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皮膚科の名医から聞いた、帯状疱疹の話

「帯状疱疹(たいじょうほうしん)のワクチンは打ったほうがいい?」

ここ最近、50歳を過ぎた人たちから、
もう何度、質問されたかわかりません。

ライターとして美容系の記事を書いているのだから、当然、健康についても詳しいよね、ということでの質問です。

ならば、適当に回答するわけにはいかない。
皮膚科専門医の方からお話を聞いてみなければ!と

日本臨床皮膚科医会会長・江藤隆史先生による
「最近よく聞く 『帯状疱疹』はどんな病気?」という講演
を聞いてきましたよ。

どんな病気がよく知らず、ただ不安に思っていた帯状疱疹について、しっかりと理解できたので、勝手ながら講演内容をこちらにまとめてみます!


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■講演「最近よく聞く 『帯状疱疹』はどんな病気?」

        日本臨床皮膚科医会 会長
        あたご皮フ科 副院長
        東京逓信病院皮膚科 客員部長
          江藤隆史 先生
          
2023年10月9日(月)実施

ー 帯状疱疹は、気がつきにくく、治療が遅れがち

帯状疱疹の特徴は、体や顔の片側にピリピリ、チクチク、ズキズキといった「痛み」がやってきて、それから数日後に、痛みを感じる神経に沿ってポツポツと盛り上がった「赤い発疹」が出ること。

この「痛み」や「赤い発疹」を帯状疱疹だとは思わず、「痛み」を片頭痛や五十肩、「赤い発疹」を虫刺されやおでき、かぶれだと思って、そのまま放置してしまい、気づくのが遅れ治療も遅れてしまうことが多い。

(⇒ ワクチン接種は、気づくのが遅れても重症化させないために有効!)


ー 50歳以上の日本人は、100%抗体を持っているけど

帯状疱疹の原因となるウイルスは、水ぼうそうのウイルスと、まったく同じもの。※水痘帯状疱疹ウイルス(VZV=varicella-zoster-virus)

このウイルスは、子どもの頃に水ぼうそうにかかったことがある人や予防接種を受けた人なら、100%体内に持っている。そしてこのウイルスは、水ぼうそうが治った後も消滅せず、体内の知覚神経の根に潜んでいる。

帯状疱疹は、このウイルスが体の細胞性の免疫力が低下することで再び暴れ出し、発症する。

すでに持っているはずの抗体は、時間が経つにつれ、少しずつ弱まってしまう。でも弱まってきたタイミングで、水ぼうそうにかかった子どもなどに接すると、再び免疫を活性化することができる。(※これを免疫の「ブースター効果」と呼ぶ。)

でも現在は、2014年10月から水ぼうそうワクチンが定期接種になったことで、水ぼうそうにかかる子どもが減った。その結果、大人が免疫の「ブースター効果」を得る機会が減ってしまった

そのため今後は、帯状疱疹を発症する人が今よりももっと増えるのではないかと考えられている。


ー 帯状疱疹は、後遺症が厄介!

帯状疱疹は症状が進むと、「帯状疱疹後神経痛」として残ってしまうことがある。これが厄介!

「帯状疱疹後神経痛」とは、発疹や水ぶくれなどが消えた後も続く痛みのことで、5年から10年以上も続く場合がある。激し過ぎる痛みは、「この痛む箇所を切り落としてくれ!」と叫ぶ患者さんもいるほど。

知覚神経のそばにある運動神経に麻痺が出てしまうこともあり、顔の場合には顔面神経麻痺になったり、お尻の場合には尿閉(尿が出にくくなること)になったりすることも。特に耳のまわりに現れたら、注意が必要

(⇒ 重症化させないためには、ワクチン接種が有効!)


ー 発疹が出てから、3日以内の治療が大切

帯状疱疹は、「赤い発疹」が出てから3日以内に、治療を開始することが大切。帯状疱疹は、早期発見・早期治療で治癒できるもの。良い薬もたくさん出てきている。

でも、薬を体内に取り入れてから、ウイルスの活動が停止するまでに2~3日はかかる。痛みや皮膚の症状が改善するのはその後なので、「薬が効かないじゃないか、このヤブ医者め!」と思わず、治療を続けることが大事。


ー 覚えておいて欲しい、3つのこと

・肌に痛みを感じたら、すぐに病院で受診する。
・50歳を過ぎたら、帯状疱疹の危険が高まると覚えておく。
・帯状疱疹ワクチンの接種が、発症や重症化を防ぐのに有効。

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以上が、江藤先生による講演の概要です。

■講演を聞き終えた、私の感想

・後遺症は、とにかくツラそう。
・早期発見できればいいけど、自分では早期に発見できない気がする。
・すぐに皮膚科を受診できるかもわからない。
・やはり、ワクチンは料金は高いけど、打っておく価値はありそう!
 (自治体によっては助成も出るみたいだし)

■その他の疑問について

講演でのお話にはありませんでしたが、帯状疱疹に関して私が知りたいと思った諸々についても調べてみたので、下記にまとめてみます。

ー 帯状疱疹は、うつらないの?

帯状疱疹は、自分の体内に潜伏しているウイルスが再び暴れ出すことで発症するものなので、他の人に帯状疱疹という病気そのものとしてうつることはないそう
(※水ぼうそうにかかったことのない乳幼児などに、水ぼうそうとしてうつる場合はあります。)

ー 3人に1人が発症するって、ホント?

水ぼうそうのウイルスを、日本人成人のほとんどが持っているため、帯状疱疹は誰もが発症する可能性があります。特に、50歳を過ぎるとその数は増えて、80歳までに約3人に1人が発症すると言われているそう。(※50歳から増える理由は、加齢、疲労、ストレスなどにより、免疫が下がるため。)


出典:帯状疱疹予防.jp
https://taijouhoushin-yobou.jp/doctor.html

ー 帯状疱疹は、50歳より若くてもかかるの?

帯状疱疹は、60歳代を中心に、50歳代〜70歳代に多く発症しますが、上記のグラフでもわかるように、若い人に発症することもあります。
江藤先生の講演でも話があったように、これまでと違って、大人が50歳になるまでに免疫の「ブースター効果」を得る機会が減ってしまったため、若い人でも発症する可能性は大。油断は禁物ってことです。

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■まとめ

先日ばったり会った先輩(50代女性)は、帯状疱疹を発症して2週間経ったところ、という状況でした。彼女の症状は見た目には全然わからなかったけど、脇腹あたりに症状が強く出ているそうで、「皮膚の中から針で誰かに24時間ずーっとチクチク刺され続けてるみたいに痛くて、ツラい。仕事もできない。」と言っていました(怖)。

そして、「ワクチンは絶対受けたほうがいいよー。だって、ツラいもん。」と強く勧めてくれました。

ワクチンは高いし、副作用の心配もあるけれど
帯状疱疹で苦しむのが怖いなら、悩まず打ったほうがいい。

これを、今のところの私の結論として、
今後、皆さまからの質問に答えていきたいと思います!


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