外見至上主義=ルッキズムへのマインドセット
外見至上主義。ルッキズム。
最近良く耳にする言葉。
耳にする度に、心がザワザワする。あ〜嫌な言葉、と思う。
実際、私は自分のルックスに対してコンプレックスが多い。鼻の低さ、顔の骨格の大きさ。写真で見れば、意識したくなくても意識せざるを得ない。幼少期や学生時代には、悪気の有無は分からないが、心ない言葉をかけられたこともある。
自分の外見を少しでも好きになりたいからこそ、努力もしてきた。我ながら涙ぐましい努力の成果もあって、今の自分のルックスは割と好き、って言えるところまで来た。
"美人は得"
"良い見た目の方が、より良い人生を送れる"
そんな考えが物心がついた頃にはもう根付いていたように思う。そして、日本で義務教育を終え、大学に進学し、社会人になって、その考えは徐々に薄くはなっていったものの、完全に無くなることはない。
だって、鏡や写真で自分を見て、「スタイル悪いな、可愛くないな、私」とか、雑誌で見た可愛い服を試着しても、「え、全然似合わないじゃん…」ってなったり。自分のイマイチな見た目が起因して、自分を嫌いになるタイミングって結構ある。
美人の方が、そうやって自分が嫌になってしまう瞬間、少ないでしょ。そりゃ自己肯定感を高く保てるに決まってるじゃん。
それから、日本の社会には、ルッキズムを助長する風潮が強くあると思う。
ミスorミスターコン、日本一可愛い高校1年生、日本一かわいい中学1年生(!)等々、見た目の綺麗さを評価するコンテスト。
"美人すぎる"〇〇、"イケメン"〇〇、という文句で視聴者の関心を引こうとするメディア。
そういったものを見て育ってしまったら、「綺麗な見た目をしていることで、周りの人に関心を持ってもらえるんだ、ちやほやされるんだ」と、強く信じ込んでしまうと思う。特に若い世代の学生は。
イギリスのとある教授が行った調査では、
「全世界の18歳から21歳の女性の90%弱は、ある程度外見がパーフェクトであることが大事だと感じている。」
という結果が出たらしい。日本だけでなく、世界中でルッキズムは根深くはびこっているのか・・。
※出典: VOGUE https://www.vogue.co.jp/change/article/words-matter-lookism
一方で、"好きな見た目" "見た目のタイプ" というイメージが誰しもあると思う。異性に対しても、同性に対しても、はたまた犬や猫に対しても。
- 目は垂れ目の人が良い、目が切れ長な人が良い。 -
- 筋肉質な人が好き、細身の人が好き、ぽっちゃりしてる人が好き。 -
逆を言えば、"嫌いな見た目" のイメージもそれぞれが持っていると思う。
見た目が好みの相手には興味が湧く、恋愛感情を抱きやすい。
そういう人はとても多いと思うが、もうそれは、本能的なもので、食の好みと同じ性質のものではないかと思う。
そして、より多数の人が好みだと思う見た目を持っている人が、小さい世界で言えば、同じクラスの異性からモテる。ここまでは抗えないことだと思う。ただ、メディアで過剰に取り上げたり、前述のコンテストのような場で評価されたりすることで、そういった思想を広めてしまうのはやはり違うんじゃないかと思う。
・家族であれ、恋人や友人であれ、はたまた一方的に知っている芸能人であれ、どんな対人関係においても、相手の容姿に対してネガティブなことを言って傷つけることは許されるべきではない。傷つけた人間が大なり小なり罰は受けることは当然。
・メディアなどで、取り立てて容姿を褒めるような内容を世に出さないよう、規制をする。
・将来を左右する場面で、容姿が原因で不当な扱いを受けるようなことはあってはならない。例えば雇用の場などでは、証明写真の提出を求めずに、会う前に容姿によって合否を決めるようなことはしてはいけない。
社会の風潮を変えていくには、こういったルールの改正が必要だと思う。
だが、「よし、私がそんな社会を変えよう!」と思っても、ハードルがたくさんある。行動を起こし、いつか実現する可能性もゼロではないかもしれないが、そう簡単なことではないし、途方も暮れる時間がかかると思う。
ましてや、2021年に「日本一かわいい中学1年生」コンテストの開催が始まってしまうような国では、外見が人の価値に大きく影響するという思考はまだまだしぶとく残るんだろうと思う。
だから私は、この風潮や、こういった思考を持っている人々を上手く交わして、外見にこだわらず自分を幸せにできるマインドを常に持っておきたいと思う。
・まず、思考は人それぞれであることを受け入れ、相手の思考を変えようと思わないこと。外見の美しさに比較的高い価値を見出す人は一定数いることを受け入れた上で、極力関わらない。
・あくまで自意識にとどまる、他人の言動に起因しない範囲の外見に関連する劣等感は、自己解決すればいいし、そうするしかない話。
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●おまけ
ミスコンのような、主に外見の美しさが評価基準となるコンテストに対しては、なぜ否定的な印象を持ってしまうのだろう。
スポーツや音楽で競うことには、否定的な声はあまりなく、むしろアスリートやミュージシャンは、多くの人から尊敬される。
ルックスだって努力で磨けるものであって、その努力は誇って良いものであるはずなのに。
誰しもが何かしらのコンプレックスを抱えていて、出場者の外見的な美しさを、素直に賞賛できないからなのだろうか。