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色鉛筆勝手に使い勝手検証!!第3回

さて3回です。今更ですがこの検証のタイムラインは2014年から2017年頃のものです。
情報は古くなってるかもしれませんが何かの参考になれば幸甚でございます。今回勝手に使い勝手検証したのはこちら。我らが日本製品です。
日本製のペンはとても質が高くヨーロッパではそこそこの値段で売られております。日本で数百円とかで買えるペンがヨーロッパだと
ちゃんとした画材屋さんで体感千円くらいでものすごい高級画材みたいな顔して棚にならんでいます。いや、いいんですよ。それだけ日本のペンが優秀ということですから。さてさて色鉛筆はどうでしょうか。

  • MITSUBISHI UNI/三菱鉛筆 (日本)ユニカラー

  • HOLBEIN(日本)アーチスト色鉛筆

*MITSUBISHI UNI ユニカラー

昔の色鉛筆の感じです。芯は固め、太い。折れにくい。
水に溶けず重ね描きはできないけど安定した品質です。
ただ色設計が個性的でないので、ちょっと変わった色が欲しいひとは別会社の物も併用するといいとおもいます。
全体の色味がやや暗い方向に傾いています。
ということはグラデーションも暗いところから始められるので幅がでます。そのかわり明るい方向のところで色味が消えてく
やや黒ずんで行く感じがする、ふわっとしたあわい色鉛筆画的な表現より
パステルなどとも併用してしっかり描く方に向いていると思います。
僕はユニの黒をよく使っていました。

くもりメモ
三菱鉛筆はハイユニ(Hi-Uni)という普通のユニシリーズとはちょっと上の鉛筆があります。鉛筆デッサンする人は良く知ってると思いますが、ハイユニとユニの違いは一目瞭然です。鉛筆スタートの会社はやはり黒が強いということですかね。ちなみにステッドラーも鉛筆スタートです。
あ、あの三菱グループじゃないってことはご存知でした?

*HOLBEIN(日本)アーチスト色鉛筆


ホルベインの昔からある色鉛筆です。
しかし最近品質ががらりと変わったようです。
スムースさは群を抜いて素晴らしい。芯も丈夫です。重ね描きも可能です。紙面へののりぐあいも素晴らしい。描きやすい。
ただ色味は前とほとんどおなじです。色設計に個性的な感じがしない。

三菱のユニと同じように色味が暗い方向に傾いていますから淡淡とふわーとした表現よりも描き込む方向に向いています。
あまり他ではない油性!なので水には溶けない。
そして油性の性質上その上に別の色鉛筆では描きにくい。逆は大丈夫。
最後の締めみたいな感じで、ぐんぐん塗り込むときに向いてます。

この魚をホルベインで仕上げると、、、。
こう、ぐりぐりと。色が映えます。
白ものりやすく映える。

くもりメモ
ホルベインは油絵具がかなり有名です。だから色鉛筆でも油性という他ではない特性を使っているんでしょうかね。
ヨーロッパの普通の画材屋さんではなかなか入手できません。
日本製のペンや道具があれだけ画材屋さんの棚を占めてるのに色系のものが少ないのは残念です。でもポスカ(三菱鉛筆)やコピックは来てます。
色鉛筆もいけるはず!製造国で色の感性が顕著に現れるというのは面白いですね。
話がそれますが、住む国によって見える色味が違うのはゴッホを観れば一目瞭然ですもんね。
南フランスに移住してからのゴッホの色の変化はまさに花ひらいた感じ。


いつも思うのですが日本の画材製品の色設計はやはり日本人の感性に合わせているのだろうかと思います。
なんというかどことなく湿気があるような色味です。
ただ色味にはいいとかわるいとかの価値判断はありません。
どの色にも意味がある。
隣に来る色との相性や全体の色味の調和とかが無限の可能性で展開されるだけです。
そういえば今売っているかどうか知りませんが 和の色、日本の古い名前の色をセットにした色鉛筆製品がありました。
なんかよさそうだったので買ってみましたが肝心の芯が固いばかりで顔料が少なくて色にならない、絵には使えませんでした。
軸のデザインとかは良かったんだけど。

日本のメーカーさん!再度いいものを発売して下さい!

高橋常政

さて次回より実際に色鉛筆を使って描いてみることにします。
その工程をご紹介します。
いろんなメーカーで描き混ぜていきます。
お楽しみに。

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