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カルチャースクール3「七夕」
クリストファー・ノーランの「TENET テネット」を観ながら書いています。ノーランさんが脚本も書いています。しかし、ノーランは面白い人ですよね。殆どの作品は監督だけでなく、脚本も書いているんですからね。
あ、また余計なことを…さて…。
明日は文章講座の3回目です。
前回は短時間の部分的大雷雨に見舞われて2人の受講生さんは休みで、ひとりの受講生ひとりを相手に講座を行ないました。
毎回、文章課題を出しますが、皆でテーマを決め、課題を自宅で書いてもらって、次の回に提出していただきます。それを僕が持ち帰り、自宅で“読みやすく、わかりやすく”修正して、次の次の回に配布し、それを元に皆で、良い点を見つけて「ここ、いいじゃない。あら、ここもいいじゃない。素晴らしい」などと褒め合うのです。決して批判したり、ケナすことはありません。初心者にとってはケナされることが一番やる気を損ねてしまうからです。
プロの世界では、大概は才能の有無は他人が決めますが、趣味の世界における才能の有無は、他人が決めるものではありません。自分自身が決めるのです。それで食べていくわけではありませんからね。安定した生活の中で趣味を磨いていくことが目的であり、楽しみでもあるのです。ですから褒め合うことが重要なのです。
本来であれば、プロの世界でもそうあるべきだと個人的には考えています。専門家と称する人たちの個人的な感情だけで、モノの良し悪しを決めてしまうのは愚かなことです。そのせいで、世の中には偽物が溢れています。まあそれはともかくとして、せっかく与えられた才能を潰してしまう可能性も大きいのです。
さて、今回は前回、受講生さんに提出していただいた文章を紹介しましょう。あ、僕が読みやすく修正してあります。テーマは「七夕」でした。
*……
「七夕」
カルチャースクールの文章講座に通っている。
講座の初回で講師から課題をを出された。テーマは「七夕」だ。
しかし、私には、七夕の記憶があまり残っていない。小学生の頃に七夕飾りをしたくらいで、何を願って短冊を書いたのかも覚えていない。
「織姫と彦星が一年に一度、七夕の日に会えるという。何で一年に一度なの?ずっといっしょにいられないの?それって可哀想」
そのくらいにしか思っていなかった気がする。七夕の夜、雨が上がって夜空をながめた。天の川ってどれだろう?どこにあるのだろう?目を凝らして探してみたが天の川は見えない。
私は星をながめるのが好きだ。たくさんの星が輝いてくれている。
私たちが生きている地球という星も輝いているのだろうか?
*……
この受講生さんは横溝正史が好きで、「自分もああいう小説を書いてみたい」と言って受講している女性です。
個人的な感想ですが、彼女は詩人の方が向いている気がします。
原文は現代詩のようにブツンブツンと1行ずつ、文章の決まり事を無視して自分の思うがままに自由に書いています。僕が好きなのは最後の「地球も輝いて見えるのだろうか?」という1行です。
明日の講座で彼女に「詩を書いてみてはどうか?」と勧めてみようと思っています。もしかしたら横溝正史のような探偵小説の世界を、現代詩のなかで展開できるかもしれませんからね。