少し痩せただけでマウントをとってしまう話
最近、マウントをとってしまう。
ドラマやテレビの体験談で、「マウントとか現実でしてくる人いるんだ~」という、どこか他人事な気もちと、違和感と、すこしの興味を抱きながら、それらを見ていた。
マウントの何が楽しいのかわからず、一時期の座右の銘は
『マウントとるなら、相撲とれ』だった。
そんなほかならぬ私が、最近とってしまうのだ。マウントを。
なぜわたしは急にマウントをとってしまうようになったのか。
答えは、体重が3キロ痩せたからである。
じつは、今年の4月ごろから本格的に痩せることを決意した。
痩せたいという気もちは、私の中に常にそっと寄り添っていて、運動も不定期に頑張っていたが、痩せては太って、また痩せては太って……という、健康である心電図のような日々を繰り返していた。
そして、なぜかスイッチが入り、ダイエットを本格的に頑張りはじめて9月。3キロの減量に成功した。本気度を上げ、筋トレ以外に、食事内容も無理のない程度で気をつけた。ダイエット同盟を組んだ友人に、食事内容を毎日報告したりもした。体重が落ちるペースはカメさん並みだが、大学時代から現在までで一番細くなった。
加えて、今までで一番健康的に痩せれた気がした。
そしてここから、人生が楽しくなった。
社会人になっても現役並みに続けているバドミントンでは、動きも前よりだいぶ軽くなった。「よくそんな動けるね~」と初めて会ったおじちゃんに言われたのだが、「いやいや~」と言いながら、「だって3キロ痩せたからな?!」と思っていた。誰もそんなこと聞いていない。
続けて9月のなかばに、髪を3、4年ぶりにばっさりとショートにした。そこでも、Let's マウンティング。内心、髪をばっさりと切ることにかなりドキドキしていたが、出来上がりを見せてもらうと、とてもいい感じに仕上げてもらっていた。すごくいいですね~と美容師さんと盛り上がったのだが、そこでも私は「3キロ痩せたから似合うに決まってるじゃん!」と思っていた。
美容師さんの腕前が良かっただけだ。
日常生活においても、マウントを取り出した。歩道の幅いっぱいに広がっている男子大学生3人組や、歩道を逆走するチャリに対しても「こっちは3キロ痩せたんですけど?!」と、譲らない精神を強く持ち、真正面から立ち向かっていくことができるようになった。
ただの当たり屋だ。
そんなこんなで、マウントをとるのも悪くない、と24年の人生で初めてそう思った。
痩せることで、マウントが取れるくらい人生がさらに楽しくなったので、年末までにあと5キロ痩せようと思う。
ここからは余談だが、じつは心配もある。このマウントをとっていく感じで5キロ痩せたら、今よりも強気に出てしまいそうだからだ。わかりやすい例でいくと、鬼滅の刃に出てくる「お前も鬼にならないか」が名ゼリフの猗窩座さんだ。
かれは、いちおう拒否権もあるかのように相手に聞いておいて、じつは相手の気もちはお構いなしに、相手を鬼にする気マンマンなのである。あの場面をそんなに読んでいないのでわからないが(読んでないんかい)、見た感じそうっぽい。そんなふうに、マウントを越えて強めの提案をしてしまう人間にわたしが変わってしまっていたら、その時は近くにいる人がわたしを止めてくれ。
引用サイト 鬼滅の刃公式Twitter より
ということで、今回の話は終わりなのだが、わたしみたいにちょっと痩せて、
みんなもマウントを取らないか?
PS.前回の記事からちょくちょく鬼滅の刃ネタが出てくるが、ここだけの話、全巻は読んだことはない。しかし、この前放映されていたアニメを見て、話をほぼ知らないのに泣きそうになってしまうくらい、鬼滅に対して前のめりな気持ちではあることを皆にはわかってほしい。