音心あれば歌心vol.5 Q&A 雲に名前編
雲に名前が毎月開催しているイベント『音心あれば歌心』。よりライブを楽しんでもらうため、出演者陣への質問コーナーを作成しました!
雲に名前
Q1.好きな音楽は?(ジャンル、ミュージシャン、曲など)
金子:「リフ」(短い繰り返し)を小さく小さく積み重ねていく音楽が好きです。
一つだけでは意味を成さないパーツを繰り返し繰り返し演奏する事によってグルーヴが生まれる。無意味な一日を繰り返す事によってしか人は生きれないのと同じ様に、同じ事をただグルグル繰り返す事で無から有が生まれる。
そして音楽でも日々の営みの上でも重要なのは「繰り返して気持ちが良い」事です。ダサいリフを嫌々繰り返してたって「音楽」にはならない。嫌な仕事を毎日続けてたら人だってツブれちゃうよ。
グルグル回れ。日々よ転がれ。ロックンロール。
滋野:好きでよく聴くのは長澤知之、林邦洋。The Birthdayの「愛でぬりつぶせ」「涙がこぼれそう」「なぜか今日は」など気合いの入った前向きな曲も好き。身体を使って「歌ってる!!」感のある歌が好きでヴァン・モリソン、松本梨香のような歌唱が目標。
Q2.影響を受けた音楽は?(ジャンル、ミュージシャン、曲など)
金子:大友 良英
大友さんは「音楽」になる前の「音」そのものへの興味・関心を俺に教えてくれました。ライブも観てCDも買ってその人の書いた本まで持ってるのは大友さんぐらい。ジム・オルークやデレク・ベイリーやコンポステラやエリック・ドルフィーや非常階段や(順不同)素晴らしい音楽(?)も教え切れない程教えてもらった。食べてもなくならない栄養素みたいな人だと思う。永遠にリスペクト。
(↓急に大きな音が出るのでご注意!)
滋野:歌い方や歌メロ、歌とコードのハモらせ具合などはおそらく合唱(母がやっていて、自分も小中学校時代好きだった)由来だと思います。ギターコードはアコギを始めた20歳前後の頃よく聴いていた「つばき」というバンドに影響されている気がします(Gのキーが多くて5,6弦の3フレットを押さえがち)。演奏自体はここ数年は金子の影響というか金子に教わっています。
Q3.音楽以外で好きなもの・ことは?
金子:漫画とビール。今んとこ2019年度ベスト漫画は白泉社花とゆめコミックス「赤髪の白雪姫」。ファンタジーだけどNO魔法。主人公の白雪が王子様と堂々と一緒にいる為に宮廷薬剤師になってキャリアアップしていく、というのがまず良いですね。ビールは特別こだわりは無いです。強いて言えばキリンのクラシックラガーが一番好きなのだけど最近どこにも売ってなくて地味に憤ってます。しっかり苦味があるのが好き。
滋野:今は音楽と同時に大学の歴史学の勉強が大きな柱です。ほかには歩くこと、川、虫などの生き物、知らない街や土地に行くことが好き。ここ2~3年は少女漫画やポケモンにも傾倒していて、特に「ポケモン不思議のダンジョン」というゲームは好きを通り越したリスペクト。ポケモンが人間みたいにしゃべる、ポケモンにあるまじきシリアスかつ情緒豊かなシナリオの素晴らしいゲームです。
Q4.音楽以外で影響を受けたもの・ことは?
金子:あすなひろしの諸作品 / 大友克洋「AKIRA」「さよなら日本」/ 小田扉「江豆町」 / 黒田硫黄「大日本天狗党絵詞」/ 鈴木翁二の諸作品 / 高野文子「棒が一本」/ 津田雅美「彼氏彼女の事情」/ 鶴田謙二「Spirit of Wonder」/ 豊田徹也「アンダーカレント」/ ヤマシタトモコ「BUTTER!!」 / 内田樹「ラカンによるレヴィナス 他者と死者」/ 大塚英志「サブカルチャー文学論」 / 村上春樹「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」 / キリコの絵 / 映画「アポロ13」/ 大学の時の刑法ゼミ
今パッと思いつくのはこれぐらい。
滋野:中村文則の「何もかも憂鬱な夜に」という小説に出てくる"芸術はどんな極悪人にも開かれている"という言葉が自分の表現の根幹にあると思っています。あとは身体的にも精神的にも中学高校でやっていた陸上競技が活きているのと、今やっている歴史の勉強も歌詞や演奏の心構えに影響しています。
Q5.あなたにとって「歌心」とは?
金子:本来バラバラなパーツを束ねて、目の前の人に差し出す気持ち。音楽なら、リズム/メロディー/ことば(歌詞)/感情の結節点を見極めて、一つにまとめていく気持ちではないでしょうか。
滋野:演奏と呼応して歌の持つ力を発揮させられる技術のことじゃないかなと思います。
雲に名前「オールドファッション」
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