地元長野県開催のRuby Kaigi 2023に参加しました。
地元長野県の松本市で開催されたRuby Kaigi 2023に参加しました。東京で開催されていた頃には毎年のように参加していたのですが、全国各地を巡回して開催するようになってからは少し足が遠のいて7年ぶりのRuby Kaigiへの参加となりました。コロナ禍でリアルな対面カンファレンスの参加も久々だったので、とても刺激的で充実したカンファレンス参加となりました。
3日間の聴講の中で印象に残ったセッションの感想を残します。
"Matz KEYNOTE" by Matsumoto Yukihiro さん
プログラミング言語 Ruby の生みの親 まつもと ゆきひろさんがRubyの誕生から30年間を振り返ったお話でした。Andy Hunt氏による書籍『Programing Ruby』出版によるブレイク。DHHによるRuby On Railsの流行の波に乗ってRubyも大流行した話。Ruby 1.8 系から 2.0(1.9)系へのバージョンアップによるコミュニティーの分断と互換性の難しさ。どれも興味深いエピソードでしたが、職場の限られた同僚と知人にだけ公開しながら細々と、しかし地道にRubyを開発していた最初の頃の設計と情熱が今でもRubyの土台になっているお話は興味深かったです。
"Implementing "++" operator, stepping into parse.y" Misaki Shioi さん
Rubyの仕様には存在しないインクリメンタル演算子 ++ を試みに実装してみたという実用性ゼロ?のネタ・セッションでした。「あんな方法でインクリメンタル演算子を実装してみました」、「こんな方法で実装してみました」と次々にパーサー処理のアイデアが提示されることで、普段Rubyを使ってプログラミングする場面ではほとんど意識することがない背後の言語処理系のパーサーの仕組みの勉強にとてもなりました。という意味ではとても実用性溢れるセッションでした。知らんけど。😅
「インクリメント演算子の実装に成功しました。しかし(however)…」が3回、4回と繰り返されるのですが、そのたびに聴講者が拍手して次のパーサー実装案の説明がテンポ良く始まるという構成がとても面白かったです。素晴らしいセッションは発表者の準備や工夫と聴講者の協力の相乗効果で素敵な空間が作られるというリアルな対面カンファレンスの素晴らしさを実感した発表でした。
"Ruby vs Kickboxer - the state of MRuby, JRuby and CRuby" Michael Milewski さん, Selena Small さん
RubyKaigi 2023 で最も刺激的で印象に残ったプレゼンテーションでした。
IoTデバイス(Arduino)とサーバーとスマートフォン(Android)の3ヶ所で各々 mruby, CRuby, JRuby を動かして通信させる技術的にはシンプルな発表内容なのですが、「コロナ禍のロックダウン期間中にキックボクサーの一人スパーリングシステムを作りました」というテーマに沿って楽しくデモが行われました。ランチタイム直後の眠気が襲ってくる時間帯、しかし激しいスパーリングで一気に眠気が飛びました。
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