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くまさんときつねダンス

ちょっと前、とある棚田のようなリゾートが話題になってましたね。あれは本物の棚田なのかと、賛否両論さまざまな意見がSNS上で見られました。

ずるいのかもしれませんが、賛否どちらかに決着つけたいとは個人的には思ってなく、それを題材に繰り広げられる議論を興味深く見ていました。

そこから派生してさまざまな言説を読んでいく中で、面白い考えに至りました。
「完璧」な、「本物」の答えを出すことが必ずしも良いとは限らないこと。
完璧な本物を出してしまうと、答えはそれ一つです。逆に言うと、それでないものは否定されてしまいます。

でも、「それは違うんじゃないの?」、「それ以外にもあるんじゃないの?」、「ぱっと見違う気がするけど、ある面ではそうかもしれないな。」、
そう思わせるものをつくることで「私なりの正解」がたくさん存在できるようになります。それは決して悪いことではないような気がします。というか、このご時世、そういうものが求められているのではないでしょうか?

唯一の絶対的正解が存在するのではなく、相対的正解が複数存在する状態、建築によってそんな世の中をつくろうとしているなら、すごいことですね。

話は打って変わって、日ハムのきつねダンスが話題ですね。きつねダンスが話題になる度に、あの印象的な歌を聞く度に思うことがあります。

僕の実家は住宅街の中にありますが、近くにわりと緑が多く、いろんな動物と遭遇することがあります。特にここ数年、きつねと出会うことが増えました。出会うと言っても、目の前を横切るとかではなく、鳴き声をよく聞くのです。
正直、全然可愛くないです。うるさいというか、落ち着かない声です。

ふと思いました。もし僕が、ほんと仮にですが、きつねダンスの原曲、"The Fox"の曲の企画会議に参加していたら、「え?きつねの鳴き声知ってますよ」って、言ってたかもしれないと。
そしたら、ためてためて、サビ直前で、"What does the fox say?"からの、"Ring-ding-ding-ding-dingeringeding!...
歌唱力で曲としての完成度をなんとか保っているかのような、独特のサビの、キャッチーな曲は世に出てなかったかもしれないと。リリースからだいぶ経った後に、遠く海の向こうの国でバズることもなかっただろうと。

絶対的正解を言わないこと、何だろう?で止めとくこと。それが大きなムーブメントを生むこともあるのですね。

「多様性」と、よく言われる今日。環世界だなぁと、ほんとに思います。決して鈍感になれということではないと思います。難しいですよね。でも難しいなって考え続けるのが大事なんでしょうね。

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