東京万景 新宿哀愁
「生きるということは金が必要ということ」
妹が倒れてから3週間目に入りました。その間、予断を許さぬ状況を経て、ようやく一般病床に移りました。といっても、脳の出血なので一般病床の中の個室の観察部屋に移動しています。これから4人病床への移動ということになります。ちなみに4人病床にもランクがあって、1日約1万円、約8千円という有償の部屋2段階に、最低の無償という3段階で、有償の2段階に1ヶ月入っていれば月に30万円ほど払わなければなりません。まあまあのビジネスホテルに1ヶ月宿泊しているような感じです。
無償の方は、狭い、収納がない、窓が小さい、洗面は共同・・・などの悪条件がありますが、まぁ普通ですよね。僕が肺炎で入院してたときには、それがイヤでしたね(笑)
個室は凄いです。贅沢なホテル暮らしレベルです。1日10万以上ですから1ヶ月で300万円かぁ? どんな人間が入るんだろう? 医療ドラマに出てくる馬鹿な金持ちなんかなんだろうね。
妹はこれから再発を防ぐための観察と、復帰のためのリハビリを続けますが、あと1ヶ月ぐらいは入院してるかなぁ? 退院してからのことが心配ですね。もう側についていないとダメでしょうね。今回は職場で倒れたから良いのですが、自宅で倒れていたら死んでいたでしょうからね。
僕の母親は脳梗塞で倒れたことがあります。頭痛で部屋に嘔吐して、それがみっともないからといって嘔吐で汚れたカーペットをぐるぐると巻いて片付けてから妹に電話したんです。東京にですよ。それから妹が中野坂上の会社から実家の神奈川の救急車を呼んだのですね。それでも手遅れにならずに使ったんです。リハビリの甲斐あって大事にならずに済んだのです。母も妹も運がいいんですね。
うちの家族は脳に何かあるんですね。僕も若い頃に酷い偏頭痛に悩まされましたよ。何度も脳のCTやMRIを撮っています。一度、鼻の後ろにピンポン球ほどの白い影が写ったことがあります。でも、その後、何も写ることなく過ごしていますし、頭痛もなくなりました。
多少の病気になっても、金があれば大丈夫です。一番必要なのはお金です。今回は肌身に感じました。かみさんの乳がん手術も、妹のくも膜下手術もお金がかかります。
まずは高額療養費制度があるので助かります。特にうちなんかは限度額は低いので凄く助かります。多少の保険にも入っていますしね。妹はもの凄く高額なると思われますが、彼女はしっかりしていて、かなりの貯蓄がありますし、高額な保険にも加入していましたから何の不安もありません。
まあ、何があってもお金があれば救われます。金が全てなんて言うと嫌われますが、でも、事実なんだから仕方がありません。
「症状」
さてと、妹の手術後の状況です。
妹は複雑な話もできるから一見普通に見えますが、LINEなんかで文章を書くということになると、ダメですね。変な日本語になってしまう。たとえば「有り難うね」が「有永舞うね」となってしまったり、友人たちへの文章も見せてもらったら、それなりに意味はわかるけれど奇妙な言葉が綴られていたりします。
それに新しいことは記憶できないみたいです。かみさんの手術は27日だと何度も言っているのに、「○○ちゃん手術はうまくいったの?」「手術はいつなの?」と同じ事を聞きます。
それに右足が上手に動かせないようです。早く歩くことができればと思います。病院では午前中に手足の運動と言語のリハビリも日課として入っているようです。
手術は成功したもののやはり後遺症があるんですね。出血後の早期対応が大事なんですね。それに小さな梗塞もできていますから、影響があるのでしょうね。今はリハビリ中ですが、退院したら側で見てあげようと考えています。そのために千葉から神奈川に引っ越すことになるでしょうね。
で、本日、病院の妹からLINEの返事が来ました。また変な日本語になっているかな?って思ったら、「手術、みんなついてるからね。なんのしんぱいもいらないんだからね、ガンバレー!」なんて、割とまともに文章打っているんですよ。嬉しかったなぁ。徐々に正常な状態に戻りつつあるようです。あとは右足の運動能力の回復ですね。
「片付け」
妹は会社で倒れたので、搬送されて手術となると、一度も自宅に帰ることなく入院となったわけです。これは大変ですよ。所持金が少なければ、衣服も着たきりになるのです。病院の入院着がありますが、入院に必要なシャンプーやら歯磨きスポンジやら何らかんやと購入することになるんです。同居しているか、あるいは近隣に住んでいる家族がいなければ、大変ですよ。
それ以上に大変なのが手術や治療んどの同意書ですよ。本人が同意できるほどの意識があればよいのですが、無意識状態で搬送手術となれば・・・恐怖ですよ。
さらに大変なのは自宅の片付けです。仕事に出かけたら、自宅に帰れるだろうという当然の意識があるのですが、妹のような状況になれば数ヶ月帰れないことだってあるのです。その間の自宅には、腐敗する生ものがあったりしたら恐怖です。
昨日は、妹の家(僕の実家になりますね)に片付けに行きました。果物の柿とバナナは見事に腐っていましたし、仏壇にあげたお茶なんか紅茶キノコのようなカビが生えていました。換気もしていませんから、臭いし、非化学的ですが悪気が溜まっていたりするのですよ。実家がある大和市は厚木基地の騒音に対応した窓の密閉装置とか換気扇とかがセットされているのです。急いで換気扇を回して、ついでに窓を開けて換気したのです。
昨日は千葉からいくつもの電車を乗り継いで神奈川の実家に行って片付けをしてから、新宿の妹が入院する病院に向いました。病院には保険屋さんが来ていて、妹を励ましていました。保険屋さんが帰ったあと、午後8時過ぎまで妹と話していました。疲れました。妹は徐々に回復している状況のようです。
27日には、松戸の病院で、かみさんの乳がん手術です。術後、約1週間入院することになります。家族が同時期に新宿と松戸の病院に入院するのです。同時に異なる地域の病院に見舞いに行かなければならない自分が気の毒になります・・・なんてね。僕なんかの妹と、妻になってくれた彼女たちは人生の恩人でありますから当然のことですよね。
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