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エフェクターボードは大きくなったり小さくなったりする。

ロックバンドをやるのに必要なもの。
セックス、ドラッグ、ロックンロール。
…というわけにはいかないこの令和の世の中、何が必要か。
とりあえずギタリストならギターはあった方がいいでしょう。
電気式ギターの音を出すためにアンプもマストですね。
漢ならこれだけで勝負したいものですが、まだこの境地に達していない私はエフェクターというものを使います。

こういうの

これがギターの音を変化させ、かっこいい音やおもしろい音が出るようになります。
一つひとつ役割が違うので、これらをいくつか組み合わせて、操作や運搬がしやすいように板に固定します。これをエフェクターボードといい、ギタリストやベーシストは個性を出していくわけですね。
私も高校生の頃からいろんなエフェクターを使ってきました。ボードもいくつも作りました。
今日はそんな過去を振り返りつつ、最新の「ぼくが考えるさいきょうのエフェクターボード」を紹介します。

大きいボード、小さいボード

そんなの人の勝手。
当然、使うエフェクターの数が多ければボードは大きくなります。その分ボードは重くなるし、かさばる。
あとエフェクターって意外とお金がかかるので、それをたくさん集めるのは大変。
そこで理想と現実のバランスを取っていくわけですが、時期によってボードが大きくなったり小さくなったりするのです。

2020年

2020年のボード

まずこれが2020年のボード。8つのエフェクターがあります。

  • (チューナー) TC PolyTune mini

  • (バッファ) Fender LevelSetBuffer

  • (オーバードライブ) BOSS OD-1X

  • (ブースター) OneControl LittleGreenEmphaser

  • (ディストーション) RogerMayer VooDoo-1

  • (ディレイ) MXR CarbonCopy

  • (コーラス) BOSS CE-2W

  • (ディレイ) electro-harmonix MemoryBoy

ディレイが2つあるし、ブースターの位置がよくわかりません。
まあこのディレイには意味があって、用途が異なります。
写真の設定だと、カーボンコピーがショートディレイ、メモリーボーイがロングディレイになっていますね。
ショートディレイはギターソロや鳴っている楽器が少ないパートでかけることで音に厚みを出します。
ロングディレイはいわゆる山びこのような効果をかけて、アンビエントな雰囲気を作ります。
曲の間で設定を変えるのを嫌った結果、ディレイが2つになったんですね。ロングディレイはコーラスの後に置いてディレイの効果を強調しているのがわかります。

それにしても、バッファが場所を取る割に効果が薄い気がしますね。重いし。
案の定これはまもなくメルカリで手放すことになります。
バッファはチューナーにあるやつを使うのがいいと気づくのはまだ先の話。

このボードのイチオシエフェクター

OneControl LittleGreenEmphaser

リニューアルして見た目が変わった


https://www.onecontrol.jp/products/one-control-little-green-emphaser-1

小さいし、効果も小さいけどハマるやつ。
ブースターにも種類があるけど、これはトレブルブースターの仲間。
ギターの音量をでかくするのではなく、聞こえやすい音域を持ち上げて存在感を出していくというもの。
ソロの時に踏んでいたけど、ずっとかけっぱなしでもいい。ベースでも使える。
筐体が小さいのでボードに入れやすい。
あまり使ってる人いないけど、おすすめです。

2022年

2022年のボード

ボードのサイズは変わってないけどエフェクターが変わりました。

  • (チューナー) PolyTune mini

  • (ワウ) Xotic XW-1

  • (ブースター) OneControl LittleGreenEmphaser

  • (オーバードライブ) BOSS OD-1X

  • (ディストーション) electro-harmonix BigMuff Ram’s Head

  • (コーラス) BOSS CE-2W

  • (ディレイ) MXR CarbonCopy

1ディレイになり、ディストーションがビッグマフになり、ワウが入りました。バッファはなくなりました。

なぜこうなったかというと、「出したい音をわかりやすくする」ことが目的でした。
例えばギターソロをする時にはブースターを一発踏めばいいし、ディレイをかけたいときはカーボンコピーを踏めばいい。
基本的によく踏むエフェクターは手前に持ってくるようにしています。
このころはオリジナルのバンドの活動もなくなり、コピーバンドをやるようになっていたのも音色に反映されていると思います。
音質のこだわりよりも何をしているかわかりやすい音を優先したボードでした。

このボードのイチオシエフェクター

Xotic XW-1

サウンドハウスより引用

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/199546

ワウペダルもいろいろ試しましたが、これがいいです。
まずトゥルーバイパス。OFFの時も音が劣化しません。
次にサイズ。クライベイビーやVOXより一回り小さいので、エフェクターボードの3列分で乗ります。
最後に音。効きが強いので、ワウで何かやってることをアピールしやすいです。
ワウの中では高価な方だと思いますが、ワウ探しの旅に終止符を打ってくれたという点ではむしろお得でした。
ちなみにKing Gnuの人も使っていたり、お茶の水の楽器屋さん(フェンダーコーナー)でおすすめしてもらったりと世間的な評価もされています。

2023年

史上最大

ここに来て倍くらいのサイズになりました。
本当は4レールのものを買うつもりだったけど、メルカリでよく見ずに買ったら5レールでした。
ならばということでボードに合うように組みました。
前回のボードと最大の違いはスイッチャー(一番手前のスイッチがたくさん並んでるやつ)の導入です。
これにより、一つのスイッチを踏むだけで一気に複数のエフェクトを切り替えることができるようになりました。
以前のボードだと、「オーバードライブを切り、ディストーションとコーラスをオンにする」という場面で3回も操作が必要だったのに対し、スイッチャーを使えば1つスイッチを踏むだけでその操作が完了します。

上段右から

  • (ジャンクションボックス) OneControl Minimal Series Pedal Board Junction Box

  • (ブースター) OneControl Little Green Emphaser

  • (オーバードライブ) BOSS OD-1X

  • (オーバードライブ) BOSS BD-2W

  • (コーラス) CE-2W

  • (チューナー) PolyTune 2

  • (ワウ) Xotic XW-1

  • (ディストーション) RogerMayer VooDoo-1

  • (ディレイ) TC Flashback Triple Delay

  • (スイッチャー) OneControl Chamaeleo Tail Loop MkII

多い!
ボードが大きいと、セッティングに時間がかかってはいけないのでギター、アンプと接続する場所をわかりやすくする方がいいです。そのためにジャンクションボックスというのを使って input/output を固定しています。
あと、オーバードライブが増えました。ブルースドライバー。
後藤ひとりさんが使っているというのもあるけど、高校の先輩だったり会社の先輩だったり上手い人やエモい人が大体使っているものです。これを使うとかっこいい音が出るのはわかっていたし、ブルースドライバーの音になってしまうのが嫌で敬遠していたけど、やっぱりいい音がするし、なにより新しく買ったレスポールとの相性がよかったので導入しました。
ゲイン多めな曲はこっちで、控えめな曲は今まで通りOD-1Xと、2つのオーバードライブを使い分けるようにしました。

ディレイがめちゃ大きくなりました。トリプルディレイの名の如く、3つのディレイがあります。
やはり曲で違うディレイを使い分けたいという需要があり、複数のパッチが用意できるものを探してこれになりました。結束バンドにも「フラッシュバッカー」という曲があり、フラッシュバックという名前のディレイを選んだところもあります。
ディストーションは今まで出てきた BigMuff も場合によって入れ替えて使っていました。
また、ボードに余裕があったのでチューナーはでかくなりました。

案外結束バンドの影響を受けているボードですね。
それはともかく、いかんせん重く、おそらく10-15kgくらいはあったと思います。
基本的に車移動でしたがそれでもしんどく(ギターも4kg超えだし)、短命に終わります。

このボードのイチオシエフェクター
One Control Chamaeleo Tail Loop MkII

サウンドハウスから引用

なんといっても主役のスイッチャー。
サイズがコンパクト、設定しやすい、踏みやすい、丈夫、見やすい、安い。
5種類の設定x3パターンは十分で1ライブくらい余裕です。
あとこういうやつってでかくてスペースを取りがちだけどボードの1レールに収まるのが大変優秀だった。

最新のボード

最新最強ボード、できました

コンセプトは、「このボードでなんでもやる」。マルチエフェクター(後述)+スイッチャーであらゆる音が出せます。
ボードは前々回と同じサイズに戻りました。ちなみに処分していたので、買い直しています。

前回、スイッチャーの素晴らしさを実感した私ですが、不満もありました。
ボードがでかすぎる。そのわりに、使えるエフェクトが少ない。
例えばトレモロを一発だけ使いたい曲があったり、フェイザーを使いたい、ピッチシフターがあったらいい…
じゃあそれぞれのエフェクターを用意するのかというと、もっとボードがでかくなってしまう。
そこで思ったのが「マルチエフェクターが必要!」。

マルチエフェクターとは、一つの筐体でいろんな音を出せるエフェクター。
でも、スイッチャーは使いたい。歪みエフェクターはマルチにないものを使いたい。
そこで、MS-3です。

BOSS MS-3

スイッチャーにマルチエフェクターが内蔵されているものです。省スペースだし音作りの幅も広がる、まさに求めていたものです。
ちなみに、後藤ひとりさんも使用しています。

後藤ひとりさんのボード

MS-3 にするかどうかは結構迷いました。
古い機種だから新型が出るかもしれないとか、昔のBOSSは音がよくないとか、設定がめんどくさいとか、ネガティブポイントがあったからです。
実際、バッファがよくなく、こもった音が出てきます。リバーブを薄くかけてスタジオに行ったら全然音が抜けなくてビビりました。
まあそれは学んで設定を改善していくしかないですし、コンパクトになっという物理的なメリットが大きいので今のところ正解です。
ただ、コンパクトすぎるゆえ、よく隣のスイッチも間違って押されてしまうのが難点です。訓練でどうにかなるのか…?

歪みたち

歪みエフェクターも変わりました。
右から

  • (ブースター) BOSS BD-2W

  • (オーバードライブ) JHS THE BONSAI

  • (ディストーション) flyingteapot Rum and Coke

ブルースドライバーことBD-2、今までは歪み量を多くしてメインのオーバードライブとして使っていましたが、世間的な評価はどうも違うらしい。
音がジャリジャリしすぎる、聞き飽きてつまらない、など…
その代わり、ゲインを下げて音量だけ上げる、ブースターとして使う場合の評価が高かったのでした。

そうして苦しみながらもBD-2をブースターにしたものの、メインの歪みをどうするということになりました。
一旦今まで使っていたOD-1Xを使っていましたが、優等生すぎてつまらない!となり、この度めでたく新しいエフェクターを迎えることになりました。
緑色の、JHS THE BONSAI です。
オーバードライブといえば、BOSSかIbanezか、というイメージだったので次に買うなら TubeScreamer にしようと思っていました。ただ、見た目がイマイチ気に入らなくて買ったことがなかったのです。

Ibanezのサイトから引用

その点、THE BONSAI は盆栽だし、いい緑色だし絵がかわいいということで買いました。
しかも、9つのモードがあるのでやる曲や使うギターによって設定を変えやすい。
新しい、高級ブランドのJHSなので音もオリジナルよりモダンになっていて現代の曲に合いやすい。
なども決め手です。

まあそもそも、TubeScreamer もブースターで使う人の方が多いと思います。
マジであらゆる高価な歪みペダルをブースターとして使いたがる界隈なんなんだ。。

なんなんだの答えはわかっていて、メインの歪みはアンプで作るから、なんですね。
後藤ひとりさんもそうで、ブルースドライバーをブースターとしてつかっているはずです。
でもそういうのが出来るのって、

  • 家にスタジオで使うようなアンプがある人

  • 常にスタジオでレンジしている人

のどちらかでないとできないと思っているので、私は「メインの歪みエフェクター」を持ち続けています。

さてディストーションも変わりました。
Rum and Coke。まつだひかりさんによる羊の絵が可愛くて、昔から欲しかったものです。

公式サイトより引用

BigMuff のラムズヘッド系なので、今まで持っていたものとほとんど同じです。
BigMuff、結構使いづらいので訓練が必要です。後藤ひとりさんと同じ RAT というエフェクター(丸の内サディスティックにも出てきます)に変えるのもアリだったけど、あまりにも後藤ひとりボードになってしまうのでやめました。

電源

パワーサプライ、といいます。エフェクターは電気で動くので、それを供給するものも必要です。

Strymon ojai

これ一つで25000円以上します。
一つで5つのエフェクターに供給できます。
8個とかあった時代はこれを2台使っていました。

そんなにエフェクターを買ってどうするの?

…。

雲田イチロウ先生の次回作にご期待ください。

おわりに

エフェクターって金属の箱に入っているし、踏まれることを想定しているのでとても丈夫です。
しかも日本のアマチュアが使う回数なんてたかが知れているので、ずっときれいなままです。
ということで、私はエフェクターはほとんどメルカリで買っています。売ってもいます。
今紹介したものってほとんど定番なので、発売から時間が経っても値下がりしないので、売ってから買う、とかをすると案外持ち出しが少なく済んでいます。特にボードを小さくする時なんかは実質無料で組み直せたり…

というわけで、沼の入り口をお見せできたかと思います。
興味が出た方はYouTube、メルカリ、デジマートで検索する日々を始めましょう。もちろん楽器屋さんもいいです。

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