災害の多様性「政権交代も災害対策」
「線状降水帯の発生と発達」
1986年発行、2004年の4刷り版の「平凡社版 気象の事典」を見ると、線状降水帯という言葉は見られません。降水帯という言葉もありません。平成26年(2014)8月の「豪雨による広島市の土砂災害」以降に線状降水帯という言葉(用語)が盛んに使われるようになりました。
最近は全国各地(といっても主に西の方)で線状降水帯が発生して災害を引き起こしています。
至近では7月10日(2023年現在)に九州北部で発生した線状降水帯は大きな被害を発生させています。
今年は3月の沖縄地方、6月の高知県、和歌山県、奈良県、三重県、愛知県、静岡県、奄美地方、7月の山口県、奄美地方、熊本県、島根県、福岡県、佐賀県、大分県と連続して線状降水帯が発生しています。
線状降水帯が発生するのは、やはり地球温暖化?なのでしょうかね。何でもかんでも地球温暖化ばかりですが、本当なのだから仕方がありません。
線状降水帯は、以下のような課程を繰り返して連続して積乱雲が発生して豪雨をもたらします。僕は専門家ではないので、以下、tenki.jpサイトや他のサイトを参照させていただきます。
線状降水帯といってもいくつかのタイプがあります。それは以下の3つです。
①バックビルディング型
②バックアンドサイドビルディング型
③スコールライン型
何が違うのか? まずは線状降水帯についてです。構造は以下の通りです。
1.地上付近に温かい風が吹いて山地や寒気と衝突して初めの積乱雲が発生
2.積乱雲は上空の風に流されて移動、しかし、その積乱雲からの下降流と下層風が衝突して上昇流が発生して同じ地域に新しい積乱雲が発生
3.2を繰り返すことで初めの地点で次々に新しい雲が発生する
4.発生する雲はすぐに消滅するが、次々に新しい積乱雲が発生して、長時間の豪雨となる。発生している積乱雲は次々に消滅するが、その間にもたらした大量の降雨量によって川の氾濫、土砂崩れなど想定外の災害が発生する
線状降水帯の定義は、「次々と発生する発達した雨雲(積乱雲*)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域」(平凡社 気象の事典より)です。
*積乱雲:垂直に発生する雲の一種で、カタチは積雲に似ているが、垂直方向の発達が著しく、その頂は山や塔状に立ち上がる。上部は氷晶からなり、金床型(*)に広がっていることが多い。雲底は地表から2000メートルほどだが、雲頂は1万メートル以上に達する。写真を撮ったことがありますが、残念ながらデータの保存場所がわかりません。
金床というのは上部が平べったい金属台です。金属加工の際にこの上に金属を置いて叩いて加工します。
では、線状降水帯の3つのタイプとは? 風の吹き方が違うのです。
「バックビルディング型」は、中層風と下層風の向きが同じです。
「バックアンドサイドビルディング型」は、中層風は地上に向って平行に吹きますが、下層風は上方に吹き上げます。
「スコールライン型」は、中層風が地上に向って吹き、下層風は地上から上空に向って吹きます。
温かく湿った空気が山や前線にぶつかって下層風になり、これが上昇して積乱雲を発生、発達させる。発生した積乱雲は、上空にある中層風によって移動されるのです。3つのタイプの内、バックビルディング型とバックアンドサイドビルディング型の2つは、豪雨災害を引き起こしやすいそうです。
梅雨といっても、昔の梅雨のような毎日シトシト雨が降り続く・・・というようなイメージではありません。熱中症を引き起こす灼熱の熱波の太陽に晒されたと思いきや、熱波によって突然として積乱雲が発生して大雷雨に豪雨大災害・・・といった現況は、少しも梅雨らしくありません。現在の日本には季節感なんて少しもありません。春に桜を咲かせ、秋に紅葉に色づくって事ぐらいです。
梅雨や台風じゃなくても、年がら年中豪雨災害に晒されているような気もします。気温30度以上、40度超えというのも珍しくなくなるであろう現在の熱波は、線状降水帯を発生させ、豪雨災害をもたらしてしまう異常気候です。線状降水帯だけではありません。海水温度が高くなると台風やら竜巻やらハリケーンやらエルニーニョやら発生するだろうし、もう大変な年になるでしょうね。
とにかく、今の政治家じゃ被害が増えるだけですから一刻も早く政権交代していただきたいですね。政権交代も防災対策の一環なんですよ。
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