耐滑性能
昨日は雪が降り、路面も凍結して滑りやすくなっていました。特に金属製のグレーチングの上やペイントされた道路の一部も滑りやすくて危険でした。僕は寒冷地用安全靴を履いていきましたが、雪のつかみは良いのですが、グレーチングやペイントされた道では効果が低かったのです。購入してから年数が経っているので“靴底の減り”が要因だったかもしれませんね。
さて、自動車のタイヤにスタッドレスタイヤというのがあります。僕が東北の街に住んでいるとき(40年以上前のことです)はスタッドレスタイヤはなかったので、冬期はスノータイヤというのを着けていたのを記憶しています。しかし、スノータイヤだけでは充分ではなく、上から金属製のチェーンを巻いていました。
スタッドレスタイヤは、素のままでも充分な効果を発揮するのですね。一見すればゴムタイヤなのに何故、雪や氷をホールドすることができるのでしょう?
以下はWikipedia「スタッドレスタイヤ」を参照しました。手元に資料がないので申し訳ありません。
スタッドレスタイヤには通常のタイヤよりも深い溝があります。これが雪をとらえ溝にはまった雪によって雪柱ができます。これが溝にはまったままでは滑りやすくなりますが、スタッドレスタイヤの場合には溝から雪柱を外部に蹴り出すことで駆動力を得るのです。剪断力というそうです。
さらにタイヤの溝ブロックに「サイプ」と呼ばれる細かな溝が掘られています。このサイプが、滑る最大要因である“氷上の水膜”を取り込むので滑りを抑えるのです。
もう一つはタイヤには通常のタイヤとは違う特殊なゴム素材を使用しています。気泡を含んだゴム素材に、ガラス繊維やクルミの殻、鶏卵の殻などを混ぜ込んでグリップ力を強化させているのです。
昨日履いて滑った寒冷地用安全靴よりも耐滑性に優れた安全靴があります。少々高価ですが、相応の商品ですから買って損はないと思います。
「ワラグリップ」
ミドリ安全の安全靴に「ワラグリップ」という商品があります。ワラグリップ? 奇妙な製品名ですね。確認していないので確かではありませんが、雪国では雪道を歩く際に靴にワラを巻いて滑り止めにするのですが、多分、そこから来ているのでしょう。
ワラグリップ安全靴は、靴底に特徴があります。靴底の溝模様を「意匠」と言うのですが、まず、その意匠が、雪面、氷面をホールドしやすいものになっているのです。
氷上で滑るのは氷上に水の膜ができており、一般的な靴の意匠では、その水の膜の上に浮いた形になって、水面を走る「ホバークラフト」のようにスルッと滑ってしまうのです。
ワラグリップ安全靴は、靴底の意匠に装着された「ハイテクネット」というスパイクのような突起が水膜を突き抜けて氷面をしっかりとホールドするのです。ただし、雪上や油面ではハイテクネットの効果が出にくくなる場合があります。
「オールラウンダー」
雪上でも滑りにくい安全靴がミドリ安全の「オールラウンダー」です。オールラウンダーは、靴底の意匠そのものが耐滑機能を持っています。スタッドレスタイヤのように、いくつかの滑りにくい溝群が意匠の中に設けられています。靴底の周囲にぐるりと囲んだ“横ひだが縦に並んだ意匠”は、雪を掴んでも詰まらずに解放して滑りを抑えるのです。さらに靴の中心には水や油に強い耐滑意匠を設けてありますからオールラウンダーなのですね。
今朝は、昨日の降雪によって凍結した道路で滑る人たちを中継していました。昨日自分も路面で滑ったので、オールラウンダーとワラグリップ欲しいと思いましたね。
今季は、また降雪があると思われますので、滑りにくい靴か、靴に耐滑グッズを装着して準備しましょう。