Fender Custom Shop のススメ
おはようございます。雲田イチロウと申します。
RAINBOW4 というバンドでギターを弾いています。
一大ギターメーカーである Fender はギターをかじったことがある人なら一度は聞いたことがあるでしょう。しかし Fender Custom Shop という名前はギターをやっている人でも知らない人は多いのではないかと思います。
今回はそんな Fender Custom Shop (以下 Custom Shop) を勝手に布教すべく記事を書きます。
ちなみに私は 1959 Stratocaster Heavy Relic を所有しています。
Fender Custom Shop とは
Fender のアメリカ工場の一角にある、「マスタービルダー」と呼ばれる凄腕の職人が集まる場所です。ここではいわゆるハイエンドなギターが製作されています。
Fender でハイエンドといえば、 UltraシリーズやAmerican Originalシリーズが思い浮かびますが、ではこれらよりも高価な Custom Shop はなぜ知名度がないのかというと、コンセプトに違いがあります。
どのギターもとてもマニアックなので、万人におすすめできるものではないということ、一本目のギターにはおすすめできないということから大々的に宣伝を打っていないようなのです。
こんな人におすすめ
・ギターを複数本使ったことがある人
・ ヴィンテージライクなギターを現場でガンガン使っていきたい
・往年ロックの音を出したい
N本目のギター
まず、Custom Shop のギターは高いです。
Ultraシリーズが 25万円ほどで買えるのに対し、Custom Shop 製は軽く40万を超えてきます。
そして、倍の値段を出して買うほどの価値があるかというと、人に寄ると思います。言ってしまえば、コスパは悪いです。
しかし、Custom Shop 製品にしかない圧倒的な見た目・スペックに自分が求めるものとバッチリ当てはまった瞬間、秒でお買い上げになります。逆に言うと、「自分が欲しいギターは何か」が明確に決まっていなければ Custom Shop のギターを探す動機はありません。なので、少なくとも1本ギターを持っていて、自分の求める音、ルックスが固まっている人は探してみる価値があるといえます。
私はエレキギターだけで数えると4本目で Custom Shop にたどり着きましたが、店員さん曰く「早い方ですね」と。
ちなみに、 "Custom" なんだから自分の好きなようにできるの?という当たり前の疑問がありますが、個人的には不可能です。(少なくとも Custom Shop 製品を卸している)楽器店を通してならお願いできるかもしれません。ただ、オーダーから 2~3 年は待つらしいです。
ヴィンテージライク?
ずばり言いますが、ラッカー塗装のギターがいいという人は Custom Shop を探してみるべきです。
Custom Shop のギターは例えば Reissue であればその年代のスペックを再現しにいくので、1967年ごろまでのモデルであればフルラッカー塗装になっています。
他のライン、例えば American Original シリーズもラッカーフィニッシュですが、あれはトップラッカーと言って下地がポリになっています(もちろん悪いわけはないです)。また、1960年のギターであれば60年経過しているわけで、当然経年変化をしています。その変化を再現しているモデル(RELICといいます)も多数あるところもマニアごころをくすぐられます。
もうそこまでこだわるならヴィンテージでよいのではということも考えますが、
・新品なので電装系やフレットなどプレイに関わる部分が安心できること
・指版Rが9.5インチになっていたり、ストラトであればピックアップセレクターが5-wayになっていたりとプレイングがしやすいスペックに変更されていること
・ヴィンテージに比べると安いこと(1/4くらい?)
などの違いがあります。
ラッカーギターは音がいいなんてのも言われたりしますが、弾きこむほど塗装が剥がれてくるので愛着が湧く一本になると思います。
またまた余談ですが、Custom Shop 製品は大半が Stratocaster、少し Telecaster、たまに Jazzmaster, Jaguar という割合です。
mustang はまずありません。だって同じ値段でヴィンテージが買えてしまうからですね。
往年のロック
ジミ・ヘンドリックスやエリッククラプトンなどのギターヒーロー達はもちろんその当時売っていたギターを使っているわけで、それはもう半世紀ほど経過しているわけです。だからこそヴィンテージギターは大変価値が出ていると思うのですが、そのギターでしか出ない音というのはやはりあると思います。
Custom Shop 製のものは経年変化こそ人工的に作られているとはいえ、ボディの材や構造は基本的に同じなので、新品で手に入るギターでいうと一番らしい音がします。
ですので、現代というよりは一昔前の音楽の音がしみる人はぜひ弾いてほしいです。
もうちょっと深掘り
楽器屋さんに行った時、 Custom Shop のラインを知っておくとさらに楽しめます。
Custon Shop 製品は チームビルド と マスタービルド に分けられます。
基本的に Custom Shop というとチームビルド製を指していて、これはいろいろな職人さんがそれぞれの部分を担当して作り上げるギターになります。
対してマスタービルドは、特に選ばれて職人さんが一人で一本のギターを作ります。なのでそれぞれのギターは職人さんの個性が出たものになり、単なる Reissue とは違った面白さがあります。マスタービルドの場合はちゃんと製品名に名前がついているのでわかります。
あと、値段も100万円以上になることも多いのですぐわかります。
どこに行ったら買える?
さて、ここまで読んで興味を持たれた一握りの方々は、試奏をしたくなっていることでしょう。
こればかりは一期一会ですので、デジマートで是非検索をして、オッと思ったギターが置いてある店に行くのがよいです。
そうでなければ、基本的に大手楽器店(ロックイン、クロサワ、イケベなど)には置いてあるのでふらっと行くのもいいかもしれません(感染症対策はきちんとしましょう)。
東京は御茶ノ水であれば、ギタープラネットかクロサワがおすすめです。
バツグンに数が多いですし、店員さんの知識も豊富です。
私は幾度となくギタープラネットに足を運び、今の一本を買いました。
一度手に取って、その作りの精巧さ(かつ、ある種の雑さ)と素晴らしい音を体験してほしいです。
↓おすすめの動画
まとめ
Fender Custom Shop のギターは最高なので店に行って弾いてみてほしいです。
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次回は機材紹介です。
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