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坂口尚「石の花」
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坂口尚さんの代表作「石の花」が大判で復刊されています。全5巻になります。嬉しいですね。巻頭のカラーイラストが美しいですよ。最終刊の5巻には1970年の作品『抵抗の詩』が初収録されているそうです。昨年から今年にかけて谷口ジローさんや大友克洋さんの作品も大判で復刊されているし、本当に嬉しいですね。
坂口尚さんについてですが、Wikipediaを参照すると、定時制高校時代の1963年に虫プロに入社。高校中退後、アニメ制作が本業となります。「鉄腕アトム」「ジャングル大帝」の原画を描き、「リボンの騎士」で最終話までの8話の演出を担当します。その後、1969年に漫画専門誌COMに「おさらばしろ!」を発表、漫画家としてデビューします。「おさらばしろ!」は、ちくま文庫「COM傑作選」の上巻に収録されています。
当時、僕は12歳で、ナマハゲで有名な秋田に住んでいましたが、ちょうどこの頃に、多くの漫画家を目指す人たちが読むCOMとガロを読み始めていました。その頃に坂口さんの作品を読んでいたかもしれませんが、記憶にありません。
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石の花は「月刊コミックトム」に1983年3月号から1986年の9月号まで連載されていましたが、僕は26歳で漫画と、かけ離れた自堕落な生活に明け暮れていたので講談社から文庫化されるまで読んだことはありませんでした。
石の花の舞台は1941年から1945年5月までのユーゴスラビアです。
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手元にある「地図で読む世界の歴史 第二次世界大戦」を参照しましょう…とすると、ありゃりゃ、すごく長くなりそうなので今回はやめます(機会があればまたいつか)。
坂口さんの漫画作品は「たつまきを売る老人」「国境の店」「ぶううめらぁん」「恋人」などの短編に「あっかんべェ一休」「VERSION」「12色物語」長編すべて傑作ばかりです。
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僕は長編は2000年に目黒の書店(現在はAmazonが入る高層ビルと化しています)で購入した短編集1「午后の風」(チクマ秀版社)に掲載されている短編と、代表作の長編は読みましたが、坂口さんの作品はまだまだたくさんあるのです。今年は坂口さんの再々評価の年になりそうですから、それらが刊行されるかもしれませんね。楽しみです。
KADOKAWA様、筑摩書房様、どうか「石の花」だけでなく、坂口尚さんの未刊行作品をすべて出版して下さい。
坂口さんは、手塚治虫の後継者として期待されていましたが、「あっかんべェ一休」の最終話脱稿後の1995年12月22日 に自宅の浴室にて急性心不全のため亡くなってしまいます。享年49歳でした。