25年の軌跡 ~ポルノグラフィティと私~ その2
と言うわけで、銀尾です。
今回も引き続き、私のポルノグラフィティ歴をね、書き連ねて行きたいと思います。どうぞよろしく。
前回は、どこまで書い……あぁ。
憧れるあまり「昭仁さんを直視できない」って言う激ヤバの症状に陥ったところまででしたね。
それはもはや、尊敬する師匠を前にしたような、平民が大貴族の前に出たような、足軽が将軍の御前に出たような。
とにかく「すげぇ…歌、好きです…。マジで…あの、ホント、えっと…お慕い申し上げ…(言葉に詰まる)」って症状だった。
どういうことなんだよ(聞くな)
晴一先生は背が高くて男らしい狼みたいなイメージだけど、この頃の昭仁さんは中性的と言うか、艶めいた一面があったように思うんだよね。匂い立つ、と言うのか。牡鹿みたいな? 要はセクシーだったってこと。
まぁいいや、始めよう。Soul&Soul。
※ポルノファンの回顧録です
※ダメだなと思ったらリターン推奨
episode4 曲がりくねった道 ~時が何か変えるなら~
無事にポルノ沼に落ちた私。一浪して大学に入った。
(※まだファンクラブには入っていない)
時代的には赤青ベストが出たあたりで、先輩や後輩とCDの貸し借りをしたり、相変わらずカラオケに足しげく通ったりしていた。
昭仁さんへの憧れをこじらせ続けてはいたが、「静止画を直視できない」だけで、曲は普通に聴き込んでいたし、テレビも普通に観てはいた。
我ながらよくわかんねーけど、まぁ、そう言う感じだった(雑)
大学生になってバイトも始め、ある程度は自分で好きに出来るお金を手に入れられるようになったけれど、ポルノのライブに行くって言う発想は一切なかった。CDを買えればそれでよかった。発売すぐにお小遣いで買えなかったサンプを手に入れたときは嬉しかったね。
まぁ、言うて「昭仁さんを直視できない」んだからライブ参戦なんて最初から無理なのである。無理と言ったら無理なのである。
俯いて座ったまま演奏を聴けと。何を言っているんだ(落ち着け)
今思えば、ライブバンドであるポルノの生演奏を聴かないなんて、めっちゃくちゃ損をしていたと思うが、当時の私のベストだったんだから仕方ない。
ストイックに(?)ひたすらCDを聴き込んで、歌っていた。
そんなあるとき、ハッと驚いた。
ポルノグラフィティが二人組になっていた。
当時まだファンクラブ会員でもなく、メンバーの細かい情報を追っていなかったから、ベースのTamaちゃんが脱退することを知らなかったのだ。
え……、あのワイルドな作曲担のベーシストがいなくなった……???
周囲も「あれ? 三人組じゃなかった?」って反応だったような。
唯一、ファンクラブに入っていただろう人から脱退の話を聞いた。
日頃、私が
「ポルノのふたりには離れないでいてほしい」
「一生添い遂げて欲しい」
みたいなことを臆面もなく ほざくのは、このときの「メンバーの脱退」→「解散危機」と言う恐怖感が根強いんじゃないかな、と分析している。
だってイヤじゃん、好きなアーティストが活動休止、解散だなんて。字面にするのも恐ろしいわ。
尤も、この脱退は前向きな理由で、不仲になってどうこうじゃなかったから、そのあたりはさておいて、やっぱりショックだったんです。
なもんで、昭仁さんと晴一先生、お二人がくっついて仲良く言い合いしていたり、信頼し合っている様子を見ると安心して嬉しくてニコニコしちゃう。くっつきグラフィティは世界を救います。
ただ、付け足すならば、私はTamaちゃんの脱退を肯定も否定もどちらもしたくなくて。
大事なメンバーだと思っているし、同時にソロ活動を応援しているし、でも私の知ってるポルノは三人組だったし、さりとて昭仁さんと晴一先生お二人でやってきた年月は確固たるもので揺るがないし。
……って言う、まぁ、懐古厨のつもりはないけれど、肯定も否定も、いろいろ複雑な気持ちを持ってます。
(もっと頑張って言葉にしましょう)
さておき。
キラキラした昭仁さんや、クールな晴一先生とはタイプの違う、エキゾチックでミステリアスなTamaちゃん、いや、Tamaさん。
「いやいやいや、どうしちゃったの? え? 二人組になったの?」と、ひとしきり混乱した哀れな私が、最初に耳にしたのが「シスター」。
語りかけるような静かなメロディ。作詞の晴一先生は「Tamaの脱退とは無関係」と仰っていたけれど、どこか物悲しい世界観だと思った。
「明日になったら会えるのかな?」なんてさ。うん。
以後、当初のギラついたイメージとは少し違う、「儚げで愁いを帯びた顔のいい二人組」を見る機会が増えた。いつもどこか遠くを見ているような、そんな雰囲気だった。
ドンクレとかネオメロもこの時期だけど、わかりやすくがっつくようなパワフルさが鳴りを潜めて、ジッと隙を窺うような攻撃性と言うのか。
何と言うのか(語彙力がいなくなった)
これ言うと怒られるのかもしれないですけど、この頃からプロデュースの仕方がちょっと変わった気がするんですよ。
お二人の身長差がなくなったりね。衣装も全体的に黒っぽくて「底知れない妖しさ」を演出されたりね。バンドではなくデュオみたいな雰囲気だった記憶。…怒られるね、お二人はロックバンドだからね。
二人制でスタートしてからの お二人は、何かにつけ「俺ら仲悪いんで!」と不仲営業をせっせとされていたように思うけど、「仲良くしてるのはダサい」「いがみあってるくらいがクール」ってスタンスだったらしいので、今と変わらず仲良しだったはず(笑顔)
この頃に見た音楽番組(確かHey×3)で今でも覚えてるのは、「居酒屋ポルノ」を開店してしみじみしてる黒服のお二人と、
スケベな縛り方をされて野外に立てられた十字架に磔にされ、ニューハーフのオネエ様がたに集団で襲われて「ウワーッ」ってなってる昭仁さん(と、足元でゲラゲラ笑って助けに入らない晴一先生)
覚えてる人いらっしゃる……?(手を挙げながら周りを見回す絵文字)
これ凄かったな。身体張ってましたね。
ロックバンドとは……?ってなってた(私が)
ライブの定番曲「ハネウマライダー」が爆誕したのも、このあたりでした。
キレーなお姉さん三人がバイクレースをする傍ら、テンガロンハット装備のカッコいいお二人がカッコよく演奏するPVも覚えている。
カラオケで歌った。めっちゃ歌った。今も歌う。
こういうアップテンポの曲が、やっぱり好きですね。盛り上がる。
このように(どのように?)思い出の中にはいつだってポルノとポルノの曲がある。みんなで行ったカラオケは本当に楽しかった。
後輩にポルノ好きがいて、飲みながら語り合ったこともあった。
でも、ライブには行かなかった。メンバーが二人になってもポルノの音楽を聴ければ、それでよかった。
「ワイローのジャケット、どれ買う?」
「ネオメロの歌詞、覚えるの大変!」
なんて後輩とキャッキャしていた。
そんな風に過ごしていたある日、事件が起こったのである。
episode5 ジョバイロ事件 ~この胸貫く刃~
はい。
時期的にアレでしょ? 昭仁さんが結婚したから「昭仁ロス」になったんでしょ?って思った、そこのアナタ。
残念、違うんだなぁ。
記憶を辿る限り、昭仁さんの結婚報道を見て、この世の終わりみたいなショックを受けた覚えはない。大ダメージ喰らってたなら絶対覚えてるでしょ、推しの結婚だもの。
もし、最初期からファンクラブに入っていたら、あるいは胸が千々に引き裂かれて盛大にサウダージしてたかもしれないけど。
じ、自信あるよ…?(震)
と言うことで、「推しの結婚」については、誇張でも強がりでも、ショック過ぎて記憶が消えたわけでも何でもなく、
「あ、結婚するんですね、おめでとうございます。末永く御幸せに!」
だった。アッサリ。
悪いな、期待通りの答えじゃなくて。
ちょっと寂しかったのは否定しない。憧れのお兄さんが少し遠くに行っちゃったな、みたいな感情だったかな。お嫁さんは きっと素敵な女性なんだろうなぁ、どうぞ幸せになってね!くらいだったと思う。
むしろ、あんなにカッコいいのに結婚しなかったら逆に心配しちゃうよね、っていう。
一体どういうスタンスでファンやってるのか、もしかしたら共感してもらえないかも知れないけど、言うてホラ「敬愛する歌の師匠」で「ド平民から見た大貴族」だから。住む世界が違うんです。
あなたの隣にいる自分を上手く思い描けないから。
そもそも直視できない太陽みたいな存在(物理)だから。
じゃあジョバイロ事件って何よ? 話が見えないんだけど?
では、本題。
晴一先生の話をしよう。
私が晴一さんを「先生」つけて呼ぶのは、そりゃもうとにかく敬服しているから。昭仁さんとはベクトルの違う感情が乗っている。
多感な時期にポルノを聴いた私は、晴一先生の描く「晴一ワールド」で育ったと言っても過言ではない。そう、決して過言ではないんだ。
空想科学少年とかマジで天才すぎんか。
昭仁さんで発症した「直視できない症候群」は晴一先生には見られず、何でかって言うと晴一先生=好きな作家さんって立ち位置だったから。
(キツネにギターの良し悪しはわからぬ)
(ギターソロはバチバチにカッコイイ!と思ってる)
むしろ積極的にサインもらいに行きたいし、握手してもらいたいし、作品の即売会とかあったら逢いに行きたいというベクトルが向いていた相手です。
ほとほとめんどくせぇファンですよ。おまわりさん、こっちです(自首)
晴一先生とは趣味が似通ってるので、良いお酒呑めそうな気はする。
(貴様、調子に乗るなよ?)
なお、昭仁さん作詞がキライとか合わないとかって話じゃない。「むかいあわせ」とか「Human Being」とか「n.t」とか大好きだし。「クリスチーナ」とかいいですよね!
今は表現方法の話をしています。
晴一先生は余白に聴き手の感情を委ねるところがあると思っているけど、全体を俯瞰するような物語性を孕み、人間の感情の機微やワンシーンを巧みな比喩と言葉を選んで抉ってくる。
ラブソングでは「あなた」と「わたし」の対峙構造ながら、その情景を見る目線がものすごく高い気がする。箱庭を覗き込んでいるような感覚。まさに神の目線。
かと思えば、アニメーションのように色鮮やかに情景が移り変わるような切り取り方もする。「カルマの坂」とか。空間を泳ぐと言うのか、視点が自在なんですよね。
一体いくつの引き出しを持っているんだ、晴一先生は。ギターは夢を描くペンですって。何それ素敵。
そういうとこぉ、好きでぇ……(嗚咽)
晴一先生はテレビではほとんど喋らず笑わない上、相棒を睨む眼光が鋭いので、すっげぇ気難しくて寡黙な人だと思っていた。
そんなことはなかったことが後に判明するが、またこれは別の記事で。
さておき。
コレである。
はい!!!天才!!!!(荒ぶる狐のポーズ)
もうね、どの曲が好き?って聞かれたら、まず「ジョバイロ」って言うくらい好き。いつだって晴一ワールドで踊らされて来たのである。
「はぐれないよう絡めていたのは指じゃなく不安だった」とかね!
もうね!(落ち着いて)
ジョバイロ好きは世に多くて、街ひとつ作れそうな気はしている。
ドラマ主題歌でもあったこの曲で、ポルノグラフィティは紅白にも出場した。時期で言うと……あー、昭仁さんの結婚より前の話か。そうね。
さて。
とかく、昭仁さんは歌詞を間違えがちである。
Aメロを飛ばしたこともある。
どこからモノ申してんだコイツ、と自分でも思うが、そうなのだ。
ワズビルでもロマポルでも、アポロで頭ン中バグり散らかしていた(わかる人にだけわかるネタ)
今では
「これがライブ感!ウェルカーム!!!」
「生歌である証拠!醍醐味だよね!頑張って!」
「歌詞を間違えちゃう昭仁さんも大好きだよ!!!(クソデカボイス)」
なのだが、
正直言うと、歌詞間違いが苦手だった。晴一先生の繊細な世界観がブレるようで、カッティングされた曲を流すのもあんまり快く思っていなかった。
だから楽曲は通しで聴けとあれほど……!
だいぶ厄介なこじらせ方をしてたんでしょうね、きっと。
カツカレーを注文したんだからカツカレーください! 親子丼を出されても困ります!トッピング勝手につけないでください!みたいな。
今ではね、カツカレーでも親子丼でもポルノのお二人が作ったものなら喜んで完食する自信ある。周囲にも食わすし。
うめぇうめぇ。自分、まだまだ食べれます!
閑話休題。
晴一先生の描いた完成された世界を、昭仁さんが圧倒の歌唱力で歌い上げる。尊敬してやまないお二人に完璧を求めていた。
ワクワクしてたんだ、紅白で披露されるジョバイロに。
勝手な話ですね、ホント。まぁ、それはそれで、いろんな考えがあるし、そのときの私がそうだったんだから今とやかく言ってもアレなんだけどね。
それでまぁ、結論から言うと、紅白のジョバイロで昭仁さんがサビの歌詞を嚙んじゃったんですよ。カメラに一人抜かれた状態で盛大にやらかした。「見て見ぬふり」出来ないくらいの嚙み方だった。夜は優しくなかったんです。
それがなーんかね、すっげぇショックで。許せなかっ……許せなかったのかな? そこまでじゃないか。ションボリ……くらいはしたと思う。あぁ、大好きな楽曲なのにな……って。
大多数のポルノファンが「やっちまったな(笑)」で済んだだろうところを、ガックリ肩を落としちゃった。これがジョバイロ事件。
そんなことがあって、余計に…と言うと言い過ぎだけど、ライブから足が遠ざかっていた。絶対に歌詞を間違えないCDに縋っていたんだ。予定調和は居心地良いでしょ?
楽曲に のめり込むあまり、ご本人たちを見ずに「偶像」を作ってたのかも知れないね。なんかこういう曲あったなぁ……Bzに(ポルノじゃないのか)
距離感をね、間違っていたのかも知れない。間違ってた、はダメか。それぞれの推し方があるから一概に悪いと言えないところあるから。
昭仁さんはいつでも一生懸命に歌ってくださるから、手を抜いてるわけじゃないのは重々承知してたんだけど。まぁ、心情の問題ね。
昭仁さんが歌詞を間違うと晴一先生が睨みつける……なんて真偽不明の都市伝説もあって、「そりゃそうだよ…悔しいし悲しいよ…」って勝手に共感してみたり。夢見たり、夢見たりィ!(ライラすな)
ポルノグラフィティの最大の魅力である「ライブ」を避けて通ってきたことは、今でも少し後悔している。私の未熟さと盲目さが招いた、仕方がない事態だったとしても。
正解はわからないけどね。
昭仁さんを責めてるんじゃない。そうじゃなくて。
当時の私の偏った見方がちょっとね、って話。
「相手に勝手な理想を押し付けて、勝手に幻滅してションボリしたことが昔あったよね」ってことを話してるだけ。
これは日常でも気を付けないといけないことかもしれないですね。自戒です。
ライブの昭仁さんの声が、CD音源を軽々と超えてくることも知らず、活き活きとアレンジを加えてくることも知らず。
何より、命を削って、燃やして、音を奏でて届けてくれるお二人の本当の姿を知らないまま、大学生活は過ぎていった。
なお、昭仁さんのご結婚に続き、晴一先生のご結婚も「あ、おめでとうございます。お相手、マジすか。ヤベーっすねw」で済ませた私であった。
しんみりしたところで次回!!!
一大転機を迎えた社会人編だよ!
銀尾でした。
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