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【今日の1問】民事訴訟法(22)|訴訟告知
今日は「平成30年予備試験 民事訴訟法〔設問2〕」を解いてみるぞ!
(問題文)
https://www.moj.go.jp/content/001263947.pdf#page=6
(答案例)
第2 設問2について
1 Z社は、X側に補助参加し、本件絵画の買主がYであるとしてXを勝訴させることができれば、Xから代金請求を受けることがない。そのため、Z社は、「訴訟の結果について利害関係を有する第三者」(42条)として補助参加できる。したがって、Zは「参加することができる第三者」(54条1項)にあたる。
訴訟告知を受けたZ社は、補助参加していないが、この場合においても、参加することができた時に参加したものとみなされ、46条の規定の適用、すなわち、補助参加人に対する判決の効力の規定の適用を受ける(54条4項)。
したがって、Yを被告とする訴訟の判決は、Z社に対しても効力を有する。
2 訴訟告知に基づく判決の効力(54条4項・46条)は、相互に協力して訴訟追行できた告知者と被告知者の間で敗訴責任の公平な分担を図る趣旨であるから、敗訴判決を受けて生じる告知者・被告知者間の紛争解決に必要な部分に生じさせる必要がある。そのため、その判決の効力は、既判力と異なり、敗訴確定判決の主文中の判断のみならず、判決理由中の判断、具体的には、判決の主文を導き出すために必要な主要事実に係る認定及び法律判断に及ぶ(判例参照)。
本件についてみると、Yを被告とする訴訟の訴訟物は売買契約に基づく代金支払請求権であるから、判決の主文を導き出すために必要な主要事実に係る認定及び法律判断は、「XY間の売買契約の締結」の不存在という部分に限られるとも考えられる。
しかし、本件事案で「XY間の売買契約の締結」の不存在という認定がなされたのは、「XY間の売買契約の締結」の事実が認められなかったことによるものではなく、その存在を前提として、売買契約成立の否認の理由、すなわち、「YがZ社の代表者としてXY間の売買契約を締結した事実」が認められたことによる。したがって、「買主はZ社である。」という部分も、判決の主文を導き出すために必要な主要事実に係る認定及び法律判断に含まれ、判決の効力が及ぶ。
3 よって、Xは、後訴で、Yを被告とする訴訟の判決の効力(買主はZ社であるという判断)を用いることが可能である。
(出題趣旨)
https://www.moj.go.jp/content/001281223.pdf#page=12
最判昭和45年10月22日:
最判平成14年01月22日: