みんなとブランドをつなげる — こだわりをつめこんだキックオフのコミュニケーションデザイン
こんにちは。
現在、AI x SaaSのスタートアップStockmarkのブランドコミュニケーションを担当しています。そんなStockmarkは先日、第6期のキックオフを開催しました。テーマは「つながる」。
今回は、こだわりをつめこんだギフトを含む、第6期キックオフのコミュニケーションデザインについて書こうと思います。
もともとは、「5周年記念の贈り物を考える」というスタートが、気づけばキックオフ全体のブランドコミュニケーションのデザインをしていました。
やっぱりイベントのブランディングは大事!
チームで企画を進めたり、久しぶりに物理的なモノのデザインができたり、とても楽しいプロジェクトとなりました。
はじまりはギフト
プロジェクトのはじまりは、CEOの「お客様へ感謝の気持ちを込めて何かお贈りしたい」の一声でした。
当時、すでにキックオフの企画がやんわりと進んでいたので、お客様への「5周年の感謝」と、メンバーへ「第6期に向けて気持ちを一つにしたい!」の両方を届けられるギフトを考えることにしました。
キックオフの開催は午後だし、途中でコーヒー飲みたくなる?それならおいしいおやつも?お客様にもコーヒーが嫌いな人ってあんまりいない?というコーヒー好きの発想から、すぐにStockmarkのブランドストーリーを思い出しました。
ブランドストーリーにつなげる
ブランドストーリーは、これまでCEOの口からのみ語られてきました(え、口伝?)。最近ジョインしたメンバーの中には、存在自体を知らない人もいたので、この機会にお客様とメンバー両方に丁寧に伝えよう!
…ということで、コーヒードリップバッグとナッツを提案することに。
お客様へ贈るものとしては、すこしカジュアルだとは思いつつも「ギフトを通してブランドストーリーを伝えたい!」というコンセプトで、CEOからもOKをもらうことができました。
ギフトを受け取ったときに、ストーリーも一緒に伝える必要があったので、デザイナーでStory Architect(本当に名刺の肩書き!)の西村さんにストーリーの執筆をお願いしたところ、一日でかたちにしてくれました。
■ なぜコーヒー? 私たちがコーヒーの時間を大切にする理由
■ なぜナッツ? 知られていないリスのストーリー
リスのストーリーについては、CEOのnoteにくわしく載っています:
そして、このあたりから、お客様向けとメンバー向けに2種類のカードを作ることを本格的に考え出しました。
メインビジュアルを考える
同じくらいのタイミングで、キックオフコミッティーのメンバーから「キックオフ用のビジュアルが欲しい」という依頼が。ここまで違う軸で動いていたギフトとキックオフの企画が一つになったタイミングでした。
メインビジュアルを考えるときに意識したのは、この3つ。
キックオフ企画のテーマ『LINK Stockmark—You』を表現すること
Stockmarkのビジュアルアイデンティティをベースにしつつも、
第6期のスタートにふさわしい新鮮味のあるグラフィックであることメディアやチャネルを横断しても成立するグラフィックであること
簡単なスケッチからはじめ、第6期の"6"という数字、リスのしっぽ、そして、今回のテーマ「LINK」のもう一つの意味でもある「たいまつ」を表現したグラフィックに。
初期のスケッチはこんな感じ。ブレストしながら描いていると、似たようなスケッチが大量に発生します。笑
背景色でもある今回のテーマカラーは、Stockmarkの14色のブランドカラーの中からインディゴに決定。このカラー自体にも意味があるのですが、また次の機会に。
メインビジュアルを広げる
メインビジュアルが決まったら、キックオフの企画をメンバー全員に広げていくフェーズに。キックオフコミッティーの計画をもとに、キックオフ関連のコミュニケーションを、一貫したブランディングで展開していきました。
広げるときのちょっとしたポイント
キックオフ企画の詳細が決まるのと同時進行であれもこれも…と、前日ぎりぎりまでデザインしていてけっこう大変ではありましたが、さいごまで楽しく進めることができました。
