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東京万景「最悪」



「最悪とは何か?」

今年は良いことと悪いことの差が極端でした。良いことってのは新しい仕事としてシルバー人材の仕事で僅かな収入を得ることができたことで、反対に悪いことはたくさんありました・・・と思ったら、以外にそうでもないんです。結果が良ければ悪いことにはならないのですからね。

悪かったことといえば、まず収入が減って困ったことです。は大手企業さんの仕事を失ったこと。これは残念ですが、いろいろと事情があるので仕方がないのです。企業さんに何の責任もありません。それに、企業さんの収入が減ったことで、その収入分をカバーするためにシルバー人材の仕事を始めた訳ですから、企業さんの仕事がなくなっても特に悪いことではないのです。おお、そうすると、企業さんの仕事がなくなったことは、特に悪いことではないのです。

特に悪かった?ことは、10月にかみさんの乳がんが発見されたことと11月1日に妹が、くも膜下出血で緊急搬送されたことでしょう。

しかし・・・。

かみさんの乳がんは20年前に手術した乳がんの再発ではなく、新規の乳がんで、これが早期発見のステージ0(実質は1)だったことは最悪の事態とは言えません。しかし、今後の再発を防ぐために乳房を全摘してしまいましたからかみさんにとっては最悪の事態だったに違いありません。僕は無神経ですから最悪ではないという表現をしましたが、20年前と合わせて両方の乳房を失ったのですからね。女性としての彼女の気持ちは僕なんかには皆目見当がつかないのです。それに、リンパ節と摘出した乳房の細胞検査をしていて、ここにがん細胞が発見されたら他の臓器にがん細胞が転移しているかもしれませんから今後はどうなのかはわかりません。

妹の方ですが、彼女が働く会社で倒れて、搬送された最初の病院では処置しきれずに近くの大学病院に搬送され、5時間の手術ののちに生還できたこと。これも現時点では最悪には至りませんでした。しかし、生死の間を彷徨い(?)働いている会社を数ヶ月休職することになる妹にとっては最悪に近い状態なのかもしれません。

昨日、見舞った際には、妹はもう補助なしで自分で歩けます(ヨタヨタと)し、減らず口をたたいて僕と喧嘩するほどに元気になりました。

補助いらずで自分だけで歩けるようになりました

しかし、医師やリハリビの担当者は「まだ外を歩くリハビリをしていないのです。人混みの中を歩くのは大変なことです。その運動能力を復活させるには外を歩くリハビリしかありません。それはこの病院ではできないので、他のリハビリ専門病院に転院していただくほかないのです」と言うのです。

「普通は3ヶ月は入院していられるはずですよね?」
「ここは緊急搬送などに対応していますが、基本は大学病院ですから、まずは研究というのが優先されるのです。ですから治療が終了して治癒が済めば、退院をお願いしています。通常の病院のように3ヶ月の入院というのはないのです」

ということで、妹が住む神奈川県の実家近くのリハビリ病院に転院することになるのです。候補病院のひとつは僕の父親が最期を看取られた病院です。僕も実家にいた頃にはこの病院にお世話になりました。

「再び最悪とは何か?」

住宅、自家用車などのローンまみれになっていたとしても、当たり前に働くことができて、やっと通常の生活を営んでいる人間にとっての最悪というのは、やっぱり死ぬ事が最悪だと思います。お金がなくて死ぬ思いをしたとしてもまだ死んではいません。心ない者たちにいじめられ、虐待されていたとしても、まだ死んではいません。

では、死なないのなら最悪ではないのでしょうか? やっぱり違いますよね。生き地獄といううまい言葉があります。生きていて苦しんでいることこそが最悪なのでしょうね。

物事をキチンと考えることが苦手な僕には昔い判断です。死にたいのに事情があって死ねないというのが最悪なのかもしれませんね。

この文章のように、ひとつの事柄をなんだかんだと言って、結果的にわからないという文章を書いてはいけません。そんな文章はウンコです。

妹の病室から見える風景(現在は別な病室に移動しています)
病室の窓から見えた風景

てなことを書いているうちに時間が経過してしまいました。今日は12月4日です。

かみさんは明日、無事に退院となりますので、迎えに行かなくちゃ。

あとは、前に述べたようにリンパ節と摘出患部からがん細胞が発見されないことを祈るのみです。

あ、最悪だった。

今年は・・・最悪に至るかもしれぬことはありましたが、最悪には至らなかったので、妹とかみさんの強い生命力を褒めてあげたいと思うのです。生命力の弱い僕だったらいとも簡単に最悪の状態になっていたでしょうね。とにかく良かったということです。

てなことを数日にわたって書いたりしているうちに何を書きたかったのかを忘れてしまったのです。

おっと、今年はあとひとつきありましたね。まだ最悪に至る可能性が残っているのです。皆さん、充分に注意して過ごしましょう。

*文章を書くときには何を書きたいのかを決めてから書きましょう(笑)。

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