災害の多様性「災害関連死」
被災後に起こるのは「災害関連死」です。令和6年能登半島地震でも避難所で災害関連死例が判明しました。
石川県は8日、死者数が前日から40人増えて168人になったと発表した。うち1人は避難所で亡くなった人だと輪島市が明らかにした。今回の地震で避難所での死者が判明するのは初めて。厳寒地の被災地では避難生活が過酷になっており、県が災害関連死対策を急いでいる。
(上記リンク記事より抜粋)
東日本大震災の際はどうだったのでしょう?復興庁の資料を参照します。
復興庁発表の資料「東日本大震災における震災関連死の死者数 (令和5年3月31日現在調査結果)」PDFより以下に表を掲載します。
東日本大震災における震災関連死の死者数(都道府県・年齢別)(令和5年3月31日現在 単位は人です)
各地方公共団体の協力を得て、復興庁が、東日本大震災における震災関連死の死者数(令和5年3月31日現在)を把握、公表した資料です。 集計の結果は、1都9県で合計3,794人です。
過去・・・熊本地震の際に起きた「災害関連死」の資料が内閣府防災情報を参照しました。以下は熊本地震の際の災害関連死の例です。
内閣防災情報公表PDFより転載しました。
・避難中の車内で74歳女性が、疲労による心疾患で死亡
・78歳男性が、地震後の疲労等による心不全で死亡
・83歳女性が慣れない避難所生活から肺炎状態となり、入院先の病院で死亡
・32歳男性が、地震による疲労が原因と思われる交通事故による死亡
・43歳女性が、エコノミー症候群の疑いで死亡
・88歳男性が地震による栄養障害及び持病の悪化等により死亡
・83歳女性が地震のショック及び余震への恐怖が原因で、急性心筋梗塞により死亡と推定
上記リンク災害医療大学の記事より以下に東日本大震災による災害関連死の要因について抜粋しました。
岩手県及び宮城県では、
「避難所等における生活の肉体・精神的疲労」が約3割、
「病院の機能停止による初期治療の遅れ等」が約2割、
「地震・津波のストレスによる肉体・精神的負担」が約2割。
福島県では、
「避難所等における生活の肉体・精神的疲労」が約3割、
「避難所等への移動中の肉体・精神的疲労」が約3割、
「病院の機能停止による初期治療の遅れ等」が約2割。
福島県は他県に比べ、震災関連死の死者数が多く、また、その内訳は、「避難所等への移動中の肉体・精神的疲労」が380人と、岩手県、宮城県に比べ多い。これは、原子力発電所事故に伴う避難等による影響が大きいと考えられる。
他には、自殺者は合計13人でした。
被災後には、自宅や移動手段が奪われ、仕方なく避難所で生活を送るわけですが、普段当たり前だった通常の生活が送れないことへのストレスというのは尋常ではないと思われます。
さらに自宅や家族を失った悲しみというのは僕などには想像もできませんが、精神に異常をきたしてしまうほどの負荷がかかるものだと想像します(申し訳ありません、想像しかできない事をお許しください)。自然災害、人的災害など多様な災害の被災、被害者は人心に相当な負荷をかけてしまうものです。
今回の震災で被害に遭われた方々に、心から精神的負荷が和らぐことを願っています。生きてさえいれば必ず報われることがあるものですからね。