全期間固定金利で注目のフラット35⑥親子リレー返済を理解しよう
ラット35の特徴の1つとして親子リレー返済があります。民間銀行にはあまりない制度ですので、まとめてみたいと思います。
親子リレー返済とは?
親子リレー返済とは、お子さま等、一定の条件を満たす方を後継者として、2世代で返済する制度です。
後継者の要件は下記のとおりです。
申込本人の子・孫等(申込本人の直系卑属)またはその配偶者で定期的収入のある方
申込時の年齢が満70歳未満の方
連帯債務者になる方(1名のみ)
親子リレー返済のポイント3つ
親子リレー返済のポイントです。
POINT 1: 後継者の年齢で返済年数を計算できる
具体的には、例えば現在55歳の方が住宅ローンを組むとすると、80歳完済のため24年返済が最長となります。これを30歳の子供との親子リレー返済とすると、後継者の年齢で返済年数を計算するため、35年返済が可能となります。月々の返済額を抑えることができるのです。
もちろん、その分完済は先になりますが、今は子供の教育費などでお金がかかるけれども、退職金が見込める方などにはメリットだと思います。
POINT 2: 後継者の年収を全額合算可能
親子リレー返済の場合、子供など後継者の年収を全額合算することが可能です。これが効いてくるのは、親だけ、子供だけでは年収が400万円に乗らないようなケースです。合算することで借入可能額を増やすことができます。
フラット35は年収400万以上か、400万未満かで「返済負担率」の基準が異なります。年収400万以上は35%、年収400万円未満は30%です。
返済負担率についてまとめた記事はこちらです。
POINT 3: 後継者の同居は不要
親子リレー返済というと、2世帯住宅を思い浮かべる方が多いかもしれません。確かに2世帯住宅にFITする制度ではあるのですが、実は後継者の同居は不要です。この条件により、親子リレーがよく使われるケースは「同居予定のない親が子供の住宅取得を親が支援する」パターンなのです。
親子リレー活用パターン「同居予定のない親が子供の住宅取得を支援」
最近は、住宅取得年齢が低年齢化しています。低金利により借入可能額が増えていることが大きな要因のようです。親から子供への住宅取得の支援方法としては、贈与が一般的ですが、現金を出すのではなく、住宅ローンの申込人となることで支援する方法もあります。
具体的に見てみましょう。「同居予定のない親」が申込人になれるというところが特徴です。
<ケース> ※住宅購入の主人公が「子ども」の場合です。
親 年齢60歳 年収500万円
子 年齢30歳 年収400万円
審査金利1.5%、35年、元利均等返済、ボーナス払いなし、他の借入なし
子供単独での借入可能額は、約3810万円
親子リレーでの借入可能額は、なんと約8,572万円です。
もちろん、親子ともに債務者となるので、どのように返済していくのか、万が一の場合はどう対応するのかなど、話し合って納得しておく必要はあります。
注意点としては、この場合親が主債務者になるので、必ず取得する土地建物に持ち分を持つ必要があります。(持ち分割合は問いません)また、親は「住まない」ので、住宅ローン控除は受けることができません。
返済は、親と子どちらの口座からでも可能です。団体信用生命保険はどちらか一方のみの加入となりますが、住宅購入の主体は「子」ですから、どちらも「子」を選ぶケースがほとんどです。
細かい話ですが、申し込みを行う際は「子入居型」を選択します。
私が住宅メーカーにいた頃は、結構な割合でこの親子リレー返済の利用がありました。制度の1つとして覚えておくと、お客様への提案の幅は広がると思います。
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