ヘアスタイル記録サービスを自作してみた
1年に1回課題を解決するアプリやサービスを考えるという事を個人的に行っています。
2022年はワーケーションで出かけた東京都の大島で感じた課題から船の運行スケジュールをLINEアプリ上で確認できるツールを作成しました。
2023年は年始期の休み期間を利用して、へサロンに関する悩みを解決するWebサービスを考えてみました。
ヘアサロンに長年抱いていた個人的な悩み
きっかけは個人的な課題だと思っていたヘアサロンに関する悩みからでした。「丁度良いヘアサロンが見つからない。」という悩みです。
実家では子供の時からお世話になっているヘアサロンに10年以上通っていました。特に要望も無く全てお任せしていました。
東京で生活するようになった途端、ヘアサロン難民になってしまいました。
特定のヘアサロンに決めてもしばらくすると気になる点が出てきて、辛くなるとお店を変えたくなり、年2〜3回位変えてます。
どの様な事が気になるかをいうと…..
カットやカラーに変化が無くなってくる
常連になると何かにつけて値段を上げる交渉をされるのが辛い(賃料、人件費、客単価が気になって価格交渉を断れない)
どのくらいまでお金を出せそうか、やんわりと探りやお願いを何度もされるのが辛い
常連になるとサービスが適当になってくる(洗い方が適当になる、カラーにムラが出てくる)
スタイリストのテンションや内容に合わせて答えてるのに、途中から受け答えが適当になるのでそれだったら、黙っておいてくれたら良い
友達に相談すると、気を使いすぎだと言われるので、私の意見は少数派なのだと思います。
少数派ながらも、ヘアサロンに不満を持っている人はいる!?
仲良くなったヘアスタイリストさんにヘアサロンに対する悩みを相談したところ、少数だがそういった顧客は居るのでは無いか。というコメントをもらいました。
彼女の勤めているサロン(池袋)ではリピート客の半分が、ヘアスタイリストの指名ありと指名なしに分けられるそうです。
そして、ヘアスタイリストの指名なしは、指名ありに比べて何かのきっかけで突然来なくなる確率が多いという事を伺いました。
一度指名をつけてしまうと、不満を持った時に行動におこしにくいため、あえて指名なしにしてサロンに通い続けているのでは無いでしょうか?
勿論、いろんなスタイリストさんで試したい。指名料を払いたく無いなどの理由もあると思います。
OZmallが「行きつけのサロンについて」という女性をターゲットにした調査では、約10%が行きつけのサロンに不満を持っているそうです
お薬手帳のヘアスタイル版はないのか?
お薬手帳をしっていますか?多くの方は薬局などで作ってもらい持っていると思います。近年ではアプリも複数出ており使用している方も多いかとおもいます。
お薬手帳の良さは、なんといっても過去の記録から初めての薬局でも適切な処方をしてもらえることではないかと思います。
私は、鎮痛剤としてロキソニンを処方されると胃が痛くなります。お薬手帳が無いと毎回説明をしなければなりませんが、お薬手帳があることで、初見でも「胃が痛くなりにくお薬と、胃薬をセットで出しますね。」と言ってもらえます。
多くのヘアサロンでは、カラーやパーマ情報以外はサロンのカルテに情報が残ってない事が多いです。同じサロンなのでカット情報が共有されていると思い、「前回と同じにしてください。」と頼んでも全く違うものが出来上がる理由がこれだと思います。
また、過去に行った施術で髪状態が変わってしまう事があります。例えば、カラーリングとパーマの関係です。過去にブリーチをしているとパーマがかかりにくくなるそうです。
「ブリーチしましたか?」と言われてもポイントカラーでブリーチする場合は、ブリーチという言葉を使わないスタイリストさんもいるので、ブリーチしているかどうかもわかりません。
もし、お薬手帳の様な自分のヘアスタイル記録があれば、過去の記録や写真から気づいてもらえたり、好きなカット・嫌いなカットが伝えやすくなるので「イメージとは違う。」という差は埋められるのかと思いました。
ヘア記録サービスを探したがなかった…..
ヘアスタイルを記録するというサービスやアプリは、現状ではありませんでした。
InstagramやTwitterが近いので非公開で使えば近そうです。
Googleスプレッドシートや、ドキュメント、notionの様なものでも記録は残せそうだと感じました。
とりあえず作ってみる
時間があったので勉強も兼ねてとりあえずWebサービスとして作ってみました。
作る前に、譲れない機能(この機能が無いとサービスが成り立たない)、あったら良いけど無くてもいい機能(サクッと実装できれば入れるけど難しければ入れない)、初期構築ではやらない機能(実装楽でもやらない)の3つに分けて機能を出してみました。
譲れない機能
画像がアップロードできる
メモが残せる(スタイリストから聞いた事、カット数週間後の質感などを追記できる)
自分の評価(悪い、普通、良い)
日付
あったら良いけど無くてもいい機能
複数枚画像がアップロードできる
スタイリストページ(どんな人か、SNSアカウント)
来店日、更新日の同時
初期構築ではやらない機能
お店情報ページ
スタイリストの実績(写真)を表示
ソート順変更機能
カット周期から来店リマインド機能
カット写真一覧
全体構成
JavaScriptのフレームワークであるSvelteを採用しました。
本当は、少しでもかじった事のあるVue.jsを使いたかったのですが、Vue.jsはやっぱり私にはちょっと難しいという所がありました。大規模な開発案件や、エンジニアとデザイナーが相互に必要なところに手を加えるプロジェクトではVue.jsかと思いますが、個人開発の規模&1から10まで一人で行う事を考えるとSvelteが良いとなりました。
触ってみた感想としては、コンポーネントの基本構造がVueと似ているので、Vue.jsを使っている人は違和感なく始められるのではないかと思います。
ただ、Svelteの情報はまだあまりネットにない事と、UIコンポーネントライブラリがVueほどはないので、一丁一旦はあるのかと思います。
バックエンドはFirebaseと、Vercelというサービスを利用しています。どちらもテストであれば無料枠内で利用できます。
特に、VercelはGithubからデプロイできるのでめちゃくちゃ便利でした。
ヘアスタイル登録(動画)
実際にヘアサロンで使ってみた感想
期待せずヘアサロンでつかってみました。
毎回、面識のないスタイリストさんになるので、通常「どうしたいですか?」みたいな話しになります。
今回は、前回の写真を見せて「この位の短さが理想だけれど、伸びてきた時に跳ねるのが気になる。」と伝えた所、イメージに近い感じに仕上げてもらいました。
ただのヘアスタイルを記録しているだけのものなので、効果は期待してなかったのですが、一緒に過去スタイルの傾向をスタイリストさんと確認する事で、納得感の高いカットをしていただけた様に思います。
何がよかったのか?
髪型を記録する事で何がよかったのか?改めて振り返ってみました。
写真を残す事で客観的に見れる様になった(今までは自分の髪型について客観的に見れていなかった)
客観的に見れた事で、似合う髪型がわかり適切に伝えられる様になった
基準(写真)がある事で、ヘアスタイリストとのすり合わせ確度が上がった
ヘアカットの世界には曖昧な言葉で溢れているように思います。「少し変えたい」「少しカットしたい」「伸びた分を切りたい」など。
過去やその人の認識を知らないとどうしても認識がズレてしまう様に思います。ヘアスタイルを記録して過去の基準をお互いに確認する事で、認識を合わせやすくなると感じました。
また、写真を並べる事でカット技術の差が一目瞭然でした。同じ様にカットしてもらっても、大きな違いがあるとわかりました。
これからどうするか
個人的には良かったと思ったので、もう少し作り込んだらβ版でもリリースできればと思います。バックエンドは難しいのでエンジニアさんの力をかりるかもしれませんが….
また、今回ヘアサロンに行く側のサービスとして考えましたが、ヘアサロン側のサービスとして提供した方が、価値があるのでは?とも思いました。サロン側の視点からも考えてみる必要があると思います。