雷とマスクとカルチャースクール
今日はカルチャースクールの講師の日でした。カルチャースクールといっても、有名講師が揃う大手カルチャースクールと違って、うちは「もの凄く軒が低いカルチャースクール」ですから、無名な僕でも講師として働くことができるんです。それでも北海道から沖縄まで教室展開しているんですよ。
最近不景気ですから、カルチャースクールで高い受講料(僕基準では高いと思っちゃう)を払ってまで受講する人は年々少なくなっています。
カルチャースクールの歴史は古く、僕が生まれる前の1955年に産経新聞系列による初のカルチャースクールが創設されました。続いて毎日新聞、朝日新聞、NHK、読売新聞などのメディア系列会社によるスクールが開校(開講)されました。これらが一流のカルチャースクールですね。
ちなみに僕は一流ではないので、上記のような一流カルチャースクールでは働かせてもらえません(笑)。
さて、本日は午後近くになって、暗雲が湧くと、雷鳴とどろき、多少の降雨もありましたが、僕の講義がある午後1時近くになって晴れ間が出て安心して出かけると、徒歩20分のスクールまでの間に、突然太い雷の筋が近距離前方にドッカーンと落ちてきたんです。
「うひゃあ!」驚いて空を見上げると暗雲が残っているんですよ。雷雲ですね。僕は雷が大嫌いで(好きな人はいないでしょうが)落雷を見ると頭頂に圧迫感が発生するんです。気のせいなんですが、頭頂に雷が落ちてくるイメージによって圧迫感が生じるんです。
「こりゃ、ヤバイ」と思って、それから建物ばかりの込み入った道を一目散に走りました。意地の悪い神や悪戯な運命が意識的に僕を狙って雷が落ちても、脇の建物に落ちるであろうという非科学的な思いからそうしたんですね。
んで、やっとこさスクールに到着すると「助かったぁ」と声を出して安心しました。それから担当職員が僕の体温を測ってくれたんですが、どうも表情が変なんです。「僕が美老人だからかな?」なんて苦笑しながら教室に入ると受講生さんがひとり座っていました。この人をAさんとします。
「ん、ひとりだけ?あとのふたり(Bさん、Cさんとします)は、どうしたんだろう?」と思いながら「こんにちはぁ」と受講生さんに声をかけて座りました。するとスマホが鳴りました。かみさんからでした。
受講生さんに「ちょっと申し訳ありません。携帯に出ます」と断って出ると、かみさんが「あのさ、あんたマスクし忘れてるよ」と言うのです。「ああ!」と叫んで顔を押さえて戦慄しました。
マスクしてないじゃん(>_<)
「わかった。大丈夫だよ。かばんに予備のマスクが7枚入っているから。ありがとう」と言って通話を終えて、かばんからマスクを取り出して装着しました。
さっき、職員さんの表情は僕が美老人だからではなく、マスクしてなかったからなのですね。それからすぐに受付まで走って行ってスクールの職員に「さっき、マスクしていませんでした。本当にごめんなさい」と詫びてから教室に戻り、受講生さんにも詫びました。これでマスクのし忘れは3度目です。もしかしたら認知症の始まりなのかしら?
それからAさんBさんのふたりを待っていましたが、なかなか来ないんだなこれが…。
講座スタート時間になったので「時間がもったいないから先に始めましょう」と言って、始めましたが、30分経ってもふたりは来ないんです。どうしたのかな?と思って受付に行って「おふたりが来ないんですが…」と言うと「あ、電話して聞いてみます」と言うので教室に戻って再開していると職員が来て「Bさんは雷と雨で今日はお休みにしたいそうです」と笑います。
え、笑っちゃだめでしょ? 内心ムカムカしましたが「あ、そうですか。Cさんは?」と言うと「Cさんは電話に出ないんです。あとでもう一度電話してみます」と言って、また笑ったのです。くっそー…。
ま、今回はAさん相手に、課題として書いていただいた文章に関して「あぁでもない、こうでもない」とアドバイスしながら、わかりやすい文章のあり方について説明していると、あっという間に講座は終了。
「ありがとうございました」Aさんがニコニコして教室を出て行くと、僕は受付に行って「帰ります」と言うと「また次回お願いします」と言って愛想笑いをします。
「Cさんはどうなりました?」って聞くのも億劫になって、そのままスクールの建物から出ると青空に暑い陽光…。先ほどの雷雲は影も形もありません。
スマホを取り出して、かみさんに連絡。「あ、今から帰る。もう今日はさんざんだったよ。あ、マスクありがとね…」
歩き出すと、熱くなったアスファルトの道に水たまりが残っていて、青空が映っていました。
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