過去ブログの記事から「京都買います」
2013年の記事です。
昨夜、NHK BSで放送されていた怪奇大作戦の「京都買います」を久しぶりに見ました。京都を舞台とした同ドラマの2作品は、シリーズ中の最高傑作と言われています。
京都にはビルが建ち並び、古の京都の景観が失われつつあるとともに…ということをテーマにしているようですが、当時は昭和44年です。2013年の今から見れば、当時の京都は充分にまだまだ京都だったのですよ。
その京都で事件が起こるのです。重要文化財の仏像が次々に消失しちゃうって事件です。
考古学者をボスとする秘密結社?の「古都文化財保存協会」の女性が、ゴーゴー喫茶で踊り狂う若者たちに「京の都を売ってください。売ってくれるなら、この契約書にサインして」と言います。若者たちは「京都は俺たちのものじゃないけど、面白いから売ってやるぜ」と何も考えずにサインしちゃう。契約書には「京都市民として、京都に現存する歴史的文化財に関する一切の権利を譲渡する」と書いてあります。
「誰も京都を愛していない…」と女性は嘲笑うのです。
カドミウム光線で仏像を転送して盗み出し、盗んだ仏像を新たな都の象徴とするというお話なのですが、お話にはSRIの岸田森先生と秘密結社の女性とのプラトニックな恋愛も絡んでいて、これが僕には不快でたまらない。そんなものどうでもいいからとっとと怪奇を暴けよと叫びたくなっちゃう。それが実相寺監督独特の前衛広角の画角で映し出されているもんだからイライラしちゃうんです。
でもね、最後は「ええっ?」って意外ではありますが、実にしょうもない結末なんですが、そこでひねくれた僕は逆に感心しちゃうんです。ここだけね。京都を舞台にした恋愛幻想なんですよね。
京都は桓武遷都から長く続いた都ですが、あの方たちが明治になって京都を捨てるように出てきて、江戸を東京にするって軽さが、もともと京都を軽んじているように思えるのですよ。ま、それはいいとして…。
これから震災多発時代に突入するのは誰にもわかっていることです。日本継続のためには古都に分散する重要文化財よりも人命の方を優先に考えるべき。それほど文化財が大切ならば、とっととカドミウム光線物質転送装置で海外に転送保管すべきだと思っています。
*ドラマ内では、GOGO喫茶で踊り狂う若者たちに「京都販売契約書」にサインさせちゃいますが、若者たちは自分たちが生きている街のことなんかどうでもいい、楽しければいいんです。しかも“流行”というつまらない現象に流されて生きるんです。これは太古の昔から変らないようです。情けないことですが、これは、令和となった今でも同じです。世の中を左右できる権力者を選ぶ「選挙」なんかには興味がない。いつの間にか他国に巻き込まれて戦争になって「最前線で死ね」と強制されて、“流されて生きる己の愚かさに”気がついたときには死んでしまうんです(2021年)。
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