【忍殺二次創作】ソウカイヤvsザイバツ【第十三話】
※※注意※※
これは『ニンジャスレイヤー』の二次創作小説です。
同じnote内に公式様の連載もあるので、
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◇13◇
「バンジョー!」「アバーッ!サヨナラ!」
ホースバックの恐るべきピストル連射を受け、ピラニアバイトは爆発四散!
キョート・リパブリックとネオサイタマをつなぐセキバハラの荒野、その中間点を塞ぐソウカイ・シンジケートの最後の陣。
ついにソウカイヤは、そこまで追い詰められていた。
「キリステ・ゴーメン……」デス・キリ!
「アバーッ!?」トライデントは爆発四散!
そこで奮戦するのは、ソウカイヤでも最精鋭の生き残りたち。
当然、アプレンティスや経験の浅いアデプトでは相手にならない。
だが、ザイバツ側も決して数で勝るだけではない。
「オヤブンのカタキ……!」
涙すら流しながら、ダークニンジャの前に相対するのは、マスター階位、バンシー。
他にも、レッドゴリラ。メンタリスト。ランチハンド。トゥールビヨン。スカベンジャー。更には数多のマスター階位のニンジャが並ぶ。
アデプト階位ながら、マスター階位にも引けを取らぬカラテを持つサンバーン。ディヴァーラー。サイクロプスなどのニンジャも。
「殺してやる!イヤーッ!」
バンシーが腕のサイバネ機構を作動させると、ニューロンにダメージを与える特殊な音波が放出!
「グワーッ!三半規管グワーッ!」
生じた決定的な隙をバンシーは逃さない!踏み込んでの肘打ち、流れるようなボディチェック!
「イヤーッ!」「グワーッ!」
……『正しき歴史』では仲間としてムーホンを共に戦ったバンシーとダークニンジャは、ここで相対することとなった。
◆◆◆
「シューシュシュシュシュ!」
テンカウントは嵐のような左右の拳の連打!
「イヤーッ!」
しかし、相対するトゥールビヨンは拳を受け続けても微動だにしない……否!微細な関節の動きにより、魔術めいて衝撃を地面へ逃がしているのだ!
「シューシュシュシュシュシュ!」
殴り続けているのに、まるでノレンを押すかのような感触にテンカウントは困惑する!
「痴れ者めが……」
テンカウントは実際強者である。その拳の連打を無効化するのは、エスケープメント・ジツの効果だ!
「ボックス・カラテはよく鍛えられているようだが……」
トゥールビヨンはテンカウントの首を掴む!
「投げや組技に対する警戒が足りないぞ!イヤーッ!」
これぞジュドーの代名詞とも言うべきワザ、イポン背負い!
「アバーッ!」
「これでトドメ!イヤーッ!」
倒れるテンカウントへ、トゥールビヨンは情け容赦ないカワラ・ワリ!
テンカウントは高いカラテを持つが、ボックスカラテ以外の動作に対する対処が甘い傾向がある。
ボックスカラテには、ダウンした相手に攻撃を加えるなどという動作はなく、当然対処もテンカウントにはない!アブナイ!
そこに豪速で飛来するのは……高速回転するスリケン!
スリケンより遅れて「カーン!」という特徴的な発射音!発射音が遅れてくるとは、飛来したスリケンは音速よりも更に早い証拠!
超遠距離からスリケンにてインタラプトしたのは、スナイパーニンジャ、ガントレット!
なんという遠距離狙撃の精度か!
「イヤーッ!」
トゥールビヨンは卓越した戦闘センスにより、それを察知!
中腰になり、腰に手を当てた奇妙な姿勢を取ると、スリケンは命中したものの勢いを失い、ポトリと落ちる!
ゴキゴキッ!という音と共に関節が奇妙な動きをし、衝撃を地面に受け流す!エスケープメント・ジツ!
「アバーッ!?」
トゥールビヨンが地面に逃がした衝撃が、足元のテンカウントに伝わると、それによりテンカウントの身体が跳ね上がる!
「イヤーッ!」
トゥールビヨンのチョップ突き!心臓を貫く!
「アバーッ!?サヨナラ!」
テンカウントは爆発四散!
◆◆◆
ザイバツニンジャたちは、クイックシルヴァーを完全に包囲!4人がかりでカトンを浴びせる!
「イヤーッ!」
しかし、着弾する瞬間にはもうその場にクイックシルヴァーの姿はない!
彼は自らの下半身を一瞬だけ流体化するジツで、高速移動が可能なのだ!
クイックシルヴァーは通り抜けざまにザイバツニンジャに斬撃を加え、見事包囲を脱出!
「イヤーッ!」「アバーッ!?」
クイックシルヴァーは再び下半身を流体化、地を這うほども低い姿勢のまま猛烈な勢いで、別の包囲されたソウカイニンジャを助ける!
低い姿勢から放たれるは、伝説のカラテワザ、サマーソルトキック!
「イヤーッ!」
縦横無尽にイクサ場を駆ける!
スリケンを水平に投げるのとは違い、低い相手を狙うには斜めに撃ち下すしかない。それでは狙いはピンポイントとなり、すぐに地面にあたってしまう。
クイックシルヴァーの移動速度とも相まり、銃撃やスリケンは当たらない!
『シックスゲイツの六人』にも名を連ねる、ベテランである!
しかし、そんなクイックシルヴァーにも弱点はある。
「ア、アバッ……!?」
クイックシルヴァーの憑依ソウルはさほど高位ではない。下半身を流体化させていられるのは、わずかな間だけだ。
流体化を維持できなくなれば、その高速移動は止まるしかない。
停止したクイックシルヴァーを、背後から何もかが刺し貫く!
「アバッ、アバババッ!」
バチバチと景色にノイズが生じ、揺らめくように波打つと、そこから姿を現したのは。
「ドーモ、クイックシルヴァー=サン。ミラーシェードです」
サラマンダー直属の弟子であり、ステルス能力だけでなく、高位のカラテを持つ油断ならぬ男である!
「ラオモト=サン!忠義!我が忠義ーッ!サヨナラ!!」
クイックシルヴァーは爆発四散!
◆◆◆
「イヤーッ!」
ガーゴイルは垂直飛翔!そのまま上昇気流を捕まえ、手の届かない高度まで上昇!
「イヤーッ!」そのままタケヤリを多数投擲!
幾人かのザイバツ・ニンジャの額を串刺しにする!
「アバーッ?!サヨナラ!」クロウラーは爆発四散!
しかし、傷ついた身体とカイトでは長く飛翔し続けるのは不可能!
ガーゴイルは、上昇気流を見つけられず、仕方なくカラテをためるべく地上を目指す!
たが、そこにザイバツニンジャたちが包囲網を形成!
「イヤーッ!」「グワーッ!?」
バイオバンブーのタタミを盾に、着地したガーゴイルを一斉にヤリで突く!なんという無慈悲なる連携か!
「イヤーッ……グワーッ!?」ヤリの先端には返しがついており、飛翔しようとしたガーゴイルの身体を引きずり落とす!
「イィィィ……ヤアァァァーーー!!」
それでもガーゴイルは諦めない!両腕に持ったタケヤリで応戦!
タタミの隙間をつき、包囲のニンジャ全てを刺し殺す!タツジン!
「アバーッ?!サヨナラ!」
「ハァーッ……ハァーッ……」
がっくりと、その場に膝をつくガーゴイル。
「ウオオオー!囲めー!囲めー!」
だが、ザイバツが追撃を緩めることはない。
ガーゴイルは飛翔しようとして、己のカイトを見るが……ナムサン、もはや使い物にならぬほど穴だらけだ。
「イヤーッ!」それを助けたのは……ヘルカイト!
「これで先ほどの貸しは無しだ!」
彼はスローハンドのカラテによりしばらくの間意識を失っていたが、目を覚ますとすぐにイクサ場までやって来たのだ。なんたる執念か。
ボロボロになってもまだ闘志は衰えていない。
「お前のような弱卒が上司だと、俺の沽券にも関わるんだ!キアイを入れろ!」
空中で両脇を抱え、ヘルカイトはガーゴイルに叱咤する。
「……済まない、ヘルカイト=サン。だが、お前が私の後釜になってくれれば、私も安心して……」
ガーゴイルは爆発四散!
「が、ガーゴイル=サン!?クソッ……クソー!」
ヘルカイトは、ガーゴイルの遺したタケヤリを握りしめる。
「最期までなんたる嫌味で……最悪なやつだ……」
◆◆◆
最終防衛ラインの戦況は一進一退。
しかし、数で勝るザイバツニンジャが徐々に戦線を押し上げていく。
「オオオオーッ!」
その時、後方から歓声が上がる。
「オオッ!グランドマスターだ!イグゾーション=サンが来てくださったぞ!」
自らの派閥のニンジャを引き連れ援軍に現れたのは……グランドマスター、イグゾーション!
「戦線は優位のようだね」
先ほど自らの身体を異常活性させた影響か、イグゾーションの身体も相当に疲弊している。
「少しばかり休ませてもらうよ」
「イヤーッ!」「アバーッ!サヨナラ!」
アンタイ・ウェポンの一撃を受け、パラポネラは爆発四散!
さらにそこにエントリーしてきたのは……グランドマスター、ダークドメイン!
彼はネオサイタマからポータルにてキョートへ引き返した後、恐るべき速度でイクサ場までやってきたのだ!
そうでなくとも数に押され、ソウカイヤの陣は陥落寸前。
さらにグランドマスターが二人。絶望感がソウカイニンジャたちを支配していく。
「クソッ!メツレツ・ジツ!」
ナンバーテンは下がった士気を少しでも奮い立たせるべく、決断的にダークドメインに挑みかかる!
手のひらに謎めいた黒い物質、「コク・トン」を生成!
それをクナイ・ダートの形にして、投擲する!
メツレツ・ジツにより生成されたネガティヴの力は触れたものを量子状に分解する危険なジツだ!
「イヤーッ!」
だがダークドメインは、コク・トンを……そのまま手で受け止める!
「なっ!?」
「恐らくは貴様のジツも、マイユニ・ニンジャに連なる系譜のジツだろう。その開祖に挑むとは……身の程知らずの間抜けめが」
ダークドメインはコク・トンをそのまま投げ返す!
「舐めるな!イヤーッ!」
ナンバーテンもまた、投げ返されたコク・トンを掴む!
「クズ虫が」だがその瞬間にはすでにダークドメインの手には新たなアンタイ・ウェポン!
「イヤーッ!」「イヤーッ!」
お互いコク・トンとアンタイ・ウェポンを投擲し合う!
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」
だが、手のひらで生成するナンバーテンに比べ、ダークドメインのムシアナから取り出すアンタイ・ウェポンの方が、僅かにハヤイ!
「ウグ……シマッタ!」
ナンバーテンは防ぎきれず、アンタイ・ウェポン・クナイ・ダートを胸に受ける!
「アバッ……」
クナイの通った軌道とまたく同じく、ナンバーテンの身体が抉られる!
「サヨナラ!」ナンバーテンは爆発四散!
「ウオオー!ウオオオー!さすがはグランドマスター!」
「ガンバルゾー!ガンバルゾー!」
これで逆にザイバツ側の士気は上がり、ソウカイヤ側は絶望感が増す。
総崩れ。
ダークニンジャの脳裏にそんな言葉がよぎる。
バラバラバラバラ……その時、イクサ場に大型ヘリのローター音が響き渡る。
「ムッハハハハ!ムッハハハハ!!」
聞こえてくるのは───高笑い。
上空を飛ぶ大型ヘリに乗るのは……おお、ゴウランガ!
ソウカイ・シンジケート首領、ラオモト・カン!
「ドーモ、キョートのザイバツニンジャども。俺様はラオモト・カンよ!」
「ラオモト=サン……」「な、なぜラオモト=サンか……」「ラオモト=サンが来てくれたぞ……!」
ソウカイニンジャたちの目が生き返る。
「ラオモト・カンだと!?」「ネオサイタマにいるはずでは……」
「討ち取れー!キンボシ・オオキイだぞ!」
ザイバツのニンジャたちは、ヘリに向けてカトンやカラテミサイル、スリケンを放つ!
KABOOOOOOM!大型ヘリ無残!爆発!
「ムッハハハハ!」ラオモトはヘリから飛び降りる!
「俺様を討ち取るだと?面白いジョークだ!」
ラオモトは空中で身を翻らせると、猛烈な勢いで空中から強襲!
モズニンジャクランの秘儀、モズ・ダイブキックだ!
「アバーッ!?サヨナラ!」
ファルコンは踏みつぶされ爆発四散!ラオモトはセキバハラにエントリーする!
「ど、どうしてイクサ場に……ビジネスの方は……」
ダストスパイダーは非常に恐縮し、おずおずと尋ねる。
「フン、『負けを待って犬死に』とミヤモト・マサシも言っている。例えザイバツの田舎ニンジャどもが全員で来ようとも、俺様一人で返り討ちにしてやるが……俺様の庭を荒らされてもつまらん」
ミシミシと音を立て、ラオモトの筋肉が二倍に膨れ上がっていく!
ラオモト・カンは七つものニンジャソウルをその身に宿す、規格外のニンジャだ。これはビッグニンジャクランの能力である異常筋力だ!
両腕には名刀と名高い『ナンバン』と『カロウシ』!
「俺様が直々に掃除してやる。お前ら、次このようなことがあれば、名誉のセプクもなくカマユデだぞ。覚悟しておけ」
「ククーッ!」その言葉とラオモトのカリスマに、ホースバックやダストスパイダーは感涙!
「必ずや!必ずや、ラオモト=サンのお役に立ちます!」
「ムッハハハハ!このままキョートまで逆に攻め入り、目の上のタンコブだったザイバツどもを根絶やしにしてやる。そしてキョートのビジネスも俺様が仕切る。そうしたら臨時ボーナスだぞ!」
「ハイヨロコンデー!」
「さて……」
これで他のマスター階位程度の相手なら、しばらくは拮抗するだろう。ラオモト=カンは正面の二人のグランドマスターを見る。
「ドーモ、ラオモト=サン。罪罰影業組合・グランドマスター、イグゾーションです」
「ドーモ、同じく罪罰影業組合・グランドマスター、ダークドメインです」
ラオモトを前後から挟み撃ちにするよう立ち、アイサツするは陰と陽、アーチ級のソウルを宿すグランドマスター。
ソウカイヤとザイバツ。その命運を決める最後のイクサが、始まった。
【つづく】
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