韓国映画「がんばれ!チョルス」
また韓国映画です。漫画原作ばかりの邦画やCGばかりでまるでアニメのような洋画はつまらなくなりましたが、文化発展途上と言える韓国映画は良いですね。
知的障害があるチョルス(チャ・スンウォン)は、ある日、信号待ちの交差点で車を運転する初老の女性ヒジャ(キム・ヘオク)に道を尋ねられる。「車に乗って案内してほしい」と懇願され、周りの目もあり、仕方なく車に乗り込んで案内する…。しかし、いつの間にか病院に連れ込まれて血液検査をされてしまう。
初老の女性は、チョルスの奧さん(故人)の母親で、その病院に入院している孫娘セッピョル(オム・チェヨン)は、白血病患者で、骨髄移植ドナー検査をされてしまったのだった。無論、セッピョルはチョルスの娘だが、理由あって祖母のヒジャが育てていた。作品では徐々にその理由が語られる。
韓国映画は時系列で物語は進まないことが多く、今やひとつのパターンとなっている。中身が整理されていれば非時系列であっても良いが、大半が意外性を重視してなのか?肝心の内容がわかりにくくなってしまう。
この作品の非時系列進行は、まあまあの許容範囲で、涙腺を緩めてしまうことにつながっている。
主役のチャ・スンウォンは、コメディ中心の俳優のようだが、僕は知らなかった。刺青あり(シールだと思うが)の強面の見た目は、僕個人としての嫌悪感もあるのだが、内容の良さに救われた。障害者を演じるのは難しいと思う。これまでも「7番房の奇跡」(リュ・スンリョン)や「母なる証明」(ウソンビン)などを観たが、その演技に関しては僕個人としてはわからないのだ。
子役のオム・チェヨンが素晴らしい。白血病患者を演じるために丸刈りにしている。潔さだけでなく、次第にチョルスを父親と感じていく心の動きを上手に表現している。育すれば、多様な役を演じこなせる大物女優となるに違いない。
大好きな女優のキム・ヘオクは、ドラマを中心に活躍している韓国を代表する大女優で、僕が観たドラマでも「ソル薬局の息子たち」「キム秘書はいったい、なぜ?」「私はチャン・ボリ!」「黄金の私の人生」「TWO WEEKS」「もう一度始めよう」など多数に出演している。
この作品は、観て幸福になれる。
「七番房の奇跡」
https://www.netflix.com/jp/title/70271432
障害を持つ父親と娘を描いた名作に「7番房の奇跡」がある。僕が嫌いな結末の救いようのない内容だが、笑って泣ける俳優たちの演技力で、感動作に仕上がっているので、あわせてご覧下さい。