フラット35における「投資用住宅ローン」の取り扱いについて
こんにちは、くみょんです。
フラット35シリーズですが、今回は少し趣向を変えて、投資用住宅ローンの取り扱いについて書いてみます。
投資用マンションを保有しているサラリーマンが増えている
新築マンションのギャラリーに来られる方の中には、結構な割合で投資用の住宅ローンを組んで「投資用マンション」を保有している方がいらっしゃいます。
都心のマンション購入を検討する方は、高収入者が多いので、その目的は節税対策であることがほとんどです。
ただし、「自己居住用の住宅を購入したい」となったときに、「投資用マンション」を保有していることが問題となるケースあります。
フラット35:投資用住宅ローンも返済負担率に含める(2020年制度改正)
フラット35では、2020年3月末までは「賃貸中」もしくは「賃貸予定」の住宅のローン返済額は返済負担率から外して対応していました。
もちろん金融機関で確定申告書や賃料査定書などを確認し、収支に問題がないことを確認したうえで、返済負担率から除外することができたのですが、機械的に行っていた金融機関もあったというのが私の印象です。
2020年4月からは取り扱いが変わりました。
https://www.flat35.com/files/400352273.pdf
端的に言うと、賃貸中もしくは賃貸予定の住宅のローンであっても、その返済額を返済負担率を計算する際に含めるということです。
例外は1つだけで、「賃貸用のアパート1棟のローンであることが確認できる場合は返済額に含めない」と記載されています。
要は、何年もワンルーム投資などを行っていて、きちんと収支が成り立っていたとしても、投資用ローンの返済額を含めて審査をするということです。
制度改正に影響した「フラッ35不正利用問題」
これは、2019年ごろから取りざたされているフラット35の不正利用問題が影響しています。
フラット35はもちろん、自己居住用の住宅に対する商品です。これを投資用物件の購入に利用したケースが発覚したのが「不正利用問題」です。
ちなみに、多くの購入者は20代から30代の単身者で、初めから住宅ローンの不正利用をする意図があったわけではないといわれています。
不動産業者の担当者から「老後の備えになる」「今ある借金が帳消しにできる」といったセールストークを受け、投資用物件に住宅ローンを利用すると重大な契約違反になるとは知らず、不動産業者から言われるがままに購入していました。
フラット35の不正利用についてはこの記事がよくまとまっています。
https://mogecheck.jp/articles/show/bB5wrxOVq05Z4Ya0kQAg
投資用ローンを組んだ後の住宅ローン借り入れは難易度が高い
この流れは銀行等民間金融機関においても、波及していると考えられます。
フラット35の場合、実際の返済額を返済負担率の計算に使いますが、民間の銀行等金融機関によっては投資用ローンの月々返済額を3.5%や4.5%、かつ25年程度の返済年数で引き直して加算するところもあります。
さらに悩ましいのは、「投資用マンションを購入した直後に自己居住用の住宅を購入したい」という場合です。実際こういうお客様が多いのです。
フラット35においては、前述の通りで、年収がかなり高くないと難しいですし、返済負担率が基準を満たしていたとしても、投資用の借入金額の重さから厳しい審査となることが予想されます。民間金融機関については、そもそも確定申告を経ていないと土台にも乗らないケースがあります。
自己居住用の住宅を購入したいと考えている方は、投資用マンションなどの購入ではなく、別の節税対策や副収入を選択したほうがいいと思います。
確定拠出年金やつみたてNISAでREITを買うのを個人的にはおすすめします。