あかるいほうへ 『スパイスと岡山と』
まぶしすぎると目を細める
暗がりだと目をこらす
あかるいと引き寄せられる
あかるさを求め岡山へ向かった話です。
2023年7月15日(土) 岡山
開始より1時間遅れて、イベント会場に到着。
ビルの2階の入口にはフライヤーが貼ってあり、間違えていない安堵と遅刻したバツの悪さで緊張していた。かすかに漏れ聞こえる話し声に背中を押され思い切って扉を開けた。
さまざまなスパイス料理の並ぶテーブルを囲んで座る参加者の姿が見える。窓に向かって調理している後ろ姿もちらっと確認。挨拶しながら靴を脱ぎ、部屋へ上がり参加料を支払い、シールに名前を書いて胸に貼る。すぐに荷物はこちらへと案内してくれたり、食材も色彩も香りも異なるスパイス料理を取り分けて差し出してもらったりと、あらゆるやさしさを受け取り感激した。
集まったみんなはnoteを書いている。
共通点であり、参加の条件だった。
あとはそれぞれの暮らしや人生がある。
お互いにnoteを読み合ってきた。
だけどね、いろんなあれこれをとっぱらって今日はここ岡山に集まった。それだけで感無量だった。
みんなの話し声が聞こえる。
”これおいしいね”
”どうやって作るの”
”こんなのはじめて”
感想を語り合い、シェアする。noteとおなじ空気だなと思いながらみんなを見ていた。
コロナによってオンラインの広がりと恩恵を受けた部分も大きいけれど、オフラインを体感すると、やっぱりこれには敵わないなあって心でつぶやいた。
温度、におい、声、瞳、表情、仕草。
吸収して記憶に放り込んだ。
文章も写真もどこを切り取るかでその人が見えてくる。ネットではなんとなく見たり読んだり流したりする日々。自分のカメラロールやファイルには、意識していない写真は意外とすくない。撮るよーの掛け声で撮られた一枚と、いつのまにか撮られている一枚はまったくの別物だ。わたしってこんな感じなんだと動画を見た時とおなじ感想を抱く。会場で写真を撮ってくれてほんとにありがとう!いつでもあの瞬間に飛んでいける!みんなに会える!こんなに嬉しいことはない。
今回のイベントに参加したくても叶わなかったひとたちがいる。okatteスパイスのわたなべますみさんはこれからも日本のどこかでスパイス料理を作り続けるとおもう。その機会を待つのもよし、一緒にイベントをしたいと伝えてみるのもよし。自分で作ってみるのもよし。ますみさんのこちらのnoteをぜひ!
イベントの主旨であるスパイス料理を味わうのはもちろんのこと、ずっと立ちっぱなしでひたすら料理をつくるますみさんとクニトミユキさんをみているのは、しあわせな時間だった。準備から撤収までほんとにありがとう。
2人にはあかるい引力がある。ここで使うあかるいは、陽キャみたいなニュアンスとも異なり、あかるくあたたかい空気に包まれているとでもいうのか、ああ語彙力が、だれかに補ってほしい。あっ、安心感だ。安心して話せたり、この人なら大丈夫みたいな感覚。2人を介して集まる魅力的な場所だった。
途中でちょっと買い出しに出た。土地勘のない私にサラさんが道を教えてくれる。小さい商店街までの直線を歩きつつ、周りのお店が面白くてキョロキョロしながら買い物をして戻ってきた時のこと。見上げたビルの2階から賑やかな音が聞こえてくる。そこにみんなが居ると知っているだけで眺める気分も違う。一瞬、あれここはどこだっけ?となったが、そうか岡山なんだとひとりしみじみした。渦中にいるより少し離れて見ているのが好きなのだ。
おつまみも野菜も果物もカレーもスパイスに彩られ、満ち足りていた。お土産交換もそれはそれは盛り上がった。最後のコーヒーゼリーも平らげ、片づけて解散した。会場を出ると陽が傾き始めていて、ちょっと良い雰囲気。ぶらぶらして帰りますかとたまたま居合わせた3人でそぞろ歩く。喉が渇いてきたので喫茶店に入ると、なんの因果か独特な店主の洗礼をうける。しかも涼みに入ったのに暑い。喫茶店を早々に出るはめになろうとは、もはやいい思い出だ。
この日は夜まで暑かった。ホテルのラウンジはすでにクローズ。
バーも予約で満席。なんてこった。
とにかく座ってお茶がしたい3人の道のりは険しかった。こうなると最悪、居酒屋かカラオケボックスでもいいと歩きつづけ、検索の達人が天国とも言えるサイゼリヤを見つけてくれた。ウェイティングリストに記入し待つとすぐに案内される。涼しいだけで人は多幸感に包まれると知った。ラストオーダーまで思う存分語り合って解散。宿に戻り、お風呂に入ったけど興奮醒めやらずで、すぐには寝付けなかった。疲れて眠れるのは若い証拠。
2023年7月16日(日)
一夜明け、翌朝は快晴。
チェックアウトを済ませ、フルーツの産地である岡山でパフェを食べるために出かける。極度の方向音痴なので、一度お店を確認してから周囲をうろうろしてみた。
待ち合わせ場所へ着き、念願のパフェを食べる。桃パフェのつもりが、メロンパフェの内容にそそられ変更。ほんとに美味しくて大満足!人気店らしく開店と同時に満席だった。予約の手配をありがとう!
このあとも離れがたくて、コーヒーを求めカフェへ。そしてしゃべる。
時間が来たので駅で別れる。
ありがとう、またね〜
お土産を買って
無事に新幹線へ乗車。
博多着。
高速バスの時間まで荷物をロッカーに預け、ラーメンを食べる。
いざ高速バスで長崎へ。
そこから路面電車で家の近くまで。
2日間の岡山ひとり旅は終わった。たくさんのひとに会うのも久しぶりで、みんなから刺激をもらい、移動のあいだいろんなことを思い返していた。こうやって日常に戻ってクールダウンする余韻が旅の醍醐味かな。
イベント後、たくさんシェアしてもらった写真からnote用に選んでいると、料理だけよりもひとの動きのみえる写真がすきなんだとわかった。
こんな機会はそうそうないと行ってみてよかった。会えたひとも会えなかったひとも、いつかどこかで、会えますように!
主催のみなさんと参加したみなさんへ
ありがとう〜
楽しかった〜
元気でね〜