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船橋ソースラーメンの行方?

今日のカルチャースクールでは「五感で文章表現をする」というのをやりました。つまり視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚ですね。そこで、「一番書きやすいのは味覚だ」と言って池波正太郎さんの著書を紹介したわけですね。池波さんの小説は「幕末新撰組」以外、読んだことはないのですが、ただ「江戸前食物誌」だけは、もう本当に本がすり切れるまで読みました。だって、視覚と味覚を刺激しちゃうんだもん。

僕はテレビの「食レポ」っていうのが大嫌いで、「本当に味覚があるのかな?」って僕の個人的な先入観に囚われちゃうような安っぽい芸能人たちが「甘い、ふわふわ、とけるぅ~」ってワンパターンな食の感想を言うのが本当に気持悪いと思っているのです。少なくとも「甘い、ふわふわ、とけるぅ~」はやめましょうね。

んで、池波さんのような文章は簡単に書けるだろうと思っていたのですが、これが難しいんですよね。

少し前(2013年です)に船橋のソースラーメンなるものがテレビ番組などで取り上げられて有名になりましたね。船橋のゆるキャラも推していた…所謂、B級グルメなんですが、本当に有名になっていたのでしょうか…? そして今でもご存じの方はいらっしゃるのでしょうかね?

ソースラーメンが話題になった当時(2013年です)、船橋って隣町ですからね。僕も食べに行ったんですよ、元祖の店に…。んで、その時の文章が僕のブログにありましたので転載してみます。残念ながら写真はないんですけどね。

んで、難しいんですよね、池波さんのような味覚の名文書くのってね。次回の講座で受講生さんたちに謝ります(笑)。


「ソースなラーメンって、かなり面白いんだけど… (2013/11 訪問)」

いつも閉まっているというのが僕の印象でした。

といっても、お昼時間に店の前を通ることがないし、たまたま昼に通りかかっても…きっと休みだったということだったろうなぁ。開いてなかったんです。んで、今日は用事があって、ちょうど昼時に前を通りかかったら営業してたんですよ。「んじゃ食ってみっか?」ってな感じで入店してびっくり。店内面積の狭いこと。奥では先客2人が中華定食のようなものを食べながらビールを飲んでいるんです。店のお母さんも何だか芸人っぽい明るいキャラのようでね。なかなか良い雰囲気ですよ。

僕はソースラーメンを食べるわけですが、目についたのが「ハムカツ付きのソースラーメン」。ほんで、こいつを注文したら、さっきのお母さんが「やっぱりね」みたいな顔して「ハイハイ」って返事をすると、息子さんらしきカウンター内のお兄ちゃんに「ソースラーメン、ハムカツ付きね」って伝えるの。息子さん(多分)は小さな声で返事したのかしないのかわからないほどの小音量な声で「お」って言って調理開始。

僕はラーメンができる間に先客の会話を観察してる…つもりが、どんな会話していたのか、詳細を忘れちゃったのさ。ただ、僕の持っていたデジカメを見て思い出したように「俺のアイフォンはさ…」って、話し始めて、いつの間にかアイフォンで写真撮ってそれがデジカメの話になって…って感じ。

だいぶ時間が経って、お母さんがどんぶり持ってやって来て「はい」ってどんぶりを置きます。中身を見ると「家で作るインスタントラーメン感」がたっぷりのラーメン。個人的には美味しそうではありませんのよ。

スープの湯気の中にソースの匂いがぷーんと香って鼻腔をくすぐっちゃうの。面白いのはキャベツともやしがたっぷりのっていること。やっぱり焼きそばですからね。匂いは焼きそばなんですね。見た目は、焼きそばにラーメンスープをぶっかけた感じです。

野菜をちょいとのけてみて、そこに現れた麺を箸でつまむのです。固めの縮れ麺は歯ごたえが抜群です(ここまではいいんです)。ズズッと続けて麺をすすると、ソースの匂いも鼻腔に吸い上げられてきます。んで、肝心の味は…? うーん、これはダメです。私は美味しいとは感じません。苦手です。申し訳ない。いっそ、小盛りの焼きそばとラーメンを別々に食べた方が美味しいと思います。

ただ、自家製かどうかは不明なのですが、熱々のハムカツは美味いんです。というのはソースラーメンのスープに浸されてね、ソースが衣に、ほどよくからんだハムカツになっているからなんです。

不味いということではなく、苦手な味を我慢して、フウフウいいながら食べるってこの感じはいいですよ。我慢を知らない腐敗した現代において、このソースラーメンは、あえて我慢しなければならないB級な味なんですよ。

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