メインビジュアルのブレストの段階から「zoomの背景画像も必要かな」などと、なんとなく他の使用用途も意識し、事前に心の準備ができていたのもあり、突然の制作依頼にも対応できました。テーマカラーも決めておくと、背景色などを統一するだけである程度一体感が出せるのでオススメです。
こだわりをギフトにつめこむ
ギフトの話に戻ります。
最終的に、お客様には、コーヒードリップバッグとナッツのセットを。
メンバーには、コーヒーとナッツに加え、Tシャツ、マスク、カードストラップをつめました。
■ コーヒーとナッツ
オリジナルデザインのコーヒードリップバッグは、THE COFFEESHOPさん。ナッツは、ロゴもラベルもリスのNOOKS FOODSさんにご縁を感じて発注!どちらも予想を超えたおいしさでした。
■ カラーTシャツ
みんなの気持ちを一つにしたい!というコミッティーの要望から、じつは、キックオフの企画で一番に進んでいたのは、Tシャツでした。メンバー投票をおこない、ブランドカラーの中から「今期を象徴する1色」を決定。のちに、キックオフ全体のテーマカラーとして展開していったので、みんなで選べたことはとても意味があったと思います。
■ マスク
マスクも早い段階で企画が進んでいました。色は、お客様を訪問するときにさわやかさと清潔感のあるホワイトと薄いグレー地にしました。リスのロゴも主張しすぎないサイズにしていつでも使いやすいデザインに。
■ カードストラップ
オフィスの入室カード用に、オモテはグレー地に白いロゴでシックに、ウラはカラフルなグラフィックの両面印刷で作成。コロナ禍の出社時にすこしでもテンションを上げてほしいというHRの想いが込められてます(抗菌加工のオプションも追加!)。
■ ラッピングペーパー
今回の名脇役は、ブランドアイデンティティのカラフルな幾何学グラフィックのラッピングペーパー。お客様用とメンバー用のギフトのボリュームや形状が違っていたのですが、フレキシブルに対応できました。カラフルで楽しさを演出しつつも、ブランド強化につなげる狙いも。
そして、サステナブル
個人的にサステナブルなものごとが好きで、普段から意識しているのですが、今回ギフトにも反映できたのが嬉しかったです。主なポイントは:
さいきん、ぐっとサステナブルなオプションが増え、すこしの意識や努力で変えられることが多くなったと感じます。
リスや"森の再生"を大事にするStockmarkのブランドコミュニケーションの一部として、今後も意識していきたいし、メンバーにも浸透していったらいいなぁと密かに思っています。
さいごに
さいごに、個人的な感想と、今回デザイナーとしてどういうマインドで関わっていたか、というようなことを書きたいと思います。
主体的に考え、どんどん提案してみる
企画を考えるとき、デザイナーじゃないメンバーが展開方法やビジュアル面まで考慮するのはなかなか大変だと思います。制作依頼を待つのではなく、より良いコミュニケーションのために何が必要か考え、提案していったことで、まとまりのあるコミュニケーションデザインが実現できたと思います。
いろんな意見や考え方を、積極的に受け取る
普段接点のないメンバーとのプロジェクトはいつも新鮮で学びが多いです。一人でデザインするのはどうしても限界があるので、コミッティーメンバーと進めるのと同時に、デザイナーメンバーにもたくさん意見をもらうようにしました。新しい視点を受けてデザインが洗練されていく過程が楽しくて、チームワーク大好きです。
メディアを横断したデザインを楽しむ
ここのところ、オンラインベースのプロジェクトが多かったので、物理的なモノのデザインができたのが楽しかったです。いいデザインは、メディアやチャネルを問わず成立するものなので、今後も多様なメディアを横断するプロジェクトに関わっていきたいとあらためて思いました。
印刷物の入稿はひさしぶりで緊張しましたが、デザイナー陣に共感してもらいつつ、がんばりました。笑
長くなりましたが、さいごまで読んでいただき、ありがとうございました。
みなさん、よいお年を。
おしまい