25年の軌跡 ~ポルノグラフィティと私~ その5
どうも、銀尾です。
濃淡はあれど25年分の思い出を書くのは骨が折れますが、当時を思い出したりして楽しい作業ですね。それがずっと好きで追い続けてきたロックバンドの話題なら尚更。好きとか嫌いとか、もう超越してるんじゃないかな。25年って短い時間じゃないもん。
まぁ、追ってたって言っても履修してたのはCD音源だけで、ライブ参戦が最近なので、結果的に薄~~~いファンなのかもしれないですけどね…、はは。
国民的アイドルが解散したり、活動休止したりするこの時代、ポルノのお二人が25年も第一線で走り続けてくれていることに感謝しかありません。
我々ヲタクの間で語り継がれている(?)格言「推しは推せるときに推せ」。同じ時代を生きているハッピネスをこれからも噛み締めて行かねばね。
と言うことで、やっと観念したようです。
初ライブの模様、サクッと行きましょう。
※ポルノファンの回顧録です
※ダメだなと思ったらリターン推奨
episode11 共鳴する感情/誰に響かせる ~暁のポルノグラフィティ~
2022年12月。
2泊3日の高知旅行、メインは初日の夕方から開催されるポルノグラフィティのライブ。高知に行くのは初めてではなく、桂浜や高知城など高知市近郊の観光地は既に探訪済でした。
47都道府県を制覇済、独り旅歴の長い猛者。大抵の観光地は「あぁ、もう行ったぜ」てなる。
この日は坂本龍馬の墓所や市内の天然温泉など少しマニアックな場所を回り、ホテルに大きな荷物を放り出し、まずはグッズを買いに行きました。
くどいですがファンクラブ会員ではないので、先行販売とか会場受取とかじゃなかったです。友人たちに「どのくらい並ぶのか」「どうやって買うのか」「売り切れたりするのか」などなど基本的なことを聞いておいたおかげで、目当てのタオルはしっかり買えました。暁とモノトーンを一本ずつ。
それと銀テープが入ったキーホルダーをひとつ。
まだ卑猥なライブTシャツを買う勇気がなく、買ったとしても普段使いできないだろうと言う理由で衣服系は見送りました。
ワズビルポルノTシャツ(ノーマルと広島1枚ずつ)や解放区ポルノTシャツを買う未来が待っているなんて、もちろん知るはずがない←
あんまりね、手元にグッズを置かないタイプのヲタクなので。愛だけではチャレンジグッズにチャレンジしない派です(※防災セットは買った)
使うものだけを使うだけね。はい。
さて。
一旦 宿に戻ってまったりしたり、軽い晩御飯を挟んだり、暗くなった高知市街地をぶらついたり。開演30分前にゲートをくぐり、席に着いた。
予想通り、高い2階席の一番後ろはステージ全体は見渡せるけど壇上の人影は小さくて表情はよくわからなかった。スタッフさんが慌ただしく音響チェックしているのが見える。
「オペラグラスを持っていく」なんてシャレたスキルもなく、いくら裸眼で両目1.5の私でもこの距離はいかんともしがたかった。私は背が高いので前の人に視界が遮られることは無さそう。後ろがいないし通路側なので気兼ねなし。多少暴れても大丈夫か(※自分の席から はみ出ないようにしましょう)
「まぁ、初回はこんなもんだよね。むしろ昭仁さんから遠い方が良いかもしれん。間近で見たら目が焼かれてSHI☆NU(真剣)」
血の滲むような訓練()のおかげで静止画を見られるようになっても、まだまだ生死に関わるこじらせ方をキープしていた。
ステージ見えにくくても曲が聴ければヨシ、なんて、半ば熱の下がった態度でいたのがいかにも「素人」だった。心を熱くし、アホになって暴れるのがポルノのライブなんだから。
以下、セトリ。
悪霊少女
バトロワ・ゲームス
カメレオン・レンズ
ジョバイロ
Stand for one's wish
サボテン
ナンバー
クラウド
ジルダ
うたかた
瞬く星の下で
Zombies are standing out
メビウス
証言
アゲハ蝶
ミュージックアワー
VS
テーマソング
暁
あー、こんなに……? いや、もう記憶が……。
「憶えてない」んじゃなく「全部吹っ飛んだ」が正しい。
今思い出してみても、途切れ途切れの断片しか出てこず、他の人のレポートを拝読すると「あぁ、そうだった!」ってなる感じ。
その断片を頑張って繋ぎ合わせてみることにする。
開演時刻。
ざわつく場内に「悪霊たちの宴……」なる、おどろおどろしいアナウンスが流れ、さぁっと暗くなる照明。割れんばかりの手拍子、拍手。カッと閃くスポットライト。
OPで上手から出てきた昭仁さんと晴一先生の人影を見た瞬間、胸が詰まって号泣してしまった。一瞬だった。自分でも驚くくらい、ぶわっと涙が出た。
「生きてる……! 動いてる……! 本物だ……!」
↑これ。
そりゃ動く。ご本人だもの。
覚えておくといい、2階席最後方でもヲタクは推しに会うと泣く。
遠くてレゴ人形みたいだったのにね!(もっと良い例えあるはず)
思い出すと可笑しいが、細かいところを見て記憶する容量が一切無かった。
正直、感情の制御がおかしくなってたと思う。憧れの人に逢えた感動だったんだねぇ(他人面)
2階席で良かったねぇ……。タオル(おろしたて)噛み締めてオェオェ言いながら激しく泣いてたから……見苦しいねぇ……(微笑)
1曲目「悪霊少女」
記念すべきライブ初曲。ロングトーンで無事に昇天。
今でも悪霊少女のイントロを聴くと、初参戦の感動が蘇ります。
2曲目「バトロワ」
歌詞間違いで荒ぶり、辺りかまわずグレネード投げまくる昭仁さん。物陰から狙うスナイパーどこいった。
ボロボロ泣きながら「間違えた!!!(笑)」って和む。
3曲目「カメレオンレンズ」
MVもヤバいが、リアルも相当ヤバかった。
滑らかな照明の下で歌い上げられる様に一気にスキ度が上がりました。「泣いてるの?」の歌い方に音源とは違った艶があったなぁと言う記憶。
4曲目「ジョバイロ」
因縁の一曲。
イントロが流れた瞬間、「!!!」ってビクついたし、サビのところはもはや「間違いませんようにィイイ」って祈ってた(重症)
やっぱり大好きな楽曲だった。そしてやっぱり間違えがちなのはもうわかった。そういうもんだって納得しちゃった(敗北)
5曲目「Stand for one's wish」
知らない子でした。音の運び方に耳馴染みがあったので一度は聴いているはずですが、カップリング曲なのでうろ覚えだったんだろうと思います。
(episode2参照)
6曲目「サボテン」
これ一番ヤバかった。
両目から豪雨だった。ぶわーっと鳥肌が立った。
「Tamaちゃあぁああんんん(号泣)」だった。
お前は まる子か。
当時の思い出とか、情景とか、懐かしいメロディとか。
またもタオル噛み締めてオェオェ言ってた。ちょっと落ち着け。
音楽の力ってすごいなぁって思った(語彙力)
サボテンの余韻のせいで7~9曲目の記憶が無い。
「ジルダ」は好きな曲なんですけど、「夢中にさせたいよ」のフレーズを照れくさそうに歌っていた記憶しかない(それすらも怪しい)
「クラウド」の「波がさらってくれたなら」を「波がさらってくれたらなぁ」と歌ってらして、「ンッ?」と引っかかる程度には、まだ歌詞間違いに免疫ができていなかったのは覚えてる(今も同じくらい)
そうそう、暁では声出しが出来なかったのでボイスストラップが活躍していましたね。曲の合間に四方八方から飛んでくる「アキヒトー」「ハルイチー」の電子音声の渦がすごかったです。
9曲目のジルダの後、ちょこーんと椅子に座る昭仁さんと、長い足を持て余しながら悠々と椅子に座る晴一先生。なるほど、着座での演奏と言うわけですね。
細かいMCはメモしたわけじゃないから正確ではないですが、なんかこう、こんなことを仰ったんです、昭仁さんが。
「わしら座らせてもろうたけど。立ちっぱなしじゃ、みんなも足つらいじゃろ? 足、痛い痛い、になってしまうじゃろ?」
あし、いたいいたい、になってしまうじゃろ?
あ??? もう一回言ってみろ???(落ち着いて)
ズドン、と音がした。
私の心が撃たれた音です(即死)
とうの昔に心臓は引っこ抜かれてるはずだけど、ここでトドメさしてくる岡野昭仁の攻撃力の高さよ……(血反吐)
キミは笑顔浮かべて引き金を引くんだね(グァバジュースでむせる絵文字)
初ライブ×初MCと言うことで、テレビでの快活でカッコいい昭仁さんしか知らない私は、泣き疲れて冷静さを取り戻し、徐々に気付き始める。いくら私がアホでも、気付かざるを得ない。
「あれ……? この人(昭仁さん)、かなり可愛いのでは……???」
憧れの年上の男性に向ける言葉じゃないのはわかってる。わかってんだ、わかってんだ。
でも、歌詞を間違えたり、ステージ狭しと暴れまわったり、晴れやかな笑顔で観客を見回す昭仁さんが……。
「かわいい」??? か、かわ……い、い???
不可解な感情に頭ン中バグっちゃってさぁ。
と言うのも、暁 高知でのMCは、30年連れ添っている晴一先生でも困惑するくらい意味不明なもので、観客も「???」だったのだ。
曰く、「新幹線とか飛行機で寝るとき、右に寄っかかった方が体が楽」。
え???(ド困惑)
そんな意味不明な話を一生懸命、晴一先生をしっかり見つめて、時に観客に向き直り、驚異の体幹で片足立ちをキープしながら身振り手振り全身で伝えようとする姿を見て、気付いてしまった。
あれ???
この人、もしかして、めちゃくちゃチャーミングなのでは……???
(ハッと悟った顔)
曲こそしっかり追っかけていたけど、曲を聴いているだけではメンバーがどんな人柄なのか全てはわからない。当たり前体操。
何やらわけのわからない感情は、圧倒的声量で吹き飛ばされた。
10曲目の「うたかた」はアコースティックバージョンで、文字通り空気の圧を感じました。音数が少ないからこそ、真っ直ぐビリビリ響いてくる地声の大きさに圧し潰されそうだった。
サウダージのアカペラもそうですけど、恐ろしい声量だと思います。マジで。
11曲目「瞬く星の下で」
これは本当に初めましての曲だった。既存曲を新曲のように聴けるのは僥倖と言わざるを得ない。
悪霊少女と共に、私のライブの思い出を象徴する曲になりました。
12曲目「ゾンビ」
「生ける屍になる時間がやってきましたよ」のフリで察し、盛り上がる会場。ここまで来ると涙も引っ込み、全身全霊で暴れるしかない。
「ここじゃ誰も眠ってはならぬ」の「な!ら!ぬ!」で足を踏みしめて首を前後に振る私。え、ホントにライブ初参戦だったんですか???
13曲目「メビウス」
はいキター、私のテーマソング(笑)
不穏なひらがなの歌詞に、訴えかけるような悲痛なメロディ。わかってんだ、わかってんだ。
スクリーンに映し出されるメビウスの輪が幻想的だったのは強烈な思い出。
このあたりで晴一先生&サポメンの皆さんによるファンのためのインスト曲が入るんですが、このときトイレに駆け込んでいたので、ちゃんと聴いたのは武道館オーラス(ライビュ)でした。配分間違えてすみません、晴一先生(スライディング五体投地土下座)
と言うか、ライブ初参戦の私はインスト曲が入ること自体を知らなかった。
配信してくださってもいいんですよ???(すぐ曲を手元に置きたがるヲタク)
14曲目「証言」
アルバム「暁」の、もう一つの表題曲だと思っています。
泣き叫ぶように歌い上げる昭仁さん。
さっきの可愛いボーカルの人と同一人物ですか?(混乱)
バラードタイムを終え、ココからファンキータイム。
暴れ狂って、跳んで騒いで、心をひとつにする時間がやってきた。
15曲目「アゲハ蝶」
会場でピタリと揃うクラップと、ラララの大合唱が名物の曲。もちろん実際にやるのは初めてだったけれど、先輩方と、何よりステージ上の岡野先生の動きをよく見てビシッと波に乗れました。
なお、暁では声出しが禁止されていたため、クラップ中心で盛り上がりました。「次は〇〇拍子!」「もっと!」「まだいける!」と全体を統率していく昭仁さんマジで凄かった(語彙力)
16曲目「ミュアワ」
変な踊り行くぞー!は、やったんだっけか?
ファンの間では有名だけど、これもやっぱり初めて。予習(笑)していったおかげで一拍目から動けました。
17曲目「VS」
息つく間もなく怒涛のナンバー。神vs神を思い出して感極まった方も多かったそうです。アァ、それは私には無い記憶だ……(苦しみ出す絵文字)
18曲目「テーマソング」
これは……もうワズビルの記憶の方が強くなっちゃってますね。フレッシュな感想を記しておけばよかった。
声出しが出来ないので暁では一緒に歌うことはありませんでした。このときの「約束」は、ワズビルにしっかり受け継がれ、果たされるのであります。
19曲目「暁」
本編最後のアルバム表題曲。噂に聞いていた、大地に膝を付き天を仰ぎ、祈りを捧げながら熱唱する昭仁さん。膝を付いたまま激しく頭を上下に振る様を
「バンビ⁉ 待って、ステージにバンビおる⁉ バンビおるんだけd……昭仁さんだ!!!」
ってアワアワしながら見てたアホな観客は私です。
みんな言ってますけど、2時間近く歌った後に暁を持ってくるセトリの鬼仕様(褒めてる)
ギターの音が止み、バッと照明が明るくなり、割れんばかりの拍手。下手へと はけていくポルノのお二人。真冬の公演だと言うのに全身汗だくのファンたち+2階席最後方で呆然自失の狐一匹。
息つく間もなく、どこからともなく、聞こえてきたものがある。
三拍の手拍子だった。
いわゆる「ポルノコール」。アンコールの合図ですね。
本来なら(?)「ポルノ!(チャチャチャ) ポルノ!(チャチャチャ)」なのですが、この時は追いかけるように三拍子ずつ交互に鳴り、
「これがポルノコールか!すげぇ!」
と便乗する初心者ワイ。
アンコールのセトリは以下。
・Century Lovers
・Hard Days , Holy Night
・ジレンマ
センラバのワイパーは初めてでしたが何故かピタッと出来た記憶があります。暁を歌った直後だと言うのに突き抜ける高音。この人の喉はどうなっているんだ。
ここでもボイスストラップが大活躍。お馴染み「FuFu!」もタイミング揃ってて「ポルノファンこわ……(褒めてる)」って ほくそ笑んでいたことを謝罪します(待て)
ハドホリは「みんなにクリスマスプレゼントを!」で入った曲でした。もともとポルノはアンチクリスマスの風があるけど(笑)、静かな不穏さを孕んだハイドアンドシークより身軽なポップスかと思います。
そして、私の人生初の生ジレンマ。
ジレンマはロマエゴのときから何度も聴いた曲(※インディーズ時代からある曲です)で、定番曲と聞いてはいたけど実際に浴びると
「これが噂のジレンマ!そうか!そうなのか!」
となる不思議。
最後に体感2メートルくらい跳ぶ昭仁さんがあまりにも…あまりにもロックミュージシャンで…(感極まってしまった絵文字)
ここでアンコールも終了。
一気に明るくなった会場で、拍手の中、ステージを行ったり来たりして手を振り、最後にマイクを通さずメッセージをくれる昭仁さんと晴一先生。もうこのへんは記憶が定かではないです(お前)
晴一先生が「今日は呑んでよし!」って仰ってたのは かろうじて脳の片隅に録音されてた(昭仁さんは???)
公演終了を告げるアナウンスと、ざわつきつつも手早く荷物をまとめて速やかに退出する行儀のいいラバッパーたちを横目に、私は崩れまくったメイクを直しにトイレに走るのであった(※もう外は暗いのであんまり意味なかった)
会場の外に出た後、記念写真を撮ったり、居酒屋に繰り出したり、楽しそうに話しながら家路についたりするファンの皆さんに混じり、キャラに似合わず自撮りなんかしちゃったりして。
このときは駅前のホテルを取っていたのですが、路面電車でサッと帰るのが惜しくて散歩しながら戻りました。
冬だったけど全然寒くなかったぜ。心はポカポカだったからな…!(やかましいわ)
高知の夜、たくさんの星たちが証言してくれるはず。
二度とない夜だったと。
長くなっちゃったので次回へ続く。
銀尾でした。