Xデザイン学校2022マスターコース|近郊都市や地方課題についてのインタビュー(1)
2022年の5月からXデザイン研究所の「Xデザイン学校」のマスターコースで学び始めました。
Xデザイン学校自体は2017年の頃から存じていたのですが、授業料がお給料1ヶ月分以上という金額だった為、当時はあきらめした。
確か、授業終了後に台湾研修旅行があり、うらやましいと思った事を今でも覚えています。
フリーランスとなってしばらくはディレクター職が多かったのですが、2019年頃からデザイナー職でのご依頼も頂ける様になり、2021年には新サービス立ち上げのメンバーにアサインいただきました。そこで初めてユーザーインタビューを行わせて頂く機会に恵まれました。
その時に、ユーザーインタビューを行った事で、自分の中でもやもやしていたユーザー増がぱぁ〜とクリアになり、共通のユーザーイメージをメンバーと共有する事で、チーム力も増すという、奇跡の様な経験をしました。
当時の経験は下記でまとめてみました。よろしければご一読ください。
ユーザーインタビューが日常的に行え、ビジネスとユーザー両面を見ながら仕事に取り組みたい!と考えていた所、現在仕事をご一緒している方から、「人間中心設計推進機構」と「Xデザイン学校」を紹介されたのがXデザイン学校に入学した経緯になります。
ご紹介を受けた時には、既に人間中心設計推進機構の募集は閉じており、丁度、Xデザイン学校は募集期間前だった事も大きな要因でした。
やはり、勢いが大事ですからね。
Xデザイン学校の講義1回、2回は座学がメインでしたが、3回目位からはチーミングを重視したワークショップ内容になり、そこで決めたチームのビジョンが、下記です。
「将来ありたい世界はどんな世界か?」をそれぞれメンバーが書き出し、キーワードに分解すると「自分らしさ」「自己実現」「自分独自の価値感」「創造性の発揮」「自由」「抑圧からの解放」が出てきました。
そこから共通のビジョンを導きました。
チームのビジョンを決めた上で、サービスデザイン提案の課題「近郊都市や地方の社会課題を考慮したビジネス提案」に取り組むことになりました。
しかし、「近郊都市や地方の社会課題」と言われても、そもそも近郊都市と地方の課題感の違いすらわからない状態でした。
私と、もう一人の方が地方出身で、地方から都会に出た時のギャップを共通で感じていたことから、「もしかすると、都会から地方に移り住む方も同様にギャップが存在するのではないか?」という仮説が出てきました。
そこで、自分達の周りにいる移住をされた方にユーザーインタビューを行い課題を見つけていこうとなりました。
4回目の講義終了後、全員で一緒にユーザーインタビューを行ったり共有したいと思っていたのですが、皆さんお時間が取れず、各自取り組む事というチームの方針になりました。私は初めての様な状態でしたが、とりあえず当事者に話を聞かないと始まらないと思い、移住した側の意見と移住される側の両方の意見を聞きに行きました。
インタビュー目的
地方に住んでいる人の課題を明らかにする。※地方ならではの課題
インタビュー概要
対象:地方に移住しているorしていた方(年齢20代〜60代※60代以上になると、働く概念がなくなるので対象と外れる可能性がある。)家族構成は単身、家族ありどちらでも
場所:可能なら対面、NGならオンラインで。
内容等:なぜその土地に移住したのか、なぜ移住したのか、地域で感じる課題感、解題を解消するために行った取り組み
移住者インタビュー
T.Aさん(IT企業勤務:妻、子供2人)
移住を考えるようになったきっかけは、東京は人のキャパを超えている様に感じることが多くなったこと。(大雨などで都市の機能が麻痺してしまう)
移住自体はやんわりと考えても実際に行動に移したのはコロナ禍のリモート勤務があったから。
東京だと土地に対する縁が薄い感じがする。家族ができた事で土地に密着した人間関係を築きたいと思う様に価値観が変わった。
知らない人が単にそこで暮らしているというわけではなく、知って居てなしかしら関係を持っている人達と暮らしたい。
土地に関する濃い人間関係を求める一方で近すぎる関係性はいやだ。
移住は夫婦の地元で考えていた。1から移住先を決めようと思うと色々な選択肢が無限にあるので大変だと思う。
地方だが大きい都市に移住し、繁華街からも近いところに住んでいると、あまり東京と変わらないと感じる。また普段はリモートで仕事をしているので地域の人との繋がりはない。
東京に住んでいた頃と変わった事は、車を購入したので週末家族とちょっと遠出する事。普段家から出ないのであれば、どこにいても同じでは無いかと感じる。
移住者インタビュー内容から感じた事
地域特有の課題感は移住直後では見えにくい。長く住み、地域の人とコミュニケーションが無いと見えずらい。
移住と言っても政令指定都市の中心部に移住では、都心と変わらない日常がある(移住によるギャップが起こりにくい)
密接な地域住民との関係性を求めながら、一方では距離を置いた関係性を求めている(自分のプライベートまで入られたく無い)
自治体側インタビュー
某市の移住推進課職員 & 移住コーディネータS.Eさん
現在の移住総数は把握できていない。定住者補助金制度を利用し、他地域から移住した数であれば把握しており、2019年39世帯、2020年26世帯、2021年38世帯という数で推移している。
移住者の内訳を見ると、0歳〜14歳が多い、次いで30代が多くファミリー世帯での定住が主ではないかと推測できる。
移住者の継続的な支援などは行ってなく、課題感についても移住者が自発的に相談に来ないと認識できない。
移住の相談に来られる方は、ほとんどは移住する事が決まっている。既にご自身で賃貸などを借りているが、地元の不動産以外の選択肢を知りたく相談に来られる方や、定住支援や、サポートなどを詳しく聞きたい方がほとんど。
移住者が抱える課題感というより、移住される側の課題はあると思う。 現状に焦っている高齢者と、早く出て行きたい若者。両者の溝が埋まらず、結果として両者が諦めていると感じる事がある。 そのような状態で移住者を受け入れてもうまく行きにくい。
自治体インタビュー内容から感じた事
移住支援については金銭面しかサポートできていないようだ。
移住支援の支援内容が中古物件新築物件購入時に補助が出るというものなので、申請数は少なくなるが市の総人口に対して移住者数は少ない様に感じる。
もともと地域の課題があり、地域ぐるみでオープンに移住を受け入れられていない様に感じる。
インタビューをうけての次のステップ
都市から都市に移住するとあまり生活のスタイルが変わらないと感じました。そこには人が介在していないからだと感じました。次のステップとしては、もう少しその土地の人を関わりを持つ移住をした方にインタビューを行ってみようと思いました。
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