東京万景 「さらば新宿」
妹が西新宿の医大病院から実家の近くにあるリハビリ病院に転院した。
11月1日に搬送されてから1ヶ月と11日である。西新宿の医大は11日の早朝に退院することになったが、千葉に住む僕は同行できない。前乗りして新宿のホテルに泊まればいいのだが、そんな金はないので、妹ひとりでタクシー乗って神奈川県に向って移動した。
タクシーに乗るので交通安全と病気治癒のお守りを成子天神社からいただいて、妹に渡しておいた。
妹が退院する日に僕とかみさんは妹を迎えるために神奈川の実家に泊まっていた。実家で新宿からタクシーに乗って来る妹を迎えて、衣服を着替えさせて再びタクシーに乗せて転院する病院に向った。
妹に話を聞いたら、新宿の病院は看護師が見送ってもくれないうえにタクシーを呼んでもくれなかったという。病院とはそういうところだとわかってはいるが、それにしても冷たい対応だな。
あ、少し戻って、妹が退院する前々日は、僕とかみさんは妹の見舞いに行っていた。妹が「医師や看護師、リハビリ担当者など」にお礼の品を渡したいと言うから百貨店巡りをしてから病院に向ったのだった。妹が神奈川の病院に転院するから、この日を限りに新宿には来ない。この日は新宿に別れを告げる日だった。
妹の病院を出た僕とかみさんは、都営新宿線の始発となる新宿駅に向う途中、都庁の何とかマッピングが見えた。
都知事は大嫌いだが、美しいイベントだった。海外の人を含む見物人がたくさんいた。
いずれにしても、この日が新宿に来る最終日だ。感慨深いがそれどころではない。ここから新宿南口の都営新宿線新宿駅までかみさんとふたりで急いだ。