによくなってます。理解力が早くなっているのを実感します。
中年からの学びっていうのは、直接経済力アップとつながるわけではないけれど、これから自分がご機嫌に楽しくいきるために有用だと実感した2021年でした。
コロナのやつめーって思うことが何度もありましたが、コロナのおかげでリモート学習の環境がどんどん整備されたし、飲んで遊べない分こうして勉強できたし。悪いことばかりじゃないですね。
さて、2022年。今年は何にチャレンジしょうかな